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【特集】米新車販売“2年連続減”予想、マーケットはどう動く? <コモディティ特集>

minkabu PRESS CXアナリスト 東海林勇行

―転機の世界自動車市場、プラチナ・パラジウム・天然ゴムの行方は―

●金融政策の正常化に伴い、自動車販売は減速へ

 世界の自動車市場が転機を迎えつつある。世界第2位の自動車市場である米国の長期金利が一段と上昇し、新車販売が2年連続で減少すると予想されている。2017年の米新車販売台数は前年比1.8%減の1723万0436台となった。ハリケーン被害による買い替え需要もあったが、8年ぶりに減少した。今年は金利上昇の影響などで1680万台への減少が見込まれている。

 また、世界最大の自動車市場である中国の2017年の新車販売台数は前年比3%増の2887万9000台と過去最高を記録した。ただ、2016年の13.7%増から減速し、今年も3%増と予想される。2017年1月から小型車に対する減税が縮小され、昨年末で終了し、政策面での支援がなくなった。

 一方、2017年の欧州市場の新車販売台数は前年比3.3%増の1563万1687台となり、4年連続で前年実績を上回った。ただ、欧州中央銀行(ECB)は2017年10月に量的緩和の縮小を決定しており、今年はフォワードガイダンスの見直しで債券買い入れの終了時期が打ち出されるとみられている。利上げとなれば米国同様、欧州の新車販売は減少に転じるとみられる。

 今後は世界的な金融政策の正常化による金利上昇で自動車販売は減速する見通しである。自動車の生産・使用にはさまざまな商品が使われるが、今回は自動車関連の商品で値動きが異なるプラチナ(白金)、パラジウム、天然ゴムの需給を解説する。

●パラジウムは供給不足見通しが続く

 2017年に最もパフォーマンスが良かったパラジウムは、2018年に入り調整局面を迎えた。ただ、米株価の暴落が一服し、ドル安が再開すると押し目を買われて堅調に推移した。現物相場は1月に付けた史上最高値1137.64ドルから2月に入り、959.57ドルまで下落したのち、2月15日に1000ドル台を回復した。

 英ジョンソン・マッセイ(JM)の報告書によると、パラジウムは2017年に自動車触媒需要と化学メーカーの需要増加、鉱山生産減少によって19.6トンの供給不足になり、今年も状況は変わらないと予想される。不足幅はETF(上場投信)投資の動向に左右されるという。需給のバロメーターとなるリースレート(貸出金利)1ヵ月物は1月半ばの8.06%をピークとして2月に入り、5.58%まで低下した。しかし、プラチナの0.06%、金のマイナス0.01%と比べると高水準にあり、供給逼迫が続いていることを示している。

 一方、16年ぶりにパラジウムとの価格が逆転したプラチナは、2017年の売られ過ぎの状態から回復しつつあるが、1000ドル台で上値を抑えられた。

 英JMの報告書によると、2018年のプラチナは小幅な供給過剰が見込まれる。欧州のディーゼル車の平均充填量減少による自動車触媒需要の減少と中国の宝飾需要減少が見込まれるが、産業用途の需要増加で投資需要を除くと小幅に増加すると予想される。供給面では自動車触媒からの回収で小幅増が見込まれており、投資需要が変わらなければ小幅な供給過剰になるという。

 ファンダメンタルズは中立であり、プラチナが上値を伸ばせるかどうかはドル相場次第となりそうだ。ただ、南アで汚職疑惑などからズマ大統領が辞任し、ラマポーザ副大統領が新大統領に選出され、先行き期待が強まっている。南ア・ランドの上昇につながると、プラチナの支援要因になる。

●天然ゴムは上海在庫増加が圧迫

 東京ゴム先限は昨年11月、187.8円まで下落したのち、上海ゴム在庫の急減による買い戻しなどを受けて今年に入り、216.3円まで戻した。しかし、その後は上海ゴム在庫が再び増加し、戻り売り圧力が強まるなか、円高も圧迫要因となって昨年11月安値を割り込み、2017年安値178.8円も視野に入った。

 上海ゴム在庫は昨年11月、51万0356トンから32万2408トンに急減したが、その後はじりじりと増加し、2月14日時点で43万4330トンとなった。2011年の価格高騰で新たなゴム農園ができ、2016から2017年にかけての価格上昇が収穫開始のきっかけになったとすれば、高コスト農園が閉鎖され、需給が改善されるまで軟調に推移するとみられる。ただし、原油価格の上昇で合成ゴムが堅調に推移するようなら天然ゴムの下値は限られよう。

(minkabu PRESS CXアナリスト 東海林勇行)

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