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【特集】清水三津雄氏【今年も大詰め 第一線のプロが見極める年末年始相場】(2) <相場観特集>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

―切り返し鮮烈! 大勢上昇トレンド復帰のその後を読む―

 12月も中旬に入り、年の瀬も押し詰まってきた印象が強い。日経平均株価は6日に445円安と今年最大の下げ幅をみせ投資家心理を動揺させたものの、その後はバランスを立て直し再び上値指向を強めつつある。ただ、日経平均2万3000円近辺は売り圧力も強く油断はできない。個別銘柄の物色対象も微妙に変化を続けており、流れに乗るのは見た目以上に難しい地合いともいえる。そこで、経験豊富なベテラン・マーケット関係者3人に年末年始相場をどうみているか改めて意見を聞いた。

●「年末年始にかけ2万4000円乗せも」

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

 東京株式市場は、年末年始にかけ強含む展開を予想している。株式市場を取り巻く環境は良好であり、2万4000円乗せも期待できるとみている。

 日経平均採用株価のPERは14倍台後半の水準。アベノミクス相場が始まって以降の平均PERは15倍半ばであり、バリュエーション的な割高感はない。

 日本企業の収益性は高まっており、多少の円高は利益へあまり影響を及ぼさなくなっている。日銀による金融緩和が続くなか業績相場の色彩が濃くなっており、株価は最も値が跳びやすい状況にある。

 もっとも、来年1月からはいったん利益確定売りで株価は下押す場面も予想される。例年1月はパフォーマンスが悪い月であることには注意が必要だ。とはいえ、1月下旬から発表が本格化する第3四半期決算の内容は好調だろう。こうしたなか、日経平均株価は来年2月の節分の頃に底を打ち、3月の年度末に向け再度、上昇に転じるとみている。

 個別銘柄では、電機株は来年も活躍が期待できるとみている。自動車の電装化などに伴い電子部品への需要は高まるだろう。村田製作所 <6981> やTDK <6762> 、アルプス電気 <6770> 、それに日東電工 <6988> などは上昇が期待できる。5G(第5世代移動通信システム)に絡みアンリツ <6754> も見直されよう。

 また、ヤマトホールディングス <9064> は来期は業績の急回復が見込めるとみている。

 さらに、インバウンド需要や日本の景気回復に絡み消費関連株にも注目。J.フロント リテイリング <3086> や高島屋 <8233> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> などもマークしたい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

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