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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

アイフリーク <日足> 「株探」多機能チャートより

■山王 <3441>  1,445円 (+300円、+26.2%) ストップ高

 山王 <3441> [JQ]が25日にストップ高まで買われたのに続き、値幅制限が2倍の300円になった28日もストップ高となった。24日、「導電性微粒子及び導電性微粒子の製造方法」について特許を取得したと発表したことが引き続き材料視された。同特許は産業技術総合研究所と実用化に向け研究・開発中の「銀めっきアクリル粒子」を製造するための基本技術に関するもの。この技術を用いることで、コア材料のアクリル樹脂上に直接またはニッケル層を介して、緻密な銀層を形成することが可能となるという。今後、導電性フィルムへの混練部材やその他特性を生かした製品・技術への転用をめざし拡販活動を進めていく計画だ。実用化の際には差別化を図れることから、将来的な業績への寄与が期待する買いが殺到した。

■アイフリーク <3845>  492円 (+80円、+19.4%) ストップ高

 アイフリークモバイル <3845> [JQ]がストップ高、年初来高値を一気に更新した。30日にUUUM <3990> [東証M]のマザーズ上場を控えて、関連銘柄として関心が高まったようだ。アイフリークとUUUMは1月10日から、親子で楽しめる幼児・未就学児向け動画コンテンツを配信するYouTubeチャンネル「Popo Kids(ポポキッズ)」を共同で開設しており、ここから連想的な買いが入ったもよう。同チャンネルでは、アイフリークが提供する400冊以上のデジタル絵本を定額で楽しむことができるスマートフォン向けアプリ「森のえほん館」で提供されている絵本コンテンツを一部改編して配信している。

■三社電機 <6882>  694円 (+100円、+16.8%) ストップ高

 三社電機製作所 <6882> [東証2]がストップ高。同社は25日に業績修正を発表。18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の7000万円→4億5000万円に6.4倍上方修正したことが買い材料視された。半導体事業でロボット用やエアコン用などのモジュールの受注が想定より伸び、売上が計画を上回ることが利益を押し上げる。なお、通期の同利益は従来予想の5億5000万円(前期は2億1700万円)を据え置いた。業績上振れに伴い、従来未定としていた上期配当を7円(前年同期は5円)実施する方針としたことも支援材料となった。

■エノモト <6928>  7,040円 (+1,000円、+16.6%) ストップ高

 エノモト <6928> [JQ]がストップ高。25日、同社が9月30日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の4分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■富士通コン <6719>  793円 (+100円、+14.4%) ストップ高

 富士通コンポーネント <6719> [東証2]が続急伸となった。株価は長期トレンドでも2010年4月につけた戻り高値715円を払拭したことで新波動入り、上げ足を一気に強めた。リレーやタッチパネルなどの電子部品を製造する。7月26日にマドを開けてストップ高に買われたが、この時は17年4-6月期決算で営業利益が前年同期比6.2倍となる急変化をみせたことがポジティブサプライズとなった。その後、親会社の富士通 <6702> が携帯電話事業の売却など選択と集中を加速させる方針が伝わり、車載やIT分野向けで高い実績を持つ富士通コンポは中核企業として物色人気が増幅された。

■ユーザベース <3966>  3,250円 (+345円、+11.9%)

 ユーザベース <3966> [東証M]が急反発し、年初来高値を更新。SMBC日興証券が25日付で、投資評価「1」を継続しつつ、目標株価を3115円から3380円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、株式価値は現在の主力事業であるSPEEDAおよびNewsPicks事業がそれぞれ堅調に推移していることを徐々に織り込んでいるが、新たなビジネスドメインも加わることでビジネスソーシャル市場全体を席巻する取り組みが既に始まっていることにも目を向けるべきと指摘。マーケティング支援サービスFORCASおよびベンチャー市場動向データベースentrepediaという新たなサービスドメインともそれぞれが融合していくことで、ビジネスソーシャルという事業領域でのフロンティアになることを期待しているという。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,680円 (+320円、+9.5%)

 東証1部の上昇率2位。エイチ・アイ・エス <9603> が続急伸。25日に決算を発表。17年10月期第3四半期累計(16年11月-17年7月)の連結経常利益が前年同期比5.3倍の123億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。旅行事業が前期に相次いだ欧州テロなどによる落ち込みから回復基調にあるほか、ハウステンボスの入場者数が伸びたことなどが寄与し、営業増益を確保した。円安進行で為替差益損が大きく好転したことに加え、持ち分法投資損失がなくなったことも大幅増益の要因となった。

