市場ニュース

戻る
 

【市況】米国株式市場見通し:株式相場の調整が進む見通し


世界的な金利上昇に対する警戒感が広がるなか、先週のFOMCではインフレ見通しが上方修正され、パウエルFRB議長体制への移行後も利上げ路線の継続が明示された。FF金利の先物取引から算出される利上げ確率では、3月の利上げが確実視され、さらに6月と12月の追加利上げが予想されている。良好な1月雇用統計を受けて利上げペースの加速や長期金利の上昇が意識され、長らく上昇が続いてきた株式相場では大幅な調整が進みそうだ。今週はセントルイス連銀総裁、ダラス連銀総裁、ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されており、インフレや金利動向について何らかの示唆を得られるかに注目したい。

10-12月期決算では、自動車大手のゼネラル・モーターズ(6日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(6日)、医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズ(6日)、写真共有アプリを手掛けるスナップ(6日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(7日)、メディアの21世紀フォックス(7日)やバイアコム(8日)、薬剤給付管理会社のCVSヘルス(8日)、短文投稿サイトのツイッター(8日)、旅行予約サイトのエクスペディア(8日)など主要企業決算が予定されている。ツイッターは先月末にクラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォースによる買収観測が浮上し、株価が急騰した。追加情報に注目したい。テスラ・モーターズ(TSLA)は、10-12月期の出荷台数が市場予想を下振れたほか、バッテリー開発の中心的エンジニアの退社が報じられるなど、先行き不透明感が強く注意が必要だ。

2月2日時点のファクトセット社の調査によると、S&P500構成銘柄のうち約50%が決算発表を行い、75%が利益、80%が売上高のアナリスト予想を上回った。S&P500全体では、12月末時点で11%の増益が予想されていたが、大半のセクターで二桁成長となり、2日時点で13.4%増まで上昇している。エネルギー、素材、情報通信、金融セクターの業績成長が目立ち、損害保険のAIG、化学メーカーのダウ・デュポンの決算が好調だった。

経済指標では、1月ISM非製造業景況指数(5日)、12月貿易収支(6日)、12月卸売在庫(9日)などが予定されている。8日には中国の1月貿易収支も発表される。11月は貿易赤字が12年1月以来の高水準となったことが嫌気された。トランプ政権は貿易赤字の縮小と大幅な減税対策で経済成長率を安定的に年率3%に押し上げることを目標としており、貿易収支に注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均