【市況】前場に注目すべき3つのポイント~アベノミクス加速への期待感が高まる
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
16日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:アベノミクス加速への期待感が高まる
■外資系証券の注文動向:差し引き190万株の売り越し
■前場の注目材料:神戸鋼、鋼線・特殊鋼でも、データ改ざん、社長陳謝
■アベノミクス加速への期待感が高まる
今週は衆院選の投開票を22日に控え、よりアベノミクス加速への期待感が高まるのか、若しくは野党勢力の追い込みから様子見姿勢が強まるかが注目されるところである。慎重姿勢が強まるようだと、いったんは利益確定の流れに向かわせる可能性はありそうだが、先週伝えられた報道各社による序盤情勢調査では、自民党が単独過半数(233)を大きく上回ると分析。市場のコンセンサスは連立与党で300議席超をうかがうとの見方である。そのため、長期安定政権への期待による海外勢の資金流入が一段と強まる可能性がある。
日経平均は直近の上昇で過熱感が警戒されてくるほか、21年ぶりの21000円回復により、いったんは達成感も意識されやすい面はある。しかし、21年ぶりの高値水準の更新により、需給面の重石はなく、反対に出遅れ組による押し目買い意欲は強いだろう。また、足元ではインデックスに絡んだ主力大型株主導の相場展開のなか、相対的に出遅れているセクター等への見直しに伴う循環物色のほか、個人主体による中小型株への見直しにも波及してくる展開も注目されるところである。
その他の物色の流れとしては、米国ではゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど金融機関の決算が控えている。18日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるが、米金融機関の決算や米経済に対する強気な見方が強まるようだと、年内追加利上げ観測への思惑がより高まりそうだ。一方、G20財務相・中央銀行総裁会議で日本銀行の黒田総裁は、2%物価目標の早期達成に向けて「強力な金融緩和を粘り強く進める方針」を各国に説明した。日本の金融政策について「何か批判めいたことは全くなかった」と語っており、日米金利差の拡大への思惑等も日本株市場の押し上げ要因になる。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き190万株の売り越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り710万株、買い520万株、差し引き190万株の売り越しとの観測。
10月 6日(金): 20万株の買い越し
10月 10日(火): 110万株の売り越し
10月 11日(水): 70万株の買い越し
10月 12日(木): 310万株の売り越し
10月 13日(金): 600万株の買い越し
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(22871.72、+30.71)
・ナスダックは上昇(6605.80、+14.29)
・半導体SOX指数は上昇、(1219.21、+8.12)
・NY原油は上昇、(51.45、+0.85)
・日経平均は21年ぶり高値(21155.18、+200.46)
・シカゴ日経平均先物(21240、+80)
・NY金は上昇、(1304.6、+8.1)
・衆院選情勢、自公優勢でアベノミクス加速期待
・政府、LNG普及に向けアジア支援1兆円
・ロボット関連企業の業績上振れ観測
・神戸鋼<5406>、鋼線・特殊鋼でも、データ改ざん、社長陳謝
・武田薬<4502>、AIで創薬向け細胞培養、子会社と産総研が開発へ
・ユーグレナ<2931>、「コーシャ」市場を創出、イスラエルにクロレラ輸出
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・10:10 国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と5年超10年以下)(日本銀行)
<海外>
・10:30 中・消費者物価指数(9月) 1.6% 1.8%
・10:30 中・生産者物価指数(9月) 6.3% 6.3%
《HT》
提供:フィスコ