■アルコニックス <3036>  3,325円 (+265円、+8.7%)

 東証1部の上昇率4位。アルコニックス <3036> が急反発、年初来高値を更新した。8月31日時点の株主に対して1対2の株式分割を実施するが、28日は株式分割の権利付き最終日であり、駆け込みの権利取りの動きが出た様子だ。同社はレアメタルレアアースに強みを持つ非鉄商社。電気自動車(EV)の普及に伴い、コバルトやネオジウムといったレアメタルレアアースの需要が拡大しており、今後の同社の活躍余地が広がるとの期待も膨らんでいる。

■鳥貴族 <3193>  2,815円 (+213円、+8.2%)

 東証1部の上昇率5位。鳥貴族 <3193> が3連騰。28日の寄り前、10月1日から「鳥貴族」全店で販売価格を引き上げると発表しており、採算改善につながるとの期待から買いが入ったようだ。同社ではこれまで全品280円(税別)均一価格を維持していいたが、全品298円(同)へ引き上げるという。昨今の人件費を中心とした店舗運営コストの上昇や、天候不順による国産食材の仕入れ価格高騰の影響などが要因としている。

■夢の街創造 <2484>  1,694円 (+107円、+6.7%)

 夢の街創造委員会 <2484> [JQ]が3連騰し年初来高値を更新した。28日は8月期決算企業の権利取り最終日であることから、配当・優待の権利取り狙いの買いが入ったようだ。同社は期末一括で3円30銭の配当を予定しているほか、1単元(100株)以上保有する株主に対して、「出前館」で利用できる金券(Visaギフトカード)を保有保有期間に応じて3000円分(1年未満)から5000円分(7年以上)贈呈するとしている。

■日鉄鉱業 <1515>  7,760円 (+420円、+5.7%)

 東証1部の上昇率10位。日鉄鉱業 <1515> が続急伸し、連日で年初来高値を更新した。25日、チリの銅探鉱「アルケロスプロジェクト」の権益を取得すると発表しており、業績への寄与に期待する買いが向かったようだ。同社では2011年に「アルケロス鉱区」の探鉱権を取得した後、同鉱区を実質所有するアルケロス鉱山社に資本参加し、事業の経済性評価を行っていた。その結果、十分な採算性が見込まれるとの結論に達したことから、銅権益を取得することを決定したという。今後は未確定鉱量の調査や各種詳細設計などを行うとともに、チリにおける各種許認可を取得したのちに、開発工事に着手する予定。操業開始は2022年、操業期間は約17年間を見込んでいる。

■ラオックス <8202>  510円 (+22円、+4.5%)

 ラオックス <8202> [東証2]が3日続伸。7月初旬以降8月中旬まで約1ヵ月半にわたり下値模索の状態が続いた。17年12月期業績予想の大幅下方修正を受け、8月15日に年初来安値463円をつけが、これがダメ押しの急落となり、それ以後は戻り相場の色を強めている。17年12月期は営業損益が黒字化するものの1億円程度と低水準となる見通し。しかし7月の訪日観光客が過去最高を記録するなど、足もとはインバウンド需要に再び追い風が吹いている。以前のような“爆買い”の恩恵は期待しにくいものの、同社にとっても環境は良化する方向で、会社側見通しから上振れする可能性が意識されている。

■シノケンG <8909>  2,469円 (+75円、+3.1%)

 シノケングループ <8909> [JQ]が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を3500円から3600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、17年12月期上期営業利益は64億3000万円(前年同期比24.3%増)となり、計画の55億円を上回ったことを評価。アパートなど不動産販売事業、入居率が高水準である不動産管理関連事業などの好調が続いており、17年12月期以降も成長持続が期待できることから、株価には依然割安感があると指摘している。

■山洋電気 <6516>  1,218円 (+32円、+2.7%)

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で山洋電気 <6516> の投資判断「Buy(買い)」を継続し、目標株価を1400円→1500円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、18年3月期第1四半期はデータセンターやロボット、半導体製造装置など向けの需要が強く、クーリングシステムとサーボシステム部門の業績が予想を上回ったと評価。昨春から取り組む生産自動化は道半ばだが、高水準な受注高を背景に、18年3月期の営業利益予想を61億円→66億円(会社計画は65億円)、19年3月期を72.3億円→76億円、20年3月期を79億円→87億円にそれぞれ引き上げた。

■あいHD <3076>  2,769円 (+65円、+2.4%)

