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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

串カツ田中 <日足> 「株探」多機能チャートより

■ナ・デックス <7435>  1,340円 (+300円、+28.9%) ストップ高

 自動車向けを主力とする機械商社のナ・デックス <7435> [JQ]が3日ぶり急反騰でストップ高。28日に業績修正を発表。18年4月期上期(5-10月)の連結経常利益を従来予想の7.8億円→12.8億円に64.1%上方修正したことが買い材料視された。米国事業で好採算の自社製品を前倒しで納品したことが収益を押し上げた。円安による採算改善も上振れに貢献した。併せて上期増額分を下回る形で、通期の同利益を14.4億円→16.5億円に14.6%上方修正。減益率が17.7%減→5.7%減に縮小する見通しとなった。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の20円→30円(前期は27円)に大幅増額修正したことも支援材料となった。さらに28日終値ベースの予想PERが11.6倍→8.7倍に低下し、割安感が強まったことも買いに拍車を掛けた。

■串カツ田中 <3547>  6,480円 (+1,000円、+18.3%) ストップ高

 串カツ田中 <3547> [東証M]が続急騰し、株式分割を考慮した実質上場来高値を連日で更新した。29日、12月13日付でシンガポールにアジア第1号店となる「串カツ田中 Clarke Quay(クラーク キー)店」をオープンすると発表しており、海外展開への期待感から買いが入った。今回のシンガポール出店は、10月にフランチャイズ契約を締結したSFBIグループが店舗運営を担当。クラーク・キーのローカル・観光客が集まる盛り場に出店し、ローカルの20~35歳の働く若者と、一部在住日本人をターゲットに設定しており、串カツ田中のフォーマットでお酒と食事をリーズナブルに楽しめるという新しいイメージを作り上げ、串カツとハイボールの文化をアジアに発信するとしている。

■サンバイオ <4592>  2,805円 (+196円、+7.5%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が大幅3日続伸し年初来高値を更新。29日午後2時ごろ、カリフォルニア州再生医療機構(CIRM)から、補助金490万ドルを受け取ったと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。同社では、大日本住友製薬 <4506> と米国において共同で実施している再生細胞薬SB623の慢性期脳梗塞を対象としたフェーズ2b臨床試験に対し、CIRMから総額2000万ドルの補助金を獲得しているが、同補助金のうち患者組み入れ65%達成分を受け取った。なお、18年1月期業績への影響については現在精査中としている。

■コロプラ <3668>  1,112円 (+73円、+7.0%)

 東証1部の上昇率7位。コロプラ <3668> が急反発。28日、カプコン <9697> と特許クロスライセンス契約を結んだと発表しており、これを好感した買いが両社に入った。今回クロスライセンスする特許は、オンラインのゲームプレイヤー同士がフィールド上で同時に行動する“マルチプレイ”に関する分野が対象となる。両社が保有する特許権を相互利用することで、開発の自由度が飛躍的に向上し、これまで実現できなかった魅力的なコンテンツづくりが可能となるという。

■JFE <5411>  2,595円 (+144円、+5.9%)

 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> や新日鉄住金 <5401> といった大手鉄鋼株が買われた。SMBC日興証券は28日、鉄鋼セクターの格付けを「中立」から「強気」に引き上げた。同時に、JFEの投資評価を「2」から「1」へ見直した。目標株価は従来の2330円から3000円に修正した。新日鉄住金は「1」を継続、目標株価は3000円から3200円に見直した。鉄鋼株を強気評価する要因として、同証券では「鋼材の国際市況が2018年初以降、大幅に上昇する可能性が高まってきた」ことを指摘。その一方、鉄鋼原料は供給増加から需給が軟化しており業績の好転が予想される。この好環境のなか、高炉株の上昇を見込んでいる。

■サトーHD <6287>  3,190円 (+160円、+5.3%)

 サトーホールディングス <6287> が急反発。大和証券は28日、同社株のレーティングを新規「2」でカバレッジを開始した。目標株価は3500円としている。日本やアジアでの人手不足による人件費が高騰するなか、「省人化関連銘柄」として注目されている。国内でのプリンターやRFID(非接触タグ)、自動ラベル貼り機など省人化製品の拡大と海外の収益性改善で業績は拡大基調を強める、と予想している。

■ヤマハ <7951>  4,075円 (+200円、+5.2%)

 ヤマハ <7951> が大幅続伸。28日、同社が18年3月期の連結最終利益を従来予想の390億円→570億円に46.2%上方修正。従来の16.5%減益予想から一転して22.0%増益を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。ヤマハ発動機 <7272> 株式の一部売却に伴い、売却益約260億円が発生することが上振れの要因。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の3.7%にあたる700万株(金額で250億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元を好感する買いも向かった。なお、買い付け期間は12月1日から18年5月31日まで。

■住友商 <8053>  1,717円 (+63.5円、+3.8%)

 住友商事 <8053> が3日ぶりに反発。SMBC日興証券が28日付で同社の投資判断「2(中立)→1(強気)」に引き上げ、目標株価を1650円→1930円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、輸送機・建機を中心とした非資源の増額修正などを踏まえ、18年3月期以降の純利益予想を引き上げた。また、19年3月期からの新中計期間中の配当性向は30%程度を目線に徐々に切り上がると予想。過小評価からの揺り戻しはこれからと考えている。

