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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ルック <日足> 「株探」多機能チャートより

■ルック <8029>  429円 (+80円、+22.9%) ストップ高

 ルック <8029> がストップ高。時価は2013年5月以来4年3ヵ月ぶりとなる400円台に突入し需給相場の様相を呈してきた。婦人服中心にカジュアル衣料を主力としており、オリジナルブランドの「キース」、インポートブランドの「イルビゾンテ」、「マリメッコ」などが好調で収益を牽引している。7日取引終了後に17年12月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を435億円から437億円(前期比2.5%増)へ、営業利益を9億円から14億円(同69.5%増)へ、最終利益を7億円から12億円(同4.7倍)へ増額しており、これを手掛かり材料に物色資金の流入が加速した。株価指標面でもPBRは依然として0.7倍台と会社解散価値の半値水準にあることで上値余地が意識された。

■タイセイ <3359>  852円 (+150円、+21.4%) ストップ高

 タイセイ <3359> [東証M]がストップ高。8日の前引け後、17年9月期の連結業績予想について、売上高を58億4500万円から60億900万円(前期比23.8%増)へ、営業利益を1億7000万円から2億9000万円(同79.0%増)へ、純利益を1億3000万円から2億円(同22.7%増)へ上方修正したことが買い材料視された。今期に入り開始した動画配信などが好評だったことに加えて、テレビをはじめとしたマスメディアに同社が取り上げられる機会が増えたことで知名度が向上し、クリスマス・バレンタインなどの需要期後も好調に推移していることなどが要因としている。また、前期末に連結子会社化したヒラカワとの共同開発商品が順調に売り上げを伸ばし、売上総利益率が計画よりも向上していることなども貢献するという。

■日製鋼 <5631>  2,209円 (+368円、+20.0%)

 東証1部の上昇率2位。日本製鋼所 <5631> が続急騰。7日、同社が18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の65億円→80億円に23.1%上方修正。従来の11.8%減益予想から一転して8.6%増益見通しとなったことが買い材料視された。樹脂製造・加工機械や射出成形機の受注が想定より伸びることが寄与。コスト削減による採算改善効果も利益を押し上げる。併せて、通期の同利益を125億円→140億円に12.0%上方修正し、増益率が3.2%増→15.6%増に拡大する見通しとなった。

■KLab <3656>  2,022円 (+287円、+16.5%)

 東証1部の上昇率3位。KLab <3656> が急反騰。7日、同社が17年12月期の連結経常利益を従来予想の16億円(予想レンジ中値)→33億円(同)に2.1倍上方修正。増益率が92.8%増→4.0倍に拡大し、5期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。既存の主力タイトルに加え、6月にリリースした「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」が好調で、課金収入が想定より伸びることが寄与。

■AppBank <6177>  739円 (+100円、+15.7%) ストップ高

 AppBank <6177> [東証M]がストップ高。7日、人気YouTuberのHikaru氏が自身のチャンネルで、AppBank取締役の村井智建(マックスむらい)氏と対談し、コラボレーション企画を発表したのが好材料視されたようだ。AppBankが新規事業として手掛けている、コミック(電子書籍に関する情報配信サイト「デネシィ」)や麻雀(「麻雀ツモツモ」)の分野でコラボ企画を展開するとしている。また、8月30日付で東証マザーズ市場に、YouTuberなどのマネジメント業務を行うUUUM <3990> [東証M]が新規上場する予定であることから、類似業種であるAppBankへの関心も高まったようだ。

■ニチバン <4218>  1,147円 (+147円、+14.7%)

 東証1部の上昇率4位。ニチバン <4218> が続急騰し年初来高値更新。同社は8日午後2時、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は107億5100万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は12億1200万円(同24.1%増)、最終利益は8億2300万円(同3.1%増)だった。大衆薬分野では、鎮痛消炎剤「ロイヒつぼ膏」や、高機能救急絆創膏「ケアリーヴ」が好調に推移し、医療機関向け医療材料では、極低刺激性サージカルテープ「スキナゲート」や、穿刺部保護・止血製品「セサブリック」などの販売に注力した。一方、産業用テープでは、自動車産業向け塗装マスキングテープ製品の販売が回復している。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高470億円(前期比6.5%増)、営業利益43億円(同6.0%増)、最終利益32億円(同3.0%増)を見込んでいる。

■ジャスト <4686>  1,937円 (+221円、+12.9%)

 東証1部の上昇率5位。ジャストシステム <4686> が続急騰し、年初来高値を更新した。同社は7日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比25.0%増の16億円に伸びて着地したことが買い材料視された。同社はワープロソフト「一太郎」といったソフト開発をはじめ、法人向けデータ分析ソフトや営業支援クラウドサービス、小中学生向け通信教育「スマイルゼミ」などを展開している。4-6月期は高機能で付加価値の高い新商品・サービスの提供に注力し、30.5%の大幅増収を達成した。

■ワールドHD <2429>  3,070円 (+341円、+12.5%)

