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【注目】前週末10日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ニチリン <日足> 「株探」多機能チャートより

■ニチリン <5184>  3,085円 (+504円、+19.5%) ストップ高

 ニチリン <5184> [東証2]がストップ高まで買われ、上場来高値を更新した。9日に発表した17年12月期上期(1-6月)の連結経常利益が前年同期比48.4%増の43.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。国内や中国で主力の自動車用ホースが好調だったほか、二輪用もアジアを中心に受注が伸びた。生産性向上や原価低減を進めたことも大幅増益の要因となった。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の66億円→83億円に25.8%上方修正。増益率が4.1%増→30.9%増に拡大し、従来の5期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。併せて、今期の年間配当を従来計画の36円→42円(前期は34円)に増額修正したことも支援材料となった。さらに9日終値ベースの予想PERが7.5倍→5.5倍に低下し、割安感がさらに強まったことも買いに拍車を掛けた。

■エンジャパン <4849>  3,705円 (+530円、+16.7%)

 エン・ジャパン <4849> [JQ]が続急伸し、年初来高値を更新した。9日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比58.4%増の27.5億円に拡大して着地したことが買い材料視された。利便性向上やテレビCM効果などによる利用者拡大を背景に、主力の求人サイト「エン転職」の広告掲載料が大きく伸びたことが寄与。人材紹介事業で成功報酬が増えたことも増益に貢献した。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の76億円→82億円に7.9%上方修正。増益率が11.0%増→19.7%増に拡大し、従来の10期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。

■資生堂 <4911>  4,420円 (+535円、+13.8%)

 東証1部の上昇率2位。資生堂 <4911> が寄り付き大量の買いを集め5日ぶり急反騰、4400円台まで上値を伸ばし上場来高値更新。同社は9日取引終了後、17年12月期の連結業績予想の修正を発表、売上高を9400億円から9650億円(前期比13.5%増)へ、営業利益を455億円から560億円(同52.3%増)へ、最終利益を260億円から325億円(同1.2%増)へそれぞれ増額した。しわを改善する「エリクシール」美容濃密リンクルクリームなどが売り上げを伸ばして収益に寄与、インバウンド需要も追い風に中高価格帯のブランドが好調で会社側の想定を上回る見通し。これを材料視する買いが流入し、気配値のまま6月20日の上場来高値4135円を上回った。

■リゾートトラ <4681>  2,240円 (+241円、+12.1%)

 東証1部の上昇率5位。会員制リゾートホテル最大手のリゾートトラスト <4681> が5日ぶり急反騰。9日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比4.7倍の20.9億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。昨年8月に販売を開始した「ラグーナベイコート倶楽部」の会員権販売が好調だったことが寄与。3月に開業した「エクシブ湯河原離宮」のホテル運営収益と会員権販売収益も業績拡大に貢献した。

■WSCOPE <6619>  1,956円 (+206円、+11.8%)

 東証1部の上昇率6位。ダブル・スコープ <6619> が急反騰。同社はリチウムイオン電池用セパレーターを製造販売し、世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景としたリチウム電池需要の逼迫が取り沙汰されるなか、関連株の一角としてマーケットの注目度が高い。ところが、前週末4日取引終了後に、17年12月期の連結業績予想について、売上高を120億円から100億円(前期比10.5%増)へ、営業利益を24億円から10億円(同57.8%減)へ下方修正、中国市場で販売数量が減少したほか、生産ラインの改修にともなうコスト増などが影響したもので、これを受け週明け7日は値幅制限いっぱいの500円安に売り込まれた経緯がある。10日は、前日引け後に発表した中期経営計画「Vision2020」の策定が反転の材料となった。同中期計画では2020年までに16年比で生産規模を3倍にする設備投資計画に取り組んでいることを発表、また20年12月期の連結営業利益を100億円(今期予想10億円)とする目標数値を掲げており、これを材料視する買いを呼び込む格好となった。

■三井金属 <5706>  550円 (+56円、+11.3%)

