【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 平成が終わる! 時代は変わる!
株式評論家 杉村富生
「平成が終わる! 時代は変わる!」
●「首相1年の使い捨て」に戻るのか?
波乱の平成が終わろうとしている。いや、確実に終わる。つれて、時代は変わる。仕組み、産業構造は激変するだろう。安倍政権の支持率低下には不祥事続出に加え、これを先取りする“流れ”(国民の意識の変化)があるように思われる。
昔、「歌手1年、首相2年の使い捨て」とコメントした政治家がいたが、平成はまさにそうだった。なにしろ、平成に入って竹下登~安倍晋三と、実に18人の首相(安倍さんは2回)が誕生している。あなたはこの18人を言えるか? まあ、無理だろう。
このうち、小泉純一郎さんが5年半、安倍さんが4年半、首相をやっている。これを差し引くと、18年間に16人だ。2年どころか、実際の首相の任期は1年ちょっとじゃないか。
これでは…。そう、決められない政治、弱い首相の存在が「失われた25年」の元凶だったのだろう。そこに登場(2012年12月)したのが強い安倍首相だ。日本再生、デフレ脱却を目指すアベノミクス(経済政策)の断行である。
●いずれEVC(電気自動車)が主流に!
マーケット関係者の一員としてはこの灯を消してはならない、と考えている。「安倍首相ガンバレ」とエールを贈りたい。だが、状況は厳しい。さらに、リーマン・ショックに対応した世界的な異次元の金融緩和措置は間違いなく終焉、出口に向かっている。
リーマン・ショック以降、日米欧に中国を加えた4中央銀行はベースマネーを10兆ドル供給した。貸し出しなどによって、マネーサプライは40兆ドル増えた。この効果を否定するつもりはない。十分すぎるほどあったと判断する。
FRBは総資産を7000億ドル→4.5兆ドルと激増させた。しかし、9月にはテーパリング(総資産の圧縮)に踏み切る見通しだ。ECB、イングランド銀行、カナダ中銀、スウェーデン中銀は金融政策を引き締めに転換する。“流れ”は変わる。日銀も例外ではないだろう。
一方、生産現場ではIoT、AI、ロボットの導入により産業革命に匹敵するような変革をみせる。クラウド、ブロックチェーン、5Gも不可欠だ。自動車はEV(電気自動車)が主流になる。
生き残るには変化に対応するしかない。とりあえず、EVのテスラモーターズ、BYD(香港上場)、リチウムイオン電池のダブル・スコープ <6619> 、田中化学研究所 <4080> [JQ]、テスラファミリーの第一化成 <4235> [JQ]を買っておこうか。
2017年8月3日 記
株探ニュース