 あい ホールディングス <3076> が続伸。同社は28日、子会社のNBSテクノロジーズがクラウドベース決済システム「Xpressi」の販売を開始すると発表した。「Xpressi」は、クラウド決済システムをスムーズに導入するために必要なあらゆる特長を兼ね備えており、同社では対象となる企業がクラウド決済システムを導入することにより、競争力の向上と将来の業界トレンドに適したプラットフォームを獲得することができるとしている。

■住友鉱 <5713>  1,925円 (+42.5円、+2.3%)

 住友金属鉱山 <5713> や三菱マテリアル <5711> といった大手非鉄株 が高い。25日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅先物で中心の9月限は前日比0.05セント安の1ポンド3ドル0335セントだったが、24日には終値ベースで約2年9ヵ月ぶりに3ドルを超えている。中国などの需要が堅調なほか、銅在庫も減少しており銅は上昇基調にある。海外市場では英リオ・ティントや豪英系のBHPビリトンといった大手非鉄株が年初来高値に買われており、日本の非鉄株への見直し買いが続いている。住友鉱は電気自動車(EV)向けに需要拡大が続くリチウムイオン電池用正極材料で高実績を持つことも注目されている。

■リンテック <7966>  2,918円 (+56円、+2.0%)

 リンテック <7966> が続伸。SMBC日興証券は、目標株価を2700円から3000円に引き上げた。投資評価は「2」を継続した。同社では、18年3月期の連結営業利益予想を204億円から213億円(会社予想200億円)に見直したほか、19年3月期も221億円から229億円に増額した。半導体関連ビジネスの収益拡大を前向きに評価している。また、米国子会社MADICOのリストラ効果にも期待している。

■セガサミー <6460>  1,568円 (+30円、+2.0%)

 セガサミーホールディングス <6460> が反発。子会社セガゲームスの「龍が如く」シリーズを手掛ける開発チーム「龍が如くスタジオ」が新作3タイトルを発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回発表されたのは、シリーズ第2作「龍が如く2」を最新のゲームエンジン「ドラゴンエンジン」で蘇らせたプレイステーション4向け「龍が如く 極2」(12月7日発売予定)と、「新・龍が如く」プロジェクトの第1弾タイトルとなるAndroid/iOS向け「龍が如く ONLINE」(18年サービス予定)。さらに、人気マンガ「北斗の拳」と龍が如くスタジオのコラボレーションタイトルでプレイステーション4向けの「北斗が如く」(18年発売予定)の3タイトル。なお、「龍が如く 極2」「北斗が如く」はティザートレイラーも公開されている。

■双日 <2768>  290円 (+5円、+1.8%)

 双日 <2768> が上伸。同社は28日、アイ・サイナップ(東京都港区)および京セラコミュニケーションシステム(京都市)と、新無線通信技術「LPWA」のひとつであるIoTネットワーク「Sigfox」を活用した物流IoTサービスの提供で協業を開始したと発表した。各社の役割は、双日がSigfoxを活用した物流IoTサービスを提供。アイ・サイナップはSigfoxに対応したセンサーやデバイスの開発、京セラコミュニケーションシステムはSigfox無線基地局の設置およびネットワークサービスを担当する。

■グリー <3632>  859円 (+12円、+1.4%)

 グリー <3632> が3日ぶりに反発。25日の取引終了後、住友商事 <8053> などと共同で、北米を中心とした海外において、日本アニメのゲーム化および共同パブリッシングを行うと発表しており、これを好感した買いが入った。住友商事と業務提携している米イレーション社(カリフォルニア州)のアニメ配信サイト「クランチロール」経由で提供するとしており、今後はグリーの企画・開発力を生かした日本アニメの海外向けゲーム化と共同パブリッシングを行い、クランチロールの動画配信プラットフォームを起点とした関連ビジネスの拡大を図るという。第1弾として、18年初頭に人気アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」を題材にしたゲーム「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ~メモリア・フレーゼ」を配信する予定。なお、同アニメはクランチロールで15年に配信されて以降、北米を中心に世界的な人気アニメとなっている。

■双葉電 <6986>  2,022円 (+23円、+1.2%)

 双葉電子工業 <6986> が続伸で2000円台を回復。同社は25日、試作・特注品のオンデマンド受託製造サービスを展開するベンチャー企業、カブク(東京・新宿)の90%の株式を取得し子会社化する。取得価額は13億5500万円。あらゆるものをオンライン化するIoT 人工知能(AI)などの分野でソフト開発力を早期に獲得することを目的とするもので、これを材料視する買いを引き寄せた。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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