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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ヒノキヤG <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヒノキヤG <1413>  3,920円 (+200円、+5.4%)

 ヒノキヤグループ <1413> が3日続伸で上場来高値を更新。4日取引終了後に発表した、22年12月期の最終年度に売上高2000億円(17年12月期1050億円)、営業・経常利益150億円(同62億円)を目指す新たな中期5ヵ年経営計画が好材料視された。同社は新中計において、主力の注文住宅事業では、高品質住宅の拡販とエリア拡大戦略を推進し、17年度2698棟の実績に対し、22年度は4400棟の販売を目指すほか、住宅FC事業では、グループの未出展エリアを中心に加盟店の拡大を図り、900棟の販売を目指す。一方、不動産事業においては、戸建分譲住宅の販売棟数および土地分譲取扱件数を拡大し、17年度498棟の実績に対し、22年度は900棟の販売を目指す。

■三井不 <8801>  2,689.5円 (+113.5円、+4.4%)

 三井不動産 <8801> や三菱地所 <8802> 、住友不動産 <8830> など不動産株が軒並み高。足もとで円高が進むなか、為替の影響が小さい内需株を物色する動きが強まっており、この流れに乗っている。不動産株は値の重い展開が続いており、出遅れ感がある。市場からは「国内外ファンドの買い戻しの動きが出ているのでは」(アナリスト)との見方も出ている。

■山パン <2212>  2,291円 (+86円、+3.9%)

 山崎製パン <2212> が3日続伸で年初来高値を更新。SMBC日興証券が4日付けで目標株価を1700円から2000円へと引き上げたことが好感された。なお、投資評価は「3」を継続した。同証券では、製パン類の売上高は堅調に推移しており、個食化への対応が奏功し、量目見直しで単価が改善基調であることを評価。18年12月期の営業利益予想を337億円から338億円(会社予想360億円)へ引き上げ、並びに、19年12月期は344億円から350億円へ、20年12月期は351億円から360億円へそれぞれ引き上げた。一方、物流労務費のコスト高への対応は急務であり、顧客の取引規模に応じた配送頻度の見直しに踏み込めば、物流費の削減余地は大きいと考えられることから、今後は、物流労務費上昇に対する取り組みを推進できるかが焦点とした。

■日産化 <4021>  4,590円 (+170円、+3.9%)

 日産化学工業 <4021> が反発。SMBC日興証券が4日付で、投資評価を新規「1」、目標株価5350円で新規にカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、動物用医薬品「BRAVECTO」のロイヤルティー収入とその有効成分である「フルララネル」を含む原薬供給、IPS用光配向膜、半導体用反射防止コーティング材「ARC」の数量効果などを牽引役に、19年3月期から21年3月期にかけて年率14%の営業利益成長を予想。これに対して、コンセンサスが示す20年3期以降の1ケタ増益は動物薬や機能性材料の収益拡大を過小評価していると指摘している。現在の局面は、ファンダメンタルズの底堅い推移が見込め、株主還元にも積極的な同社株のような優良銘柄に投資する数少ない好機と位置づけている。

■PI <4290>  1,420円 (+41円、+3.0%)

 プレステージ・インターナショナル <4290> が8日続伸。東海東京調査センターが4日付で、投資判断を新規「アウトパフォーム」、目標株価1600円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同社の事業領域はBPO(業務の外部委託)で、顧客企業が経営資源をコア事業に集中させるなか、業務効率化・コスト抑制をサポートしている。同事業はストック型ビジネスであり、クライアント企業の事業拡大に合わせて委託契約が積み上がっており、売上高は順調に増加。同センターでは、19年3月期売上高384億円(前年比15.7%増)、営業利益52億円(同20.9%増)を見込んでいる。

■資生堂 <4911>  7,179円 (+189円、+2.7%)

 資生堂 <4911> が反発。株価は4日こそ小休止をいれたものの、それまで7連騰で、5日はまた改めて買い直される展開で連日の上場来高値更新となった。国内や中国で高級化粧品の伸びが顕著で業績は好調。17年12月期営業利益は前の期比2.2倍の804億3700万円と急拡大したが、18年12月期について会社側では予想を開示していないものの、インバウンド需要を追い風に2割を超える伸びが市場では有望視されている。化粧品 ・美容業界の世界の市場規模は2020年に約41兆円前後に達するとみられており、同社など高付加価値化粧品で先駆する日本メーカーの優位性が高まりそうだ。

■日東電工 <6988>  8,079円 (+198円、+2.5%)

