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【特集】RSテクノ Research Memo(4):中国の有力シリコンウェーハメーカーを子会社化して中国市場に進出

RSテクノ <日足> 「株探」多機能チャートより

■プライムウェーハ事業の詳細と見通し

1. 計画の概要
RS Technologies<3445>は2017年12月1日、中国の中央政府直属企業である北京有色金属研究総院(現 有研科技集団有限公司、以下、GRINM)の100%子会社である有研半導体材料有限公司(以下、GRITEK)を連結子会社化し、中国でのプライムウェーハ事業に進出することを発表した。

具体的スキームとしては、同社とGRINMが中心となって合弁企業の北京有研RS半導体科技有限公司(以下、BGRS)を設立し、事業会社であるGRITEKをBGRSの100%子会社とする方式が採用されている。

このスキームの最大のポイントは、合弁企業のBGRSをGRINM(49%)、同社(45%)及び福建倉元投資有限公司(以下、福建倉元)(6%)の3社間で設立した点にある。福建倉元は福建省に籍を置く国内企業であるため、GRINMと合わせた中国側の出資比率が55%となり、BGRS及びGRITEKは内資企業(国内企業)として扱われる。他方、福建倉元は同社の方永義社長の親族企業であり、同社側が51%を保有して経営の実権を確保し、GRITEKを同社の連結子会社化としている。

GRITEKが内資企業であることは、中央政府や地方政府から各種の補助金等を得ることができ、設備投資や事業運営上、外資企業に比べて優位に立つことができる点で大きなメリットがある。

同社は上述の一連のスキームを2018年1月30日までに完了させた。また、2018年3月には公募増資と第三者割当増資によって約91億円を調達し、プライムウェーハ事業に当面必要な事業資金(一部は再生ウェーハ事業にも投資)の調達を完了している。


中国では5社のプレーヤーが主に8インチウェーハを供給。生産のためのサプライチェーンもほぼ整備された市場
2. 中国のシリコンウェーハ市場の状況
(1) 主なプレーヤーの状況
中国の半導体チップ消費量は世界の40%を占めるまでに成長したが、国産化率はそのうち10%程度にとどまっている。

主要な半導体材料であるシリコンウェーハの勢力図も上記と似たような状況にある。前述のように、半導体の量産では最大の12インチウェーハを初めとして様々なサイズのものが使用されている。このうち、中国国内で生産されているウェーハは8インチ(200mm)ウェーハが最大かつ最先端となっている。中国国内にも12インチウェーハを使用する半導体チップ製造工場は存在するが、12インチウェーハは日本など海外からほぼすべてを輸入しているとみられる。したがって、シリコンウェーハを含めた半導体材料の中国の国内自給率は、半導体チップのそれ(推定10%)をさらに下回っていると推測される。

中国には現状、10数社のシリコンウェーハメーカーがあると言われている。それらの中で8インチウェーハの供給ができている事業者はGRITEKも含めて5社程度と言われている。足元の生産能力は各社5万枚/月~10万枚/月で、5社合計では30万枚程度と推測されている。1つ注意を要するのは、これらのメーカーが必ずしも公称能力どおりに製品を出荷できているわけではないということだ。その中でGRITEKは8インチウェーハの実生産量が公称能力を上回っている数少ない企業となっている。

これらの企業はいずれも、積極的な能力増設計画を有している。各社の増産時期はばらばらで詳細は不明であるが、2020年~2021年頃には中国の8インチウェーハの生産能力は、現状の30万枚/月から100万枚/月以上へと、3倍以上に増加する見通しとなっている。

(2) 中国のマーケットの現状
各社の積極的な設備能力増強の背景には、中国におけるシリコンウェーハの潜在市場が膨大であり、国家の支援もあって急成長のチャンスが非常に大きいということがある。現状、中国国内の8インチウェーハの市場は50万枚/月と言われている。これが2021~2022年ころには100万枚に増加するという見方がされている。中国政府が2015年5月に発表した「中国製造2025」(Made in China 2025)では、ICの国産化率について2020年に40%、2025年に70%という目標が明示されている。仮にこの目標が現実になれば、中国国内のシリコンウェーハ需要は急拡大し、8インチウェーハだけを取っても100万枚/月をはるかに上回る需要量となる可能性が高い。

中国国内で生産されたシリコンウェーハは、国内の半導体工場に出荷され、各種半導体チップの材料として使用されている。サイズが最大でも8インチであることから、メモリやCPU向けではなく、ロジック系ICやASIC、パワーIC等の生産に使用されているとみられる。

シリコンウェーハの実際の製造では、その直接の原料である多結晶シリコンを初め、各種製造装置(単結晶引上げ機や切断機、研磨機など)、副資材(石英るつぼや研磨用のコンパウンド(磨き粉)、研磨布など)などが必要であり、これらのサプライチェーンの整備が重要な要素となっている。このうち、多結晶シリコンの供給については中国国内での調達が十分可能な状況にあるようだ。石英るつぼも同様だ。製造装置については、韓国や日本、中国などのメーカーから調達が可能となっているもようだ。こうした状況を鑑みると、中国国内ですべての資機材のサプライチェーンが完結するわけではないものの、かなりの部分は国内で調達可能であり、一部を日本や韓国から輸入することで、中国国内でのシリコンウェーハの製造は問題なく実現できる状況にあると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ
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