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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~貿易戦争への警戒感和らぎ底堅い相場展開へ

積水ハウス <日足> 「株探」多機能チャートより

9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:貿易戦争への警戒感和らぎ底堅い相場展開へ
■決算チェック:積水ハウスは前期実績、今期予想ともにコンセンサス水準だが安心感も
■前場の注目材料:エーザイ、米メルクと連携、抗がん剤開発・販売


■貿易戦争への警戒感和らぎ底堅い相場展開へ

9日の日本株市場は買い先行の展開となろう。注目されていたトランプ米大統領による関税計画の詳細発表では、カナダとメキシコへの関税適用を除外し、他の同盟国にも交渉余地を残すことが明らかとなった。既に報道されていたことではあるが、一先ず貿易戦争への警戒感が和らぐ格好となろう。米国市場の上昇を受けて、シカゴ日経225先物清算値は大阪比265円高の21465円となり、これにサヤ寄せする格好から幅広い銘柄が買われる格好になりそうだ。

また、先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を迎える。米国市場の上昇の流れもあってSQ値は高い位置で決まる可能性がある。寄付き後はこれが心理的な上値抵抗として意識される可能性がありそうだが、とは言えメジャーSQ通過によって手掛け易さが意識されてきそうである。

その他、買い一巡後は米雇用統計を控えて模様眺めムードが強まる可能性はあるが、先のADP雇用報告の上振れにより、利上げペース加速といったコンセンサスは変わらないだろう。また、VIX指数の落ち着いた動き等もあり、底堅い展開に期待したいところである。なお、 森友学園問題での財務省決裁文書の「書き換え疑惑」による国内政治不安の高まりには注視しておく必要がありそうである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■積水ハウスは前期実績、今期予想ともにコンセンサス水準だが安心感も

積水ハウス<1928>の18年1月期営業利益は前期比6.2%増の1955億円となり、従来予想(1920億円)をやや上回って着地した。売上高は同6.5%増の2兆1593億円だった。請負型ビジネスは戸建住宅が受注減少の影響を受けて減収減益となった。しかし、ストック型ビジネスではリフォーム事業の利益率が改善し、不動産フィー事業も高水準の入居率と管理室数の増加が継続したことから増収増益を確保した。開発型ビジネスや国際ビジネスは2ケタ増益となった。期末配当については従来予想から2円増額し、1株当たり40円とした。年間では前期より13円多い77円となる。19年1月期の通期業績については、営業利益で前期比2.3%増の2000億円との見通しを示している。年間配当は79円(中間39円、期末40円)を見込む。市場コンセンサスでは18年1月期営業利益は1950億円弱、19年1月期については2000億円強と見込まれており、前期実績、今期予想ともにおおむね同水準となっている。ただ、前第3四半期決算に失速感があったことから、通期での計画達成は安心感につながる可能性があるだろう。


■前場の注目材料

・トランプ氏、鉄鋼関税を決定、カナダなど対象外
・NYダウは上昇(24895.21、+93.85)
・ナスダックは上昇(7427.95、+31.30)
・SOX指数は上昇(1402.05、+1.59)
・シカゴ日経225先物6月限(21465、+265)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・日経平均は上昇(21368.07、+115.35)
・マザーズは上昇(1206.24、+25.37)

・エーザイ<4523>、米メルクと連携、抗がん剤開発・販売
・熊谷組<1861>、社長に桜野氏、住友林業<1911>と提携、「シナジー早期に」

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
特になし

<海外>
・10:30  中・消費者物価指数(2月)  1.5%  1.5%
・10:30  中・生産者物価指数(2月)  4.3%  4.3%

《HT》

 提供:フィスコ

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