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2018年04月23日18時30分

【特集】馬渕治好氏【見えてきた日経平均2万3000円のステージ】(1) <相場観特集>

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

―円高から円安へ、地政学リスク後退で日本株はどこを目指す―

 週明け23日の東京株式市場は戻り売り圧力が意識される展開で、日経平均株価は続落を余儀なくされた。しかし、外国為替市場で円安傾向にあるなど風向きは悪くはなく、主力輸出株の下値では広範囲にわたり押し目買いも観測された。毎年この時期は決算発表を絡め神経質な展開となるのが通例だが、市場第一線で活躍する業界関係者の目にはどう映っているのか。ゴールデンウイーク明け後の相場をにらみ、その見通しを聞いた。

●「強調展開で5月中に2万3000円台固めへ」

馬渕治好氏(ブーケ・ド・フルーレット 代表)

 東京株式市場は足もとこそ上値の重さも意識されるが、下値リスクは限定的であり先行き強調展開を見込んでいる。北朝鮮が21日に核実験やミサイル発射の中止を表明したことは、地政学リスクの後退につながる。また、きょう23日までの日程で開催されたG7外相会合では、(長距離だけではなく)短中距離ミサイルも廃棄させる方向で意見がまとまっており、これは日本株にとってもポジティブな材料として認識される。

 気になるのは米国株市場などで半導体関連株が引き続き売られていること。前週に半導体受託生産首位のTSMCが売上高見通しを減額したことが尾を引いているほか、米アップルのiPhoneの販売不振が嫌気されている。しかし、これも売り圧力としては早晩峠を越すとみており、東京市場でも東京エレクトロン <8035> やSUMCO <3436> など半導体関連のここからの下値は中期スタンスに立って買い向かうのが正解となろう。

 足もとは為替が円安方向に振れているのが、投資家心理に安心感を与えている。ここから本格化する企業の3月期決算発表については18年3月期はともかくとして、19年3月期を見据えた場合、1ドル=105円でも5~10%の増益を確保できるとの見方がマーケット関係者の間で支配的となっているようだ。したがって、実勢の1ドル=107円台後半の推移であれば、それよりも増益幅は広がる公算が大きい。もっとも、円高デメリット業種においては企業側が慎重な業績予想を前面に押し出してくる可能性も考えられる。その場合は企業の前提為替レートをよく見て判断する必要がある。株式市場でもガイダンスリスクについては事前に身構えている部分があり、そのぶん失望売りにさらされるケースは少ないのではないかと考えている。

 株式需給面では4月に入り外国人投資家の買い転換が鮮明だ。現時点ではヘッジファンドなど短期筋のショートカバーが主流としても、早晩足の長い資金の実需買いが予想される。日経平均の下値としては2万2000円近辺が基本的に底値ライン、仮にここを一時的に割り込む場面があったとしてもそこは買い場と心得たい。一方、上値については決算発表通過後に水準を切り上げる可能性が高く、5月末までに2万3000円台を固める動きを想定している。いずれにしても、今年は「セル・イン・メイ」の格言はあてはまらないだろう。物色対象としては、前述した半導体関連の押し目買いのほか、順張りであれば消費関連で業績好調な資生堂 <4911> やライオン <4912> などに注目したい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(まぶち・はるよし)
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程修了。米国CFA(証券アナリスト)。マスコミ出演は多数。最新の書籍は「投資の鉄人」(共著、日本経済新聞出版社)。日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣のひとり。

株探ニュース
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