【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):前田建、三菱UFJ、NF回路
前田建 <日足> 「株探」多機能チャートより
前田建設工業<1824>が3日ぶりに反発し年初来高値を更新した。東海東京調査センターが24日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続しつつ、目標株価を1550円から2100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、採算重視の営業活動により手持工事の採算改善が見られることや、国内土木で設計変更による利益の積み上がりが見られることから、高水準の受注を維持しつつ、高水準の完工利益率の維持により利益拡大が続くと予想。18年3月期の営業利益を会社計画の270億円に対して、前期比58%増の364億円を見込んでいるほか、19年3月期も同14%増の414億円と見込む。また、愛知県内の有料道路のインフラ運営権受託など、非建設事業への積極的な取り組みにも注目しているという。
■三菱UFJ <8306> 762.8円 +0.4 円 (+0.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保が堅調な値動き。日経平均株価がマイナス転換する中も頑強な値動きをみせた。米長期金利の上昇が両銘柄には追い風材料となった。前週末時点で米10年債利回りは反発して2.34%台まで上昇、超長期金利の30年債利回りも2.76%台まで上昇しており、米国事業における運用環境の改善が買いの手掛かりとなっている。三菱UFJはPBR0.6倍台で配当利回りが2.3%台と高く、中期スタンスの個人投資家の買いなども観測されているもよう。また第一生命HDもPBRは0.7倍台に過ぎない。
■神戸物産 <3038> 4,770円 -240 円 (-4.8%) 本日終値 東証1部 下落率9位
神戸物産<3038>が安い。前週末24日の取引終了後に発表した10月度の単独業績が、売上高197億8400万円(前年同月比5.9%増)、営業利益8億4200万円(同6.1%減)となり、3カ月連続で減益となったことが嫌気された。前年同月よりも円安で推移したことによる仕入れコストの増加や、加盟店の競争力強化のために行った商品価格の調整、777店舗達成記念セールとして顧客に利益還元したことなどが利益減につながったとしている。
■トーセイ <8923> 1,060円 -48 円 (-4.3%) 本日終値
トーセイ<8923>が続落。前週末24日の取引終了後、17年11月期の連結業績予想について、売上高を692億6800万円から577億6700万円(前期比16.0%増)へ、営業利益を100億800万円から97億8400万円(同5.4%増)へ下方修正したことが嫌気された。不動産流動化事業で、一部の販売予定物件の販売時期を来期以降に見直したことが要因という。ただ、今期に販売した物件の利益率が当初予想を上回ったことに加えて、販管費や金融費用が想定を下回ったことが寄与し、純利益は59億2600万円から60億2400万円(同8.6%増)へ上方修正している。
■ニッパツ <5991> 1,236円 -14 円 (-1.1%) 本日終値
ニッパツ<5991>は小動き。前週末24日の取引終了後、長野県上伊那郡宮田村に半導体製造装置部品の新工場を建設すると発表したが、市場の反応は限定的のようだ。新工場は、投資額は84億円の見込みで、今後の状況により、40億~50億円程度の追加投資も検討する予定。来月に着工し、19年4月の稼働を予定している。現在、同社では伊勢原工場で半導体製造装置用部品を製造しているが、スマートフォンやサーバー、自動車の電装化、さらにIoT(モノのインターネット)を駆使したAI向けに半導体の需要が増加しており、半導体メーカーから製造装置に使う部品の受注が増えていることから、生産能力を増強させる。なお、新工場の稼働により、生産能力は倍増する見通しだ。
■オリンパス <7733> 4,515円 -35 円 (-0.8%) 本日終値
