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【市況】5日の米国市場ダイジェスト:NYダウは240ドル高、貿易摩擦への懸念が一服

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウは240ドル高、貿易摩擦への懸念が一服

5日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は240.92ドル高の24505.22、ナスダックは34.44ポイント高の7076.55で取引を終了した。中国の報復関税措置を受けて、米政府高官が交渉の可能性を示唆したことで米中貿易摩擦への警戒感が後退し買いが先行。1-3月期決算発表シーズンを来週に控えて、業績期待から買い戻しが広がったほか、長期金利の上昇も好感され、終日堅調推移となった。セクター別では、素材やエネルギーが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や医薬品・バイオテクノロジーが下落した。

米国債利回りの上昇を受けて、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融関連企業が堅調推移。光通信機器メーカーのフィニサー(FNSR)は、モルガン・スタンレーによる投資判断引き上げを受け上昇。種子メーカーのモンサント(MON)は、独バイエルとの合併成立に自信を示し買われた。一方で、半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)は、UBSによる売り推奨を受けて下落し、同業のエヌビディア(NVDA)も売られた。スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(UA)は、一部アナリストが通期見通しに慎重な見方を示し、軟調推移となった。

携帯端末のアップル(AAPL)は、検索大手のアルファベット(GOOGL)傘下のグーグルで人工知能(AI)部門の責任者であったジャナンドレア氏を起用した。音声アシスタントの「Siri」をテコ入れすると見られ、ネット小売のアマゾン(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)に比べて出遅れたAI分野で、どれだけ巻き返しを図れるかに注目したい。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米中貿易摩擦解消への期待でドル買い強まる

5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円00銭から107円49銭まで上昇し、107円40銭で引けた。米国の失業保険継続受給者数が45年ぶり低水準に達したほか、米中貿易論争で、交渉後、最終的に合意に至るとの期待が広がったため、株高に連れたリスク選好の円売りや米債利回りの上昇でドル買いに拍車がかかった。ナバロ国家通商会議委員長やクドロー米国家経済会議(NEC)委員長は米国と中国が合意に至るとの楽観的な見解を示した。ユーロ・ドルは、1.2269ドルから1.2218ドルまで下落し、1.2235ドルで引けた。ユーロ圏サービス業PMIの予想外の悪化でユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は、131円07銭から131円50銭まで上昇。リスク選好の円売りが加速した。ポンド・ドルは、1.4032ドルから1.3966ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9614フランから0.9640フランまで上昇した。


■NY原油:小幅高で63.54ドル、原油需要増加への期待残る

NY原油先物5月限は小幅高(NYMEX原油5月限終値:63.54 ↑0.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+0.17ドルの63.54ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時64.12ドルまで買われた。米国経済の持続的な成長への期待や米中貿易摩擦解消の思惑が広がったことが要因。原油需要増加への期待は残った。ただ、主要通貨に対してドルが上昇したことや、米長期金利の上昇を嫌って利食い売りも散見された。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  30.32ドル +0.44ドル(+1.47%)
モルガン・スタンレー(MS) 54.86ドル +1.19ドル(+2.22%)
ゴールドマン・サックス(GS)255.81ドル +3.19ドル(+1.26%)
インテル(INTC)      50.38ドル +0.39ドル(+0.78%)
アップル(AAPL)      172.80ドル +1.19ドル(+0.69%)
アルファベット(GOOG)   1027.81ドル +2.67ドル(+0.26%)
フェイスブック(FB)    159.34ドル +4.24ドル(+2.73%)
キャタピラー(CAT)     148.13ドル +2.95ドル(+2.03%)
アルコア(AA)       47.61ドル +0.69ドル(+1.47%)
ウォルマート(WMT)     87.81ドル +0.59ドル(+0.68%)
スプリント(S)       5.17ドル +0.11ドル(+2.17%)

《FA》

 提供:フィスコ

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