 東証1部の上昇率7位。三井金属 <5706> が大幅続伸し年初来高値。同社は9日取引終了後、18年3月期2四半期累(4-9月)の連結業績予想の上方修正を発表した。従来予想の売上高2230億円を2420億円(前期比20.7%増)へ、営業利益130億円を170億円(同25.5%増)へ、最終利益80億円を100億円(同95.8%増)へそれぞれ増額した。機能材料セグメントの主要製品であるキャリア付極薄銅箔や、排ガス浄化触媒、スパッタリングターゲット(電子機器に使用される薄膜材料の原料)の主力であるITO(インジウム・錫酸化物)などの需要が堅調に推移していることが業績予想の上方修正につながった。

■トラスト・テック <2154>  2,573円 (+251円、+10.8%)

 東証1部の上昇率8位。製造業向け技術者派遣などを手掛けるトラスト・テック <2154> が後場急騰し、年初来高値を更新した。同社は10日正午に、18年6月期通期の連結業績予想を公表。営業利益は42億5000万円(前期比32.0%増)を見込み、年間配当は前期比10円増配の55円とする方針を示した。売上高は515億円(同19.7%増)を予想。主力の技術系領域では、輸送用機器や電気機器といった機電系エンジニアのさらなる伸長に加え、IT分野の事業拡大を進めるとしている。なお、同時に中期経営計画も発表し、「売上高の年率20%以上の成長スピード維持」や「連結営業利益の年率20%以上の増加」を掲げている。

■東洋炭素 <5310>  2,168円 (+211円、+10.8%)

 東証1部の上昇率9位。東洋炭素 <5310> が大幅高で5日続伸し、年初来高値を更新。同社は9日取引終了後、17年12月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を310億円から325億円(前期比0.1%増)へ、営業利益を15億円から19億円(同2.9倍)へ、最終利益を15億円から16億円(同5.6倍)へそれぞれ増額した。売上高では、エレクトロニクス分野向けにカーボンブラシの需要が回復したことや、想定に比べて為替レートが円安に推移したことが貢献した。営業利益では、売上高の増加に加え、固定費削減などの構造改革の取り組みが一段と進展したことが寄与している。あわせて発表した第2四半期累計の連結決算は売上高165億6400万円(前年同期比2.2%減)、営業利益13億2600万円(同2.6倍)、最終利益11億2900万円(同4.7倍)だった。

■マツキヨHD <3088>  7,500円 (+650円、+9.5%)

 東証1部の上昇率10位。マツモトキヨシホールディングス <3088> が急反発し、上場来高値を更新した。9日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比13.2%増の88.4億円に伸びて着地したことが買い材料視された。主力の小売事業で22店舗を新規出店した効果に加え、利益率の高いプライベートブランド商品の販売が拡大したことが収益を押し上げた。商品別では化粧品や医薬品が伸びた。また、インバウンド需要は引き続き好調だった。

■大日精 <4116>  1,025円 (+88円、+9.4%)

 大日精化工業 <4116> が3日ぶりに大幅反発し、年初来高値を更新。同社は9日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は411億8600万円(前年同期比5.4%増)、営業利益は38億5700万円(同34.6%増)、最終利益は28億8300万円(同5.9%減)だった。化学品事業で、車両業界向けのコンパウンド(研磨材)や海外向けの着色剤が好調に推移しているのに加え、高分子事業で、車両業界向け内装用材料が海外でに堅調となっているほか、アパレル関連の樹脂や成型用材料が伸長をみせていることが寄与している。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高1610億円(前期比2.4%増)、営業利益110億円(同8.2%減)、最終利益83億円(同16.6%減)を見込んでいる。

■藤森工業 <7917>  3,635円 (+310円、+9.3%)

 樹脂包装材大手の藤森工業 <7917> が3日ぶりに急反発し、年初来高値を更新した。9日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比49.6%増の24.2億円に拡大して着地したことが買い材料視された。首都圏再開発物件などの煙突工事や空調用配管の売上が好調だった建築資材事業の収益が拡大したことが寄与。インドネシア医薬包装材メーカーの買収効果や偏光板用保護フィルムの販売増加なども収益を押し上げた。通期計画の79億円に対する進捗率は30.7%に達しており、好調なスタートを切ったことが好感されたようだ。