 日東電工 <6988> が4日ぶりに反発。SMBC日興証券が4日付で、投資評価を「2」から「1」としたことが好材料視されたようだ。同証券によると、株価が17年11月の上場来高値1万1750円から約3割下落したのは、ハイエンドスマートフォン向け部材の在庫調整を懸念しての下落と考えられるが、スマートフォン向けディスプレー材料の成長性や核酸医薬のアップサイドポテンシャルを考慮すると、株価は割安と判断できると指摘。19年3月期ガイダンスは、足もとのハイエンドスマホの在庫調整や円高傾向もあり保守的な内容が予想されるが、同証券ではハイエンドスマートフォンの数量前提を見直し、ディスプレー材料の売り上げ予想を引き上げており、ネガティブニュースフローは18年3月期決算で出尽くし、19年3期下期にかけて、業績は急速に回復、それに伴い株価も上昇基調に転ずると見込んでいる。なお、目標株価は1万1600円から1万1400円へ引き下げている。

■キッセイ <4547>  2,994円 (+69円、+2.4%)

 キッセイ薬品工業 <4547> が続伸。同社は18年3月期通期の連結業績予想について、売上高750億円(前の期比4.6%増)、経常利益111億円(同15.2%増)と見込んでいる。19年3月期は、薬価改定によりバイオシミラー(後続品)の利益圧迫が想定されるものの、人工腎臓用透析剤が患者数漸増を受けて伸長するのに加え、新製造棟の稼働率向上などによる原価率低下が奏功する。さらに、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬や、糖尿病治療薬などの売上高増加も期待できそうだ。

■カチタス <8919>  3,390円 (+70円、+2.1%)

 カチタス <8919> が3日続伸、上場来高値を更新した。同社は戸建て住宅のリノベーション販売を手掛ける企業で昨年12月に東証1部に上場してまだ日の浅いニューフェース銘柄。5日は内需株優位の地合いで不動産セクターにも買いが厚い展開となっており、流動化ビジネスに展開する中小型株にも物色の矛先が向いた。そのなか同社のビジネスモデルは地方都市郊外の戸建て住宅を中心に、シロアリの有無や雨漏りのリスクなどを徹底調査したうえで安く仕入れ、リフォームなどで付加価値を高めて売るというもの。18年3月期は営業利益段階で前期比4割増の70億3000万円を見込む。「地方都市郊外には約650万戸の空き家があり、さらに現状も年間60万戸以上のペースで増加している」(国内証券アナリスト)という。また、中長期的にも全国の空き家戸数は2033年に2100万戸を超えて全体の約3割に達するとも試算され、空き家関連市場を開拓する同社株は今後一段と注目度が高まるとみられる。

■三菱UFJ <8306>  699.7円 (+13.1円、+1.9%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクも全体上昇相場に乗って切り返しに転じた。ここ調整色をみせていたが、PERやPBR、配当利回りなどから割安感が歴然で押し目買いが入った。4日に米国株市場ではJPモルガン、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの大手金融株が揃って上昇した。米10年債利回りは米中間の貿易摩擦が取り沙汰されるなか、リスクオフの債券買いを背景に低下していたが、今週に入り戻り歩調となり4日は2.8%台まで再浮上、三菱UFJをはじめとするメガバンクも運用利ザヤの拡大期待が追い風となった。

■マクドナルド <2702>  5,100円 (+70円、+1.4%)

 日本マクドナルドホールディングス <2702> [JQ]が3日続伸し年初来高値を更新した。4日の取引終了後に発表した3月度の月次動向で、既存店売上高が前年同月比10.0%増と28ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。20年以上にわたり楽しまれている「てりたま」に加えて、「チーズてりたま」と初登場の「はみだすハムてりたま」を販売したことが寄与した。また、毎日夕方5時から定番バーガーのパティがプラス100円で倍になる倍バーガーを「夜マック」として開始したことも、ディナータイムの顧客に好評だったという。なお、客数は同3.6%増、客単価は同6.2%増だった。

■三菱ケミHD <4188>  1,006.5円 (+13円、+1.3%)

 三菱ケミカルホールディングス <4188> が4日ぶりに反発。4日取引終了後、連結子会社である三菱ケミカルとサウジアラビアのサウジ基礎産業公社(SABIC社)との合弁会社が、メタクリル酸メチル(MMA)モノマーおよびアクリル樹脂成形材料(PMMA)プラントの本格運転を開始したと発表したことが好感された。同合弁会社は、強いコスト競争力を持つサウジアラビアのガス原料、インフラなどを最大限活用し、エチレンからMMAモノマーを製造する三菱ケミHDグループ独自の技術「新エチレン法(アルファ法)」を用いた世界最大規模のプラントを運営するために設立。世界のMMAモノマー需要は、今後も世界経済の成長とともに堅調な伸びが見込まれており、三菱ケミHDは同合弁会社を、アジアを中心に、ヨーロッパ、中東、アフリカなどの市場にも対応する戦略的な供給拠点として活用していく方針だ。

※5日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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