 東証1部の上昇率6位。ワールドホールディングス <2429> が急騰、株式分割考慮で実質上場来高値を更新し未踏の3000円大台乗せを達成した。企業の求人需要は旺盛で、特にITや自動車メーカーの技術者不足が顕著だ。そのなか同社は自動車業界向けに製造請負や人材派遣を手掛けており、好収益環境を享受している。7日取引終了後に発表した17年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結決算は売上高が568億5300万円(前年同期比36.6%増)と急増、これを受けて営業利益は29億8100万円(同41.2%増)、最終利益は20億6100万円(同71.8%増)といずれも高水準の伸びを示した。1-6月期営業利益の従来予想は22億5500万円でそこから7億円以上も上振れしている。これを好感するかたちで短期資金の流入が加速、株価を青空圏に押し上げた。

■アルコニクス <3036>  2,548円 (+269円、+11.8%)

 東証1部の上昇率7位。アルコニックス <3036> が5連騰。同社は8日午後0時30分、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。売上高は586億100万円(前年同期比22.6%増)、営業利益は16億9700万円(同90.0%増)、最終利益は14億3600万円(同72.8%増)だった。国内外の製造子会社各社の業績が連結経営成績に大きく貢献するとともに、商社流通分野でも銅・アルミ原料、伸銅品、アルミ圧延品、スマートフォン、タブレット端末向け電子材料の取り扱いが前年同期に比べ増加した。また、この第1四半期連結累計期間に、連結子会社化した金属加工を主力事業とする富士プレスの業績も、グループの連結経営成績に寄与した。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高2200億円(前期比8.9%増)、営業利益46億円(同10.4%増)、最終利益34億5000万円(同11.9%増)を見込んでいる。

■ワコム <6727>  444円 (+40円、+9.9%)

 東証1部の上昇率10位。ワコム <6727> が3連騰。同社は7日大引け後(15:00)に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は赤字縮小で着地」が好感された。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は0.4億円の赤字(前年同期は14.8億円の赤字)に赤字幅が縮小した。

■ノーリツ鋼機 <7744>  1,094円 (+96円、+9.6%)

 ノーリツ鋼機 <7744> が続急伸。7日、同社が決算(国際会計基準=IFRS)を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比2.2倍の16.6億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。既存事業の成長に加え、前期に買収したユニケソフトウェアリサーチなどの業績上積みが寄与し、ヘルスケア部門の収益が急拡大した。金融収益が増加したことも増益に大きく貢献した。上期計画の17億円に対する進捗率は98.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■GSユアサ <6674>  562円 (+45円、+8.7%)

 ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> が急伸したほか、戸田工業 <4100> 、関東電化工業 <4047> 、ステラ ケミファ <4109> など、リチウムイオン電池関連銘柄が物色人気となった。世界的に無公害車に対するニーズが急速な高まりをみせるなか、電気自動車(EV)シフト加速に向けた思惑が、株式市場にも強く反映されている。特に動力源であるリチウムイオン電池の需給逼迫が指摘され、関連銘柄の株価水準を切り上げている。また、EVは充電設備の少なさが普及の足かせになるとされているが、これは走行距離の問題とも絡んでおり、フル充電でもガソリン車と比べて走行できる距離の短さが今後の克服すべき課題となっている。そうしたなか、8日付の日本経済新聞が「GSユアサはEVが1回の充電で走れる距離を2倍に伸ばす新型電池の量産を2020年にも始める」と報じており、これが株価を強く刺激する格好となった。

■レーザーテック <6920>  1,696円 (+126円、+8.0%)

 レーザーテック <6920> が3連騰。同社は7日に決算を発表。17年6月期の連結経常利益は前の期比9.0%増の49.8億円で着地。続く18年6月期は前期比0.2%増の50億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期も半導体関連メーカーによる設備投資の拡大を背景に、半導体マスク欠陥検査装置などの販売が伸び、20.9%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、前期の年間配当を26円→28円(前の期は1→2の株式分割前で51円)に増額し、今期も前期比2円増の30円に増配する方針としたことも支援材料となった。

■IJTT <7315>  715円 (+53円、+8.0%)

 IJTテクノロジーホールディングス <7315> [東証2]が4日続伸。同社は7日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比90.4%増の25.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。四半期ベースの過去最高益を2四半期ぶりに更新した。国内やアセアンでトラック用部品が伸びたうえ、排ガス規制に伴う油圧ショベル向けの駆け込み需要獲得も寄与し、16.4%の大幅増収を達成した。上期計画の32億円に対する進捗率は79.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■アキレス <5142>  2,141円 (+113円、+5.6%)