■三菱ケミHD <4188>  1,224.5円 (+44.5円、+3.8%)

 三菱ケミカルホールディングス <4188> が続伸。28日に行われた事業説明会で、これまでの中期経営計画で目標としていた21年3月期のコア営業利益を3800億円から4300億円に引き上げたことが好感された。同社では18年3月期のコア営業利益を3650億円と見込んでおり、従来目標を前倒しで達成する見込みであることから引き上げた。

■日エスコン <8892>  630円 (+22円、+3.6%)

 日本エスコン <8892> が3日続伸で年初来高値を更新。28日の取引終了後、保有する商業施設と商業底地を私募リートであるエスコンジャパンリート投資法人へ譲渡すると発表しており、業績予想の上振れを期待した買いが入った。物件引渡日は12月1日の予定で、譲渡価額および譲渡益は非公表。なお、17年12月期業績への影響は現在精査中としている。

■JVCケンウッド <6632>  350円 (+12円、+3.6%)

 JVCケンウッド <6632> が大幅反発。29日付の日本経済新聞で「ドライブレコーダー(ドラレコ)の2017年度の国内販売台数を期初計画の前年比1.5倍から2倍に引き上げる」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、高速道路事故やトラブルの映像がテレビで繰り返し流れて国内の需要が急増していることを受けて、ドラレコの主力工場であるタイ工場などで増産するという。また、欧米や新興国での販売も増やすとしており、業績への貢献が期待されている。

■沖縄電 <9511>  2,892円 (+98円、+3.5%)

 沖縄電力 <9511> が続伸。28日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の4.05%にあたる175万株(金額で60億円)を上限に、29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は28日終値の2794円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■グンゼ <3002>  5,770円 (+160円、+2.9%)

 グンゼ <3002> が9連騰で年初来高値を更新。18年3月期の連結業績予想を2日に上方修正し、売上高を1380億円から1400億円(前期比2.5%増)へ、純利益を25億円から32億円(同3.2%増)へ見直した。プラスチックフィルムやエンジニアリングプラスチックスなど機能ソリューション事業が好調だ。特に、プラスチックフィルムが国内およびアジア向けに伸びている。岩井コスモ証券では28日、同社株の目標株価を4600円から6000円に引き上げている。今期純利益は33億5000万円と再増額修正を予想。投資判断は株価の上昇で「A」から「B+」に引き下げたが、業績好調や成長性を評価すればPBR1倍程度の評価は可能とみている。

■いなげや <8182>  1,860円 (+50円、+2.8%)

 いなげや <8182> が4日続伸。28日の取引終了後、18年3月末時点の株主から、株主優待制度の一部を変更し、長期保有優遇株主優待を新設すると発表したことが好感されたようだ。1000株以上を3年以上継続保有する株主に対し、1000円相当のオリジナル優待品を贈呈する。また同時に、これまで買い物優待券を贈呈していた優待内容についても、500株以上を保有する株主に対しては買い物優待券とお米券、寄付から選べるようにするという。

■三菱UFJ <8306>  784.5円 (+21.1円、+2.8%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が6日続伸と上値追いを継続、三井住友フィナンシャルグループ <8316> やみずほフィナンシャルグループ <8411> も反発に転じるなどメガバンクが買い優勢の展開だった。28日の米国株市場ではNYダウが大幅高で最高値を更新したが、全体相場を牽引したのはシティグループ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなどの大手金融株で、シティグループは3.2%、JPモルガンは3.5%の上昇をみせた。これは次期FRB議長に指名されたパウエル理事が上院銀行委員会の承認公聴会で、ボルカー・ルールの改定に前向きなコメントをしたことから金融規制緩和への期待感が膨らんだもの。米国で事業展開する三菱UFJなどメガバンクにとっても運用環境が改善する、との思惑が投資資金を引き寄せる格好となった。

■郵船 <9101>  2,539円 (+33円、+1.3%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が買われた。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が27日時点で7日続伸、1477と3週間ぶりの水準に回復するなど戻り足を鮮明としており、足もとの海運市況の改善を手掛かり材料に買いを呼び込んだ。両銘柄とも11月中旬以降は調整色をみせていたが25日移動平均線近辺で押し目買いを誘導した。

■不二製油G <2607>  3,265円 (+40円、+1.2%)

 不二製油グループ本社 <2607> が小幅続伸。同社は29日、マレーシアにパーム分別油生産販売の合弁会社を設立すると発表した。同社子会社のフジオイルアジアは、マレーシアのパームヤシ栽培会社のユナイテッドプランテーション社と持続可能なパーム油を原料とした高付加価値のパーム油製品を生産販売する合弁会社を設立することで合意した。稼働予定は2018年6月としている。

■野村 <8604>  650.8円 (+7円、+1.1%)

 野村ホールディングス <8604> が続伸。29日朝、同社が発行済み株式数の4.7%にあたる1億7900万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は12月18日。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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