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【特集】観測・水面下の好業績物色、Xデー後に備える「材料内包18銘柄」 <株探トップ特集>

東京産 <日足> 「株探」多機能チャートより

―逆風相場潜り抜ける3要素、“高配当+好業績+低PER”株リストアップ―

 週明け4日の東京株式市場は、北朝鮮が3日に核実験を強行したことによる地政学リスクの高まりを嫌気して売り優勢の推移となった。日経平均株価は、前週末比183円22銭安の1万9508円25銭と反落した。ただ、そうしたなかでも中小型の好業績で材料性に富む銘柄への物色は継続している。そこで今回は、9月中間期末の配当取りが狙える、中間配当を実施している高配当利回り、好業績、低PER銘柄を紹介する。

●イチカワ、抄紙用フエルトの販売好調で経常利益V字回復

 紙・パルプ用フエルト大手のイチカワ <3513> は、18年3月期通期の連結業績を売上高124億円(前期比6.0%増)、経常利益8億円(同2.1倍)と利益のV字回復を見込んでいる。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高28億3800万円(前年同期比13.8%増)、経常利益1億円(前年同期は1600万円の赤字)と経常黒字転換した。国内では、抄紙用ベルトの販売数量は減少したものの、抄紙用フエルトの販売数量は横ばいで推移した。海外では、積極的な拡販活動が奏功し、抄紙用フエルトおよび抄紙用ベルトともに販売数量は増加している。

●小野建、鋼材市況の上昇や売上原価の低減が寄与し増益基調

 鋼材、建設機材の専門商社の小野建 <7414> の18年3月期通期の連結業績見通しは、売上高1936億8000万円(前期比9.7%増)、経常利益59億600万円(同4.7%増)を見込んでいる。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高435億円4700万円(前年同期比14.6%増)、経常利益13億9100万円(同41.1%増)となった。鉄鋼商品販売事業では、販売数量は僅かながら減少したものの、鋼材市況の上昇要因により売上高は増加している。工事請負事業では、完成工事高が増加したことで売上高は増加している。損益面では、売上原価の低減ならびに設備投資の初期費用などが減少したことにより増益基調にある。

●永大産業、新製品開発に注力し売上高を拡大

 住宅用木質建材・設備機器メーカーの永大産業 <7822> の18年3月期通期の連結業績予想は売上高670億円(前期比0.7%増)、経常利益28億5000万円(同8.1%増)を見込んでいる。建材分野では、引き続き表面化粧材に高級銘木を使用した「森の逸品、銘木フローリング『銘樹』」のブランド強化に注力している。一方、室内階段では、好評を得ている正寸プレカットを幅広いユーザーに提案した結果、多くの新規採用を獲得している。内装システム分野では、収納製品の販売拡大に向けて顧客の潜在的なニーズを取り入れた新製品開発に取り組んだ。住設分野では、室内ドアを始めとする内装システム分野の製品とのコーディネートを意識した新製品開発を推進している。

●東京産業、中期計画で20年3月期に経常利益30億円目指す

 東京産業 <8070> は、18年3月期通期の連結業績予想を売上高1000億円(前期比17.7%増)、経常利益21億円(同32.0%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高219億3800万円(前年同期比28.7%増)、経常利益3億5100万円(同2.5倍)の大幅増益となった。さらに、同社は2020年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表している。それによると、最終年度の売上高1200億円、経常利益30億円を見込んでいる。中期経営計画では、環境の変化に柔軟に対応し、エネルギー事業・グローバルビジネスと新規事業の相乗効果で更なる成長を目指す。具体的には(1)発電から送配電まで、資材調達から廃棄処理まで、電力の多様化・自由化・効率化へ総合的かつ積極的に対応する、(2)IoT・ロボット活用など製造業の技術革新やスマートファクトリーへの対応、次世代自動車技術への積極的関与、(3)機械商社の枠組みにとらわれない独自色をだせる新規事業の発掘・開拓、より付加価値を高めるための川上への展開も視野に入れる――などの成長戦略を推進する。

●バイテックHD、環境エネルギー事業の売電収入増加などで上期経常利益を上方修正

 バイテックホールディングス <9957> は、18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比3.3倍の10億4400万円に急拡大して着地した。環境エネルギー事業で売電収入が増加したうえ、太陽光パネルや関連部材の販売も伸びたことが寄与。イメージセンサーやメモリーが好調だったデバイス事業の黒字転換も大幅増益に貢献した。業績好調に伴い、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の同利益を、従来予想の10億4000万円から14億7000万円(前年同期比45.9%増)に上方修正した。これにより、13期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなった。

●サンリツ、海外で新規の工作機械用梱包需要が寄与

 サンリツ <9366> は、18年3月期通期の連結業績を売上高148億円(前期比1.2%増)、経常利益5億7000万円(同19.1%増)と見込んでいる。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高36億5100万円(前年同期比2.9%増)、経常利益8600万円(同3.6倍)のV字回復となった。梱包事業部門では、新規案件が大きく寄与、海外子会社で工作機械取り扱いが増加し増収増益となった。運輸事業部門は、無線通信機器取り扱いが減少し減収ながらも増益となった。倉庫事業部門は、国際航空貨物取り扱いで新規案件の開始が寄与したが、前期発生のスポット売上がなくなり微減収益となった。

◆主な高配当利回り・好業績・低PER銘柄◆

          配当利回り  経常
銘柄 <コード>    (年間)  増益率   PER  株価
双日 <2768>      3.44   19.1    7.3   291
UKCHD <3156>   3.16   黒転    8.8  1901
飯田GHD <3291>   3.22    4.4    6.8  1861
イチカワ <3513>    3.68    2.1倍  16.8   326
JXTG <5020>    3.31   30.5    9.3   544.2

アマダHD <6113>   3.34    4.9   16.5  1199
大同メタル <7245>   3.14   30.8    9.1   956
SUBARU <7270>  3.75    4.0   12.9  3845
小野建 <7414>     3.31    4.9    9.0  1814
永大産業 <7822>    3.24    8.1   11.9   524

共立印刷 <7838>    3.77    6.8   11.6   345
小松ウオール <7949>  3.26   39.2    9.2  1993
伊藤忠 <8001>     3.59    7.2    6.9  1784.5
東京産 <8070>     3.20   32.0    9.0   469
フジ住 <8860>     3.38    4.9    6.9   798

サンリツ <9366>    3.09   19.2   11.7   711
学究社 <9769>     3.75   15.7   15.9  1600
バイテックH <9957>  3.24    6.4   15.1  1700

※株価は4日終値(単位:%、倍、円)

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