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【特集】坂本慎太郎(Bコミ)の「板読み投資術スペシャル ―『株探』活用編―」  <新春特別企画>

「朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術」(東洋経済新報社)

text 坂本慎太郎(Bコミ)

 前回の「板読み投資術スペシャル」では板読み売買を始めるにあたって大事な要素をお話しさせていただいたが、今回は私の著書の『朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術』(東洋経済新報社)出版後に読者からいただいたよくある質問の中から大事なことを補足する。著書を読んでいただいた方、すでに板読み売買を行っている方に役立てば幸いだ。

Q1:ザラ場中に確認しておく指数や指標は?

 トレードしている株が大型株であれば日経平均先物をチャートで監視(先物の板は見なくてもよい)、小型株であればマザーズ指数ジャスダック平均をチェックしてほしい。需給次第で指数に個別銘柄が追随しないこともあるが、個別株はある程度は指数に連動して推移する。

 このため、「指数の上下をイン・アウトのタイミングに利用する」。これは現物株と先物との裁定取引を行っている人がいるため、先物が動くと現物株が先物にサヤ寄せする動きがみられる。例えば、先物が上昇した際に現物株が先物にサヤ寄せする(株価上昇)と考えて上値を買う。上値を買った株価に瞬時に買い玉が入って、上昇→利食いの流れになれば先回り売買は大成功だ。しかし、上値を買った後、売り玉を被されて損切りとなれば、スプレッド分が損失になってしまう。このスプレッド損を躊躇する人がいるが、成功した場合には自分が買った場所が結果として安値になることもあるため、需要があると思ったタイミングであれば上値にエントリーする手法も有用だろう。

 その他、自分がトレードしている株のセクターの強弱は把握しておくべきだ。「株探」では鳥瞰的なマップ(「市場マップ」)を表示することができ、セクターやテーマごとの銘柄の強弱を把握できる。



 トレードしている(またはしようと思っている)株がセクター別騰落率で上位にあればそのセクターへの資金流入が確認できるため、利益を獲得できる可能性が高くなる。「株探」の「市場ニュース」ページに掲載されている「東証1部33業種トレンド」という項目は上昇下落銘柄数に加えて、棒グラフにカーソルを合わせると騰落率を「%表示」で確認できる。



Q2:予習・復習はどのように行うの?

 私は予習復習を非常に重視しており、当日売買する銘柄は前日に20銘柄に絞っておき、その20銘柄を売買対象としている。絞った20銘柄からトレードを行うことで自力による銘柄選択、「脱イナゴ」の第一歩を踏み出すことができる。

 復習については20銘柄に絞り込んだ銘柄の5日分の5分足を検証し、エントリーポイントを探り、翌日のエントリーポイントを頭に入れる。「株探」では銘柄ごとに5分足をチェックできる。



 この銘柄であれば820円台で下値が止まっているのが把握できる。下値が止まっている価格帯では板が厚くなったり、売り指値が増えなくなるなど何らかの板の変化が見られることが多いため、これをトレードアイデアやエントリーの動機にして欲しい。翌日にこのゾーンまで来ればエントリーを行うシミュレーションをしておき、株価のアラームをセットしておくと見落とさずエントリーが可能になる。

 その他テーマなどは人気テーマ人気ニュースがランキングになっているので参照してほしい。



Q3:トレードに適した銘柄は?

 スキャルピングかデイトレードによって異なるが、スキャルピングはティックが多く値幅がある銘柄、デイトレードはある程度ティックが多く、値幅が大きい銘柄を選ぶべきだ。

 数多くのトレーダーを見てきたが、スキャルピングの一番の失敗例は自分の利食い、損切りポイントを通過してしまうようなボラティリティが大きすぎる銘柄を選択してしまうことである。利小損大という意味でよく使われる「コツコツドカン」はボラティリティに板の厚さが伴っていないことから起こる。ボラティリティが大きすぎる銘柄はトレード候補から除外すべきだ。

 板読みのしやすい銘柄は出来高が10万株~50万株(100株単位)の銘柄をオススメする。ある程度ティックとボラティリティがあるうえ、アルゴリズムの動きも見やすい。価格帯については、私は1000円~2000円の銘柄が板の厚さとロットが張りやすいと思っている。1ティック5000円以上の銘柄は10円刻みの銘柄が多いため、1ティックで1000円取りたい人はこちらを試してみてはいかがだろうか。


◆坂本慎太郎(さかもと・しんたろう)

証券会社の株式ディーラー、大手生命保険会社の株式・債券ファンドマネジャーを歴任し、2015年に中級者向けにトレード指導を行うこころトレード研究所を設立。16年にはデイトレ・スイングトレード通信スクールを運営する株式会社イタヨミを設立。ハンドルネームはBコミ。著書に「朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術」。

◆坂本慎太郎のベストセラー「朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術

板の基本から板読み力を高める練習方法、板読み投資に適した銘柄の見つけ方、具体的な買い方・売り方、リスク管理法、板読み投資の実践テクニックなど、年収1億円超えの元ディーラーが自身の経験に基づく投資手法をあますことなく解説。




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