【市況】米国株式市場見通し:複数の主要経済指標に注目
28日(月)はメモリアルデーの祝日のため、米国株式相場は休場となる。今週は雇用統計をはじめ経済指標の発表が多数予定されているが、FOMC議事録では、大半の当局者が堅調な経済見通しを受けて、近く利上げが必要となるとの認識を示しており、発表内容を受けて6月以降の利上げ見通しがどのように変化するかが注目される。「5月に売って立ち去れ(Sell in May and go away)」という格言通り、節税目的の個人退職年金の流入が一巡し、需給面の好材料が無くなっていく時期でもあり、注意が必要だ。
経済指標では、5月消費者信頼感指数(29日)、5月ADP雇用統計(30日)、1-3月期GDP改定値(30日)、4月個人所得・支出(31日)、5月雇用統計(1日)、4月建設支出(1日)、5月ISM製造業景況指数(1日)などの発表が予定されている。今回の雇用統計では非農業部門雇用者数が19万人増、失業率は3.9%が予想されているが、予想を大きく下回らない限り、6月の利上げが確実視されるだろう。
30日にはFOMCでの基礎資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されている。雇用統計の結果とともに連銀の金融政策に影響を与えるかどうかが焦点だが、先週発表された4月耐久財受注は予想を上振れ、設備投資の持ち直しが示された。一方で、住宅関連指標には後退の兆しが見える。どのような景気判断が示されるかが焦点となる。
米国では毎年5月のメモリアルデーの祝日頃からから9月のレイバー・デーの祝日頃にかけて、ガソリン需要が増大する傾向があり、「ドライビングシーズン」と呼ばれる。全米自動車協会(AAA)は、メモリアルデー含む今週末の連休(5/24-28)における旅行者を2005年以降最大となる4,150万人以上と予想している。AAAが発表した25日時点の全米平均レギュラー・ガソリン価格は1ガロン2.969ドルと前年同期比で約25%も高価であるが、堅調な米経済と消費者信頼感により、旅行先での個人消費が鈍化する可能性も低そうだ。今年は飛行機を利用する旅行者数が大きく伸びる見通しで、この連休は今後の景気拡大を占う良い機会となるだろう。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