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【特集】サンリツ Research Memo(6):ターニングポイントとなった中国事業の再編

サンリツ <日足> 「株探」多機能チャートより

■サンリツ<9366>の業績動向

1. 近年の業績概況
沿革の項にもあるが、2005年5月に新英産業(子会社に新英香港、蘇州新南、張家港新興南など中国企業)を買収して中国に進出した。以来、中国との関係は深まったものの、梱包事業を核としなかったため収益はなかなか改善しなかった。このため海外展開については、2010年3月SANRITSU LOGISTICS AMERICA Inc.(米国)、2013年12月山立国際貨運代理(上海)と、改めて梱包事業を核にした子会社を設立する一方、2016年3月期から2017年3月期にかけて新英香港、蘇州新南、張家港新興南の3社について売却または清算することになった。この結果、2015年3月期から2017年3月期までの3期間で中国の売上高は24億円減少したが、採算は大きく改善した。しかし、中国事業再編の間に、事業所の倉庫稼働率が高まったことから既存顧客の深掘りによる成長が望みづらくなり、倉庫能力の向上と新規顧客の拡大という課題が浮上した。しかも、資産効率や建築費の高騰などを考慮すると大型投資は当面見送らざるを得ず、別手段での成長も図る必要が出てきたのである。こうした課題を解消するために策定したのが、後述する2018年3月期を初年度とする中期経営計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《NB》

 提供:フィスコ

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