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【経済】NYの視点:トランプ米大統領はアジェンダ達成に突き進む、さらなるスタッフ交代に備える


米国のトランプ大統領はティラーソン国務長官を更迭、後任としてタカ派で知られるポンペオ中央情報局(CIA)長官を指名することを明らかにした。政権チームでは、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任したばかりで、政権の安定を危ぶむ声も少なくない。

トランプ大統領は選挙時から掲げていたアジェンダリストを達成することだけを目標としており、達成するために意見の異なるスタッフの交代も視野に入れているようだ。今まで、ティラーソン国務長官とは、様々な意見の食い違いが報じられてきた。昨年から「更迭は時間の問題」とも見られていたが、タイミングはサプライズとなった。

前オバマ大統領のもと、米欧など6カ国が2015年にイランと結んだ核合意に関して意見が食い違ったことが決め手となったと見られている。トランプ大統領は選挙時から、この核合意が最悪で見直しの必要性をたびたび訴えている。ティラーソン国務長官の更迭で、トランプ大統領は原油の輸出削減、イラン核合意から離脱を脅かす可能性が強い。また、対中で劇的な関税を課す計画だとも伝えられている。

トランプ大統領はまた、「理想のチームに近づいた」としたが、貿易協議で「新たなチームが必要」と述べるなど、さらなる政権チームの交代を示唆。任期満了まであと2年。サプライズの政権チームの交代は「新たなノーマル」になりつつあり、覚悟が必要となる。貿易戦争がいっそう激化する可能性や政権不透明感がしばらくドルの上値を抑制していく可能性がある。

《CS》

 提供:フィスコ

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