■アルバック <6728>  6,060円 (+490円、+8.8%)

 アルバック <6728> が急反発。同社は9日に決算を発表。17年6月期の連結経常利益は前の期比61.7%増の297億円に拡大して着地。続く18年6月期も前期比4.3%増の310億円に伸び、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期も活況な市況を追い風にスマートフォン向け有機EL蒸着装置や大型テレビ向け液晶ディスプレー製造装置の販売が伸びる計画だ。業績好調に伴い、前期の年間配当を45円→50円(前の期は30円)に増額し、今期も前期比10円増の60円に増配する方針としたことも買いに拍車を掛けた。

■澁谷工業 <6340>  3,920円 (+305円、+8.4%)

 澁谷工業 <6340> が急伸。同社は9日大引け後(15:00)に決算を発表。「今期経常は1%増で3期連続最高益、前期配当を5円増額・今期は5円増配へ」が好感された。17年6月期の連結経常利益は前の期比48.7%増の90.7億円に拡大し、18年6月期も前期比1.3%増の92億円に伸びを見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。9期連続増収、3期連続増益になる。同時に、前期の年間配当を30円→35円(前の期は20円)に増額し、今期も前期比5円増の40円に増配する方針とした。

■パイロット <7846>  5,130円 (+395円、+8.3%)

 パイロットコーポレーション <7846> が急反発、年初来高値を更新した。9日に17年12月通期業績予想の増額修正と増配を公表したことが好感された。17年12月期の連結業績予想は、営業利益を180億円から190億円(前期比9.6%減)へ、最終利益を125億円から145億円(同0.3%増)へ増額修正した。消せるボールペン「フリクション」シリーズやノック式ゲルインキボールペン「G-2」、油性ボールペン「アクロボール」をはじめとする高付加価値製品の販売が世界各国で好調に推移していることが利益を押し上げている。また、期末配当は特別配当5円を実施し18円50銭(記念配当含む)とし従来予想に比べ5円増とすることも明らかにした。年間配当は32円(前期比10円増)となる。

■森永製菓 <2201>  6,800円 (+510円、+8.1%)

 森永製菓 <2201> が大幅反発。9日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を2050億円から2075億円(前期比4.0%増)へ、営業利益を180億円から193億円(同9.6%増)へ、純利益を126億円から134億円(同20.5%増)へ上方修正したことが好感された。第1四半期において、主力の食料品製造事業が好調であったことや、売上原価率の改善で大幅な増益となったことが要因としている。同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高520億6200万円(前年同期比9.3%増)、営業利益61億500万円(同16.1%増)、最終利益43億4300万円(同14.1%増)だった。今年発売50周年を迎えた「チョコボール」の定番品が好調に推移に推移したほか、「ハイチュウ」「おっとっと」「森永ココア」などが伸長。また、健康部門の主力ブランドである「inゼリー」が前年同期を大きく上回ったことも貢献した。

■ニチイ学館 <9792>  1,237円 (+78円、+6.7%)

 ニチイ学館 <9792> が3日ぶり急反発。同社は9日大引け後(15:00)に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は黒字浮上で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は5.6億円の黒字(前年同期は12.5億円の赤字)に浮上し、4-9月期(上期)計画の11億円に対する進捗率は50.9%となり、5年平均の49.0%とほぼ同水準だった。

■ミズノ <8022>  689円 (+43円、+6.7%)

 ミズノ <8022> が続急伸。同社は9日大引け後(15:00)に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は黒字浮上で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は16.4億円の黒字(前年同期は3.7億円の赤字)に浮上し、4-9月期(上期)計画の20億円に対する進捗率は82.2%となり、5年平均の83.1%とほぼ同水準だった。

■じげん <3679>  1,689円 (+98円、+6.2%)

 じげん <3679> [東証M] が急反発。同社は9日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。「4-6月期(1Q)税引き前は62%増益で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比61.7%増の8.4億円に拡大した。

