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【市況】米国株式市場見通し:保護貿易への反発が株式相場に波及する恐れ


トランプ政権は、鉄鋼とアルミニウムに25%と10%の輸入関税を賦課する方針を正式に発表する見通しで、中国、欧州、カナダなど主要貿易相手国が報復措置に出る恐れや、株式相場が大幅安となるリスクを伴うことに注意が必要だ。同計画により、自動車や石油産業は原価の上昇が予想されるほか、米国からの農作物輸出額が減少する可能性もあり、混乱が続きそうだ。

先週、パウエルFRB議長が利上げ継続を表明したほか、2月からの株式相場の混乱も景気や雇用、物価に対して影響を与えないとの認識を示した。FF金利の先物取引から算出される利上げ確率では、3月の利上げが確実視されている。更に6月と9月の追加利上げが予想されている。今週は、複数の雇用関連指標の発表が予定されているが、大幅な悪化は考えにくく、金利上昇への警戒感から株式相場は不安定な値動きとなりそうだ。

経済指標では、2月ISM非製造業景況指数(5日)、1月製造業・耐久財受注(6日)、1月貿易収支(7日)、2月ADP雇用統計(7日)、1月卸売在庫(9日)、2月雇用統計(9日)などが予定されている。雇用統計では失業率は4.0%で小幅改善、非農業部門雇用者数は前月比20.5万人増が予想されている。また、FOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も7日に発表される予定だ。

企業決算では、ディスカウントストアのターゲット(6日)とダラー・ツリー(7日)、会員制卸売のコストコ・ホールセール(7日)、小売大手のシアーズ・ホールディングス(8日)、食品小売のクローガー(8日)などが予定されている。シアーズは売上高の減少と赤字決算が続いており、大規模な人員削減などコスト対策を推進している。1億ドルの新規融資を得たものの、資金繰りが悪化しており、倒産の可能性もあることから決算内容には注意が必要だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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