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【経済】NYの視点:米10年債利回り節目3%の行方睨む


米10年債利回りは2.99%と2014年1月以来の高水準を達成した。ドルの行方を見極めるうえでも、重要な節目とされる3%を果たして突破し、突破後も上昇が続くかどうかに焦点が集まる。警戒されていた利回り曲線の平坦化も解消しつつある。利回り曲線の逆転は、景気後退を示唆する兆候として警戒されている。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は次回5月の会合で、3月に追加利上げを実施後、政策金利を据え置く見込み。しかし、金融先物市場はその次の6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げをほぼ織り込んだ。

投資家は、米国インフレ率の一段の上昇や金融引き締めを再び織り込み始めた。4月初め、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月FOMCの議事録の中で、全てのメンバーがここ最近の経済が強まっており、インフレも上昇していると判断したことが明らかになった。今月に入っても、原油価格の上昇などが、物価を押し上げた。

5月FOMCの材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)でも全米の経済が引き続き緩慢または緩やかな成長を継続していると指摘されている。また、物価に関しては、米国の輸入制限の影響もあり、アルミや鉄鋼などの価格が高騰。企業は一段の物価の上昇を予想していることが明らかになった。

また、ムニューシン米財務長官が訪中を検討しており米中の合意に慎重ながら楽観的な見通しを見せたことで貿易摩擦への警戒感が緩和。また、米朝首脳会談も控え、地政学的リスクも緩和したため、安全資産としての国債購入も後退し、更なる米国債利回りの上昇につながった。

《CS》

 提供:フィスコ

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