■太平洋セメント <5233>  428円 (+24円、+5.9%)

 太平洋セメント <5233> が続急伸。同社は9日大引け後(15:00)に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は60%増益で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比60.5%増の87.5億円に拡大し、4-9月期(上期)計画の220億円に対する進捗率は5年平均の34.2%を上回る39.8%に達した。

■大日本印刷 <7912>  1,302円 (+70円、+5.7%)

 大日本印刷 <7912> が急反発。同社は9日大引け後(15:00)に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は32%増益で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比32.0%増の118億円に拡大し、通期計画の400億円に対する進捗率は29.5%に達し、5年平均の23.4%も上回った。

■鉄建 <1815>  364円 (+19円、+5.5%)

 鉄建 <1815> が3日ぶりに大幅反発。同社を取り巻く環境は、公共投資が底堅く推移しているほか、首都圏再開発に絡む案件も取り込んでいる。9日取引終了後に発表した18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算は売上高が354億1800万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は14億6100万円(同2.6倍)、最終利益は10億6800万円(同82.2%増)と急拡大、好決算を評価する買いを引き寄せた。売買代金も急増しており、市場の注目度の高まりを映した。

■マクドナルド <2702>  4,880円 (+255円、+5.5%)

 日本マクドナルドホールディングス <2702> が続伸し、年初来高値を更新した。9日の取引終了後、17年12月期の連結業績予想について、売上高を2460億円から2485億円(前期比9.6%増)へ、営業利益を150億円から165億円(同2.4倍)へ、純利益を145億円から200億円(同3.7倍)へ上方修正したことが好感された。同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算が、既存店売上高が前年同期比14.3%増となったことなどを牽引役に、売上高1212億2900万円(前年同期比15.6%増)、営業利益94億2700万円(前年同期4700万円)、純利益107億1600万円(同1億5800万円)と大幅増収増益となったことに加えて、税効果会計の影響額を見込んでいることなどが要因としている。

■サンケン <6707>  582円 (+28円、+5.1%)

 サンケン電気 <6707> が反発。同社は9日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益が15.1億円の黒字(前年同期は5.9億円の赤字)に浮上して着地したことが買い材料視された。主力の半導体デバイスが冷蔵庫などの省エネ家電向けや電装化が進む車載向けに販売が好調だったことが寄与。円安による採算改善や為替差損の減少も黒字浮上に貢献した。上期計画の21億円に対する進捗率は72.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■ブロッコリー <2706>  1,106円 (+52円、+4.9%)

 ブロッコリー <2706> [JQ]が3日続伸。9日の取引終了後、KLab <3656> と共同開発しているスマートフォン向けリズムアクションゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」(通称「シャニライ」)について、GooglePlayでの事前登録の受付を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。現在、事前登録を受け付けている公式ツイッターアカウントやLINE公式アカウントでの事前登録数が好調に推移していることから、GooglePlayでも受付を開始するとしている。

■東映 <9605>  1,193円 (+40円、+3.5%)

 東映 <9605> が3日ぶりに反発し年初来高値を更新。9日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を1109億円から1157億円(前期比9.9%減)へ、営業利益を125億円から153億円(同12.4%減)へ、純利益を67億円から76億円(同30.7%減)へ上方修正した。国内外で「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」など各種アプリゲームが好稼働しており、版権収入が増える見通しだ。

■住友不動産 <8830>  3,395円 (+80円、+2.4%)

 住友不動産 <8830> が3日ぶり反発。同社は9日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。営業収益は2709億3000万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は631億8600万円(同18.3%増)、最終利益は428億400万円(同29.0%増)だった。部門別では、東京のオフィスビル中心の不動産賃貸事業が引き続き業績を牽引し、増収増益を達成したのに加えて、分譲マンションの売上計上が高水準となった不動産販売事業と、中古住宅の仲介を中心とした不動産流通事業も好調に推移、ともに2ケタの増益率を達成した。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は営業収益9500億円(前期比2.7%増)、営業利益2000億円(同6.3%増)、最終利益1150億円(同11.1%増)を見込んでいる。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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