市場ニュース

戻る
 

【市況】9日の米国市場ダイジェスト:NYダウは46ドル高、貿易戦争への懸念が和らぐ

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウは46ドル高、貿易戦争への懸念が和らぐ

9日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は46.34ドル高の23979.10、ナスダックは35.23ポイント高の6950.34で取引を終了した。米中貿易摩擦問題について、ムニューシン財務長官やクドロー国家経済会議委員長が、交渉による解決を支持していることから、警戒感が和らぎ買いが先行。原油高も好感されたが、今週から始まる1-3月期決算を控えて、企業業績動向を見極めたいとの思惑から上げ幅を縮小する展開となった。セクター別では、医薬品・バイオテクノロジーやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや小売が下落した。

メルク(MRK)は、同社のがん治療薬「キイトルーダ」が肺がん患者への臨床試験で効果を示し上昇。ハイテクセクターの好決算を見据えて、動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、検索大手のアルファベット(GOOGL)、携帯端末のアップル(AAPL)が堅調推移。SNSのフェイスブック(FB)は、ザッカーバーグCEOの明日からの議会証言の原稿が明らかとなり、プライバシー問題について正式に謝罪し、セキュリティ分野への投資増額及び人員増加する内容が好感され上昇。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は、モルガン・スタンレーによる投資判断引き上げを受け小幅上昇。

モルガン・スタンレーによると、金属大手のアルコア(AA)は、中国からの輸入品に対する関税賦課やロシアの同業UCルサールに対する制裁の影響による好影響を受ける見通し。


Horiko Capital Management LLC


■NY為替:ドル反落、米財政赤字拡大予想や政治不安を嫌気

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円12銭から106円62銭まで反落し、106円75銭で引けた。トランプ米政権が対中貿易問題に関する姿勢を和らげたため、米債利回り上昇に伴うドル買いが一時優勢となった。しかし、米連邦議会予算事務局(CBO)による財政赤字の拡大予想や、米連邦捜査局(FBI)がトランプ大統領の私的弁護士の事務所を強制捜査したとの報道を受けてNYダウなどの上げ幅が縮小したことから、リスク回避的なドル売りが優勢となった。ユーロ・ドルは、1.2284ドルから1.2330ドルまで上昇し、1.2318ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が域内の経済に楽観的な見通しを示したため、金利先高感を受けたユーロ買いが再燃した。ユーロ・円は、132円00銭まで上昇後、131円38銭まで反落。ポンド・ドルは、1.4116ドルから1.4164ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9596フランから0.9561フランまで下落した。


■NY原油:反発で63.42ドル、株高やドル安を意識した買いが入る

NY原油先物5月限は反発(NYMEX原油5月限終値:63.42 ↑1.36)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+1.36ドルの63.42ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時63.61ドルまで買われた。米国株の反発や米中貿易摩擦解消への思惑が広がったことが要因。為替相場がドル安方向に振れたことも原油先物相場の反発を促す要因となったようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  29.87ドル +0.24ドル(+0.81%)
モルガン・スタンレー(MS) 53.35ドル +0.31ドル(+0.58%)
ゴールドマン・サックス(GS)252.19ドル +2.22ドル(+0.89%)
インテル(INTC)      49.55ドル +0.76ドル(+1.56%)
アップル(AAPL)      170.05ドル +1.67ドル(+0.99%)
アルファベット(GOOG)   1015.45ドル +8.41ドル(+0.84%)
フェイスブック(FB)    157.93ドル +0.73ドル(+0.46%)
キャタピラー(CAT)     143.08ドル +0.09ドル(+0.06%)
アルコア(AA)       50.62ドル +2.57ドル(+5.35%)
ウォルマート(WMT)     86.28ドル -0.41ドル(-0.47%)
スプリント(S)       5.14ドル -0.01ドル(-0.19%)

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均