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【特集】日経平均“足踏み中”も買い意欲は旺盛、注目「最高益&割安」株 <株探トップ特集>

9日の東京株式市場は地政学リスクへの警戒感が強まり日経平均は軟調推移となった。そうしたなか目を引いたのは、好業績見通しを示した銘柄への買い意欲の強さだ。

―19年3月期経常最高益予想銘柄を追う―

 9日の東京株式市場は、日本時間9日未明にトランプ米大統領が、イラン核合意から離脱しイランへの経済制裁を再開する方針を表明したことで、地政学リスクへの警戒感が強まり、日経平均株価は終日軟調な推移となった。ただ、そのなかにあっても好業績見通しを発表した個別銘柄への買い意欲は旺盛だ。そこで、19年3月期経常利益が最高益更新予想の割安銘柄に改めて注目した。

●ニホンフラッシュ、中国での内装つき住宅需要拡大が追い風に

 マンション向け内装ドアで国内首位のニホンフラッシュ <7820> は1日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高250億円(前期比21.1%増)、経常利益35億8000万円(同15.0%増)、最終利益26億2000万円(同11.7%増)を見込む。業務改善や省力化設備の導入などにより、生産性向上に向けた取り組みを継続的に行い経営の効率化を目指す。中国事業では、インフィル販売(内装付き住宅)を手掛ける優良なマンションデベロッパーへの深耕、新規開拓による拡販を引き続き行っていく。また、中国政府は安全性、環境や健康問題、加えて投機目的ではない居住を対象とする住宅供給の観点から「内装付き住宅」を推進しており、内装全てを一式で外注できる専門業者への需要も高まっている。

●マクニカ富士、車載用や産業機器市場での成長を予想

 独立系の半導体商社として国内トップ級のマクニカ・富士エレホールディングス <3132> は1日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高5300億円(前期比5.1%増)、経常利益158億円(同5.8%増)を見込んでいる。集積回路および電子デバイスその他事業では、サーバー、ストレージシステム向けメモリビジネスの一部収束が見込まれるものの、半導体の搭載率がますます増加することが予想される車載市場向けビジネスや、同社が注力している産業機器市場向けビジネスは引き続き成長が予想される。

●富士電機、産業用や自動車向けで電子デバイスが好調

 富士電機 <6504> が4月26日に発表した19年3月期通期業績予想で、売上高9000億円(前期比0.7%増)、経常利益600億円(同7.1%増)、純利益395億円(同4.6%増)と、経常利益は2期連続で過去最高更新となる見通し。産業分野の売り上げ拡大や、自動車分野の電動化に対応した新製品開発により電子デバイス部門が一段と伸びるほか、国内や中国の生産工程の自動化ニーズを背景にFA(ファクトリーオートメーション)システム事業に注力するパワエレシステム・インダストリーソリューション部門などが拡大し、利益の押し上げに貢献する見通し。

●アイカ工、買収した台湾企業の収益が今期フル寄与

 アイカ工業 <4206> が4月26日に発表した19年3月期通期の連結業績予想は、売上高1850億円(前期比13.0%増)、経常利益210億円(同7.1%増)、最終利益134億円(同11.7%増)を見込んでいる。化成品では、機能材料事業の拡大と海外展開を推進する目的で、台湾・南投市のウレタン樹脂などの製造販売会社、エバモア・ケミカル・インダストリー社を対象に公開買付けを実施し、同社およびその子会社を連結子会社とし、今期からフル寄与する。一方、建装建材では、アジア地域でのメラミン化粧板およびメラミン不燃化粧板の拡販で、今後さらに伸張が見込まれるASEAN市場に本格的に参入することを目的として、ベトナム・ドンナイ省に化粧板製造販売子会社アイカ・ラミネーツ・ベトナム社を設立し、19年4月から製造を開始する予定だ。

●トーモク、段ボール需要の堅調や省エネ住宅拡販を想定

 トーモク <3946> が7日に発表した19年3月期通期の連結業績予想で、売上高1700億円(前期比5.3%増)、経常利益83億円(同39.0%増)、最終利益50億円(同29.2%増)と大幅増益を見込んでいる。需要が堅調に推移している段ボール事業で、内部コストの低減に注力するほか、原材料高騰の価格転嫁と物流条件の改善に取り組む。また、住宅事業は省エネ性能に力点を置いたZEH(年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる住宅)対応の商品「ヒュース エコ ゼロ」の拡販やトータルコストの改善に取り組む。さらに、運輸倉庫事業は物流拠点を拡大して、取り扱い数量の増加に対応できるよう体制を強化する。

●椿本興業、半導体製造装置向け部品などの拡大目指す

 椿本興業 <8052> は8日、19年3月期通期の連結業績予想を発表した。売上高は1020億円(前期比3.4%増)、経常利益は43億5000万円(同17.8%増)、最終利益は28億5000万円(同17.7%増)を見込んでいる。東日本本部では、好調な半導体製造装置に供給するパワトラ部品を筆頭とした部品販売や、物流、食品、自動車関連業界へ納入する搬送・仕分装置などを中心に営業展開をする。西日本本部では、引き続き業績好調な液晶製造、環境関連業界や、食品業界などを中心に営業展開をする。さらに、開発戦略本部では、海外市場で、業況回復傾向にある中国国内の自動車関連産業を中心に、アジア新興国を加えた設備投資需要への販売回復を目指す。

●OCHIHD、耐震やゼロエネルギー住宅向け建材が成長

 住宅建材卸のOCHIホールディングス <3166> は7日に、19年3月期通期の連結業績予想を公表した。経常利益見通しを23億8000万円(前期比15.3%増)としていることや、年間配当計画を前期比4円増配の24円としていることに注目。売上高は1015億円(同6.8%増)を予想している。耐震やゼロエネルギー住宅、高齢者などに配慮した住宅に関連する商材の提案促進、リフォーム需要の取り込み、非住宅市場の開拓など成長分野での販売を図るとしている。また、同時に木材の加工・販売を手掛ける愛媛プレカット(愛媛県松山市)の発行済み全株式を取得し、子会社化すると発表している。

◆主な19年3月期経常最高益更新予想の割安銘柄◆

銘柄 <コード>    増益率  株価  PER
マクニカ富士 <3132>   5.8  1885  10.7
OCHIHD <3166>  15.3  1609  13.7
ユニゾHD <3258>    7.0  2247   6.7
共和レザー <3553>   16.5  1030  10.3
ティーガイア <3738>  30.4  2952  12.2

トーモク <3946>    39.0  2165   7.1
大阪ソーダ <4046>    9.6  3100  13.0
アイカ工 <4206>     7.1  4150  20.2
リケンテクノ <4220>  12.8   568  12.6
クイック <4318>    10.0  1738  18.6

特殊陶 <5334>      8.5  3000  12.0
MARUWA <5344>  11.1  9370  17.7
富士電機 <6504>     7.1   780  14.1
GSユアサ <6674>    7.5   567  17.9
ホーチキ <6745>    18.3  2213  13.9

ニホンフラ <7820>   15.0  2796  13.4
椿本興業 <8052>    17.8  4030   8.9

※株価は9日終値(単位:%、円、倍)

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