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【特集】大谷正之氏【米国発の波乱相場に幕? ずばり期末相場を読む】(3) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―パウエルFRB新議長の議会証言後、景色は変わるか―

 前週末の米国株式市場でNYダウナスダック指数など主要指数が大幅高に買われ、これを受けて週明け26日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅続伸となった。前場伸び悩む局面はあったが後半にかけて買い直される強い地合いで、2万2000円台を回復している。実質3月相場入りとなった東京市場、期末相場の見通しについて第一線で活躍する市場関係者3人に意見を聞いた。

●「日経平均は半値戻し達成から13週移動平均線奪回へ」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 2月に入って加速した世界的株安の発端となった米株式相場は、今後の経済指標や政策担当者の発言などを織り込みながら徐々に戻りを試す展開となりそうだ。今回の下げの背景には(1)インフレ加速への警戒感、(2)財政支出拡大に伴う財務省証券の需給悪化懸念による米長期金の上昇――などがあった。今後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による米上下両院での議会証言や、来週末9日発表の米2月の雇用統計、3月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)といったイベントの内容を織り込みながら、ボラティリテイの振れ幅も次第に収束するものとみられる。

 国内株式相場は3月期末を控え、機関投資家による期末に関連した利益確保のための売りを個人投資家が拾うといった、特有の地合いも予想される。日経平均採用銘柄の予想PERが13倍前後の水準まで低下する割安状態にあることや、増配を積極化する企業が多いなかで、3月期末の配当取りに照準を合わせた買いも予想され、個人投資家の押し目買い意欲は強いようだ。

 当面の日経平均は、1月23日の取引時間中高値の2万4129円から2月14日の同安値2万950円までの下落幅の半値戻しに当たる2万2500円達成から、13週移動平均線の2万2800円水準奪回を目指す展開が予想される。

 個別銘柄では、まずビックカメラ <3048> に注目したい。主力の家電部門で、調理家電や美容家電が好調に推移しているうえに、化粧品、医薬品、日用品、玩具といった非家電部門の成長に期待感がある。さらに、4月からは、楽天 <4755> と新会社を設立して利便性の高いインターネット通販「楽天ビック」をスタートする。次に注目なのがJSR <4185> だ。合成樹脂は海外自動車用途向けを中心に販売数量が伸びたうえ、販売価格の上昇により採算が改善。多角化事業の半導体材料は主要顧客での先端材料の採用進展で大きく販売が拡大しており、第3四半期累計の連結経常利益の通期予想に対する進捗率は86.9%に達している。もう一つカネカ <4118> も見逃せない。直近3ヵ月の実績である10-12月期の連結経常利益が前年同期比46.1%増の98億1000万円に急拡大している。化成品と機能性樹脂の新製品が寄与し、スマートフォン向けの超耐熱ポリイミドフィルムなどの電子部品も好調だ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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