オリンパス<7733>が7日ぶりに反落。24日の取引終了後、株式売り出しを発表しており、需給悪化を懸念した売りが優勢となった。ただ、併せて自社株買いも発表しており、下げは限定的。三井住友フィナンシャルグループ<8316>傘下の三井住友銀行など5社が合計994万800株を売り出す。同時にオーバーアロットメントによる上限149万1100株の売り出しを実施する。売出価格は12月4日から7日のいずれかの日に決定する。また、自社株買いは149万1100株(発行済み株式数の0.44%)、70億円を上限としており、取得期間は、売り出しの受渡日の翌日から18年1月31日まで。
■マーケットE <3135> 1,243円 +300 円 (+31.8%) ストップ高 本日終値
ネット型リユース業を展開するマーケットエンタープライズ <3135> [東証M]が24日まで3日連続でストップ高に買われ、本日から値幅制限が2倍の300円となったにもかかわらず、ストップ高に張り付いた。20日、ヤフー <4689> が運営する「ヤフオク!」が開始した「カウマエニーク」で、ヤフーおよびブックオフコーポレーション <3313> と出張買い取りで連携したと発表したことが引き続き材料視された。カウマエニークは、「買う前に(売りに)行く」をコンセプトとし、家電と洋服と本など異なるカテゴリーの商品もまとめて買い取りを依頼できるサービス。買取方法は店頭買取、宅配買取、出張買取の3種類があり、同社は「自宅で買い取り査定ができる出張買い取り」、ブックオフは「店舗への店頭買い取り」、「宅配買い取り(自宅集荷・運送会社への持ち込み)」で連携するという。
■精養軒 <9734> 1,743円 +300 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
精養軒 <9734> [JQ]がストップ高に買われ7連騰。株価は2006年2月以来、約11年9ヵ月ぶりに1700円台を突破した。22日、東京都が上野動物園で生まれたジャイアントパンダ「シャンシャン」の一般公開を12月19日に始めると発表しており、これが引き続き刺激材料となっている。上野恩賜公園内で老舗西洋料理店を営む同社は「パンダ関連」として知られており、発表をうけて集客力向上による業績拡大に期待する買いが殺到しているようだ。また、同じくパンダ関連銘柄の東天紅 <8181> も7日続伸に買われた。
■NF回路 <6864> 2,988円 +500 円 (+20.1%) ストップ高 本日終値
エヌエフ回路設計ブロック<6864>、フィックスターズ<3687>が大幅高に買われたほか、YKT<2693>はストップ高で朝から値がつかない状態。ユビキタス<3858>、日本ラッド<4736>、ブレインパッド<3655>なども買い優勢の展開となるなど量子コンピューター関連株に大口の投資マネーが流入した。これまでのコンピューターの基本コンセプトである「01」の世界から離れ、量子力学的な重ね合わせによる物理現象を活用して並列コンピューティングを実現させるという量子コンピューターは、スーパーコンピューターですら数千年も要する演算をわずか数分から数時間で完結する1億倍の演算能力を持つともいわれ、世界の大手企業が同分野の研究開発に注力姿勢をみせている。米国では既にグーグルやロッキード・マーチン、NASAで活用されており、日本でも官民を挙げてこれを猛追する構えにある。直近ではNTT<9432>などが、同社が強みとする光ファイバー技術を駆使して量子コンピューターの試作機を開発し無償公開すると発表したことが、株式市場でもマーケット関係者の耳目を驚かせた。また、スーパーコンピューター「京」で知られる富士通<6702>の存在も注目されている。技術大国日本の量子コンピューター分野における次の一手に熱い視線が向かうなか、関連銘柄の上値期待が改めて膨らんでいる。
■ケアサービス <2425> 1,042円 +150 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
ケアサービス <2425> [JQG]がストップ高。24日、高齢化が進む中国で介護施設の経営、コンサルティングを展開する合弁会社を設立すると発表しており、これを好感する買いが向かった。介護サービスを展開する中国の上海金盛隆養老服務有限公司、コンサルティング事業を手掛けるリブラと業務提携し、合弁会社を設立する。同社の出資比率は30%で持分法適用会社となる。合弁会社では、運営からスタッフ育成、経営管理にいたるまでの養老院経営モデルを作り上げ、広く普及させることにより、長期的に中国介護でトップブランドの構築を目指す。まずは3年後に売上高50億円、担当施設のベッド数1万を目標に掲げた。
株探ニュース