 アキレス <5142> が続伸。8日午後2時ごろに自社株買いと消却を発表しており、これを好感した買いが入った。自社株買いは上限を100万株(発行済み株数の5.74%)、または25億円としており、取得期間は8月9日から来年8月8日まで。一方、消却は今年8月23日付で90万株(消却前発行済み株数の4.90%)を実施する予定で、消却後の発行済み株数は1746万2714株となる予定だ。同時に第1四半期(4-6月)連結決算を発表しており、売上高206億700万円(前年同期比5.0%増)、営業利益4億5900万円(同33.2%増)、純利益8億3200万円(同2.7倍)だった。車載用などに産業資材事業やプラスチック事業が好調に推移したことが業績を牽引した。なお、18年3月期通期業績予想は、売上高880億円(前期比1.2%増)、営業利益22億円(同13.2%減)、純利益22億円(同11.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■高砂熱 <1969>  1,994円 (+103円、+5.5%)

 高砂熱学工業 <1969> が4日続伸。同社は7日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比61.3%増の29.2億円に拡大して着地したことが買い材料視された。首都圏を中心とした大型再開発工事が想定以上に進み、11.6%の大幅増収を達成したことが寄与。業績好調に伴い、上期の同利益を従来予想の19億円→43億円に2.3倍上方修正。従来の50.8%減益予想から一転して11.3%増益見通しとなった。

■東洋建設 <1890>  528円 (+25円、+5.0%)

 東洋建設 <1890> が4日続伸で連日の年初来高値更新。株価は値押さえを利かせながらも7月下旬から上値追い態勢を明示、7月18日から8月7日までの15営業日で安かった日はわずか1日のみという強さをみせた。ここ建設株に物色の矛先が向いていたが、これは足もとの業績が好調に推移していることに加え、内閣改造を行った安倍政権が返す刀で財政出動に動くとの思惑が浮上しているため。建設株人気は秋の補正予算をにらんだ動きともいえる。そうしたなか同社が7日取引終了後に発表した18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高が382億2800万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は12億9500万円(同16.3%増)といずれも2ケタ伸長をみせた。これが買い安心感を誘い投機筋の買いを助長した。

■ユニプレス <5949>  2,690円 (+101円、+3.9%)

 自動車用プレス部品最大手ユニプレス <5949> が続伸し、年初来高値を更新した。同社は7日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比3.7倍の69.3億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。主要顧客である日産自動車の増産効果で国内やアジアでの売上が拡大したことが寄与。合理化効果に加え、為替差損益が改善したことも大幅増益に貢献した。上期計画の97億円に対する進捗率は71.5%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■井関農機 <6310>  2,407円 (+89円、+3.8%)

 井関農機 <6310> が3日続伸。7日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、営業利益が従来予想の19億円から28億4000万円(前年同期比62.2%増)へ、純利益が13億円から21億9500万円(同4.0倍)へ上振れたようだと発表しており、これを好感した買いが入った。売上高は海外向け出荷の一部が下期にズレ込んだことなどで812億円から801億7500万円(前年同期比1.1%減)へ下振れたが、国内直系販売会社の収支構造改善効果や、インドネシア事業の改善、さらに一部経費の発生時期ズレもあり、営業利益は予想を上回ったとしている。また、中国関連会社にかかる持ち分法投資損益や為替差損益の好転も純利益の上方修正に貢献したという。

■山一電機 <6941>  2,114円 (+77円、+3.8%)

 山一電機 <6941> が上伸。同社は7日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.1倍の14.6億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。高機能スマートフォンやデータセンター関連など旺盛な半導体需要を背景に、半導体検査用バーンインソケットやテストソケットの販売が大きく伸びたことが寄与。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の29.5億円→34.5億円に16.9%上方修正。増益率が15.2%増→34.7%増に拡大する見通しとなった。

■東芝 <6502>  281円 (+10円、+3.7%)

 東芝 <6502> [東証2]が続伸。7日に提出された大量保有報告書で米国のキング・ストリート・キャピタル・マネージメントが同社の株式の5.81%を所有し大株主に浮上したことも思惑買いを呼び込んだ。ただ、17年3月期の有価証券報告書の提出期限である10日が迫っていることから警戒感も出ていた。朝日新聞は7日、同報告書に絡み「監査を担当するPwCあらた監査法人が『不適正』か『限定付き適正』のいずれかになる見通しを東芝に伝えた」と報じた。不適正となった場合、東芝の上場維持にマイナスの影響が出てくるともみられている。

■三浦工 <6005>  2,384円 (+71円、+3.1%)

 三浦工業 <6005> が出来高増勢のなか6連騰で一時2400円台まで買われ、連日の年初来高値更新となった。同社は陸用小型ボイラーの大手で国内過半のシェアを占める。メンテナンスで実績が高く、業績は12年3月期以降、増収増益基調を続ける高成長企業だ。環境問題に取り組む中国で排ガス規制対応のボイラーが伸長、バラスト水対応で船舶向けも好調で収益環境には強い追い風が吹いている。そのなか、同社が7日取引終了後に発表した18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高にあたる売上収益が208億200万円(前年同期比5.4%増)、営業利益は21億3900万円(同32.0%増)、最終利益は15億1800万円(同62.3%増)と高変化を示しており、これが物色人気増幅につながった。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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