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【特集】檜和田浩昭氏【“リスク回避”終息へ、戻り相場のメドと物色方向】(3) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

―強力な戻り足示現で、弱気相場からの離脱は秒読み!?―

 米国を発信地とするリスクオフの連鎖も一巡し、東京株式市場は前週後半から急速な戻り足をみせている。週明け19日の日経平均株価は400円を超える上昇で、終始高値圏で売り物をこなし、一つのフシ目であった2万2000円台を回復した。3月相場を前に流れは変わったのか。マーケットの先読みに定評のある3人の市場関係者に今後の相場展開および物色の方向性について意見を聞いた。

●「日経平均2万3500円目指し戻り試す」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 日経平均は、きょうで3日連続の大幅高となり、戻りを試す展開となっている。足もとの日経平均採用銘柄の1株利益は約1680円にまで上昇をみせている。2万2000円で試算したPERは13倍で、過去の経緯から判断してかなりの割安水準にあることは確かだ。今回の1月下旬以降の急落場面の背景は、短期間に急ピッチで上昇し過ぎたことへのスピード調整の要素が多くを占めているようだ。したがって、2008年のリーマン・ショックに伴う下げ相場とは内容的に異なるものだ。

 米株式市場では、主要株価指標のNYダウ平均株価やS&P500種指数は、すでに押し幅の半値戻しを達成し、米長期金利が2.9%近辺に上昇しても、株価は戻り歩調を保っている。今後1ヵ月間の東京株式市場を展望した場合、下値を固めながらのジリ高歩調となりそうだ。日経平均はPER14倍まで買い進まれると想定して、2万3500円水準が戻りの目標となりそうだ。

 外国為替市場での円相場は、当面1ドル=105~106円台で推移すれば、株価への影響は軽微といえそうだ。問題は、19年3月期業績見通しの想定為替レートを保守的に修正した場合、輸出関連企業が業績にどの程度の影響を織り込むかだ。極端な円高進行とならなければ、さまざまな企業努力でマイナス面の多くの部分はカバーできる可能性がある。

 戻り相場のなかで物色対象として注目したいのは、工作機械の受注好調に象徴されるように、設備投資関連の省力化機器や、半導体製造装置に代表されるハイテクセクター。さらに、金利上昇の流れのなかで、利ザヤ拡大により注目される金融株。株価指数先物主導の戻り相場で、リード役を演じることになる日経225指数への寄与度の大きい値がさ株も見逃せない。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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