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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~こう着のなか、マザーズ銘柄への見直し等を意識

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

24日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:こう着のなか、マザーズ銘柄への見直し等を意識
■決算チェック:日立の18年3月期営業利益は7000億円前後の公算、堅調な業績推移は評価材料
■前場の注目材料:NTTドコモ、時速305kmで5G、4K映像ライブ中継も成功


■こう着のなか、マザーズ銘柄への見直し等を意識

24日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が続きそうである。23日の米国市場は長期金利上昇への警戒感や主要ハイテク企業の決算を見極めたいとする模様眺めムードのなか、やや売り優勢の相場展開となった。取引終了後の決算を発表したアルファベットは、売上高、一株利益ともに予想を上振れたが、市場反応はまちまちであり、ハイテク株への支援材料にはなりづらいだろう。一方で、円相場は1ドル108円後半へと円安に振れて推移しており、為替の円安基調が下支えとして意識されそうである。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円高の22190円だった。

国内の決算では日本電産<6594>に市場の関心が集まりやすく、その後発表されるハイテク企業の決算後の反応にも心理的な影響を及ぼすことになりそうである。株価は1月高値をピークに調整が続いており、足元では26週線、13週線に挟まれる格好で煮詰まり感が台頭している。テクニカル的にはもち合いを放れやすいタイミングとなる。

その他、AIや仮想通貨などのテーマ株への物色も引き続き注目される。決算を控えて物色対象は広がりづらい状況でもあり、動きの強いテーマ株や材料株等に短期筋の値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。その他、HEROZ<4382>は今日にも初値がつくことになりそうだが、初値形成後の利食い資金が更に他の中小型株へ向かう格好となり、出遅れ感のあるマザーズ銘柄への見直し等も意識されてくるだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■日立の18年3月期営業利益は7000億円前後の公算、堅調な業績推移は評価材料

日立<6501>の18年3月期営業利益は従来予想の6600億円(前期比12%増)を上回り、7000億円前後まで膨らんだ可能性があると報じられている。本業の収益力を示す売上高営業利益率は7%強と1990年3月期以来、28年ぶりの高い水準を回復したようだ。金融、物流、工具など本業と関係の薄い事業を相次いで売却し、海外プラントなど不採算事業からも撤退したことで固定費が適正水準となり、販売増が利益増に直結する体質に変貌したという。下期に見込んでいた営業利益ベースで約300億円のリスク対応費用をほぼ使っていないとみられ、これがそのまま利益を押し上げる要因ともなっているようだ。大胆なリストラを着実に進めてきたことで、日立は堅実な成果を出せる会社に変わった評価されている。柱であるIT関連、情報システム、鉄道、半導体、建機など各事業の販売増は19年3月期も続く見通しで、関係者の発言などから営業利益で7500億円-8000億円を出す力は十分に備わっているようだとされている。27日に決算発表を予定しており、今期予想を見極めたいとするムードは強いだろう。ただ、今回伝わった前期営業利益観測は市場コンセンサス(6800億円強)を上回り、ここまでの堅調な業績推移は評価材料となりそうだ。


■前場の注目材料

・1ドル108円70-80銭
・シカゴ日経225先物(22190、大阪比+90)
・VIX指数は低下(16.34、-0.54)
・米原油先物は上昇(68.64、+0.24)
・日銀が大規模緩和継続
・好業績銘柄に買い

・NTTドコモ<9437>、時速305kmで5G、4K映像ライブ中継も成功
・日本電産<6594>、外部配線を省略、インバーター一体型モーターシステム開発


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:00  伸銅品出荷統計(3月)
・10:00  営業毎旬報告(4月20日現在、日本銀行)

<海外>
・10:30  豪・消費者物価指数(1-3月)  2.0%  1.9%

《HT》

 提供:フィスコ

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