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【注目】前週末4日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

長瀬産 <日足> 「株探」多機能チャートより

■長瀬産 <8012>  1,903円 (+127円、+7.2%)

 化学専門商社の長瀬産業 <8012> が続急伸し、上場来高値を更新した。3日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比63.2%増の63.7億円に拡大して着地したことが買い材料視された。国内外で合成樹脂の販売が増加したほか、カーエレクトロニクス関連商材なども伸び、7.9%の増収を達成したことが寄与。退職給付費用の減少や持分法投資損益の改善なども増益に貢献した。

■レオパレス <8848>  824円 (+51円、+6.6%)

 レオパレス21 <8848> が続急伸、年初来高値を更新。同社は4日午後2時、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。売上高は1284億5000万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は69億5700万円(同23.2%増)、最終利益は55億5900万円(同25.5%増)だった。賃貸事業では、入居する部屋を自分好みにアレンジできる「my DIY」、大幅に機能を拡充したインターネットサービス「LEONET」、大手警備保障会社と提携したセキュリティーサービスなど豊富な付加価値を提供するとともに、法人の寮社宅需要の取り込み、外国人入居者サポート体制の充実などにより、安定した入居率の確保を図っている。開発事業では、人口流入が続き、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏に絞った受注活動、高品質かつ最先端の戦略商品投入、競争力強化と入居者イメージの一新を図る新ブランドの展開、理想の土地活用を実現する建築バリエーションの拡大、商品価格や仕入れルートの見直しなどによる採算性の向上に取り組んでいる。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高5400億円(前期比3.7%増)、営業利益235億円(同2.6%増)、最終利益142億円(同30.4%減)を見込んでいる。

■武蔵精密 <7220>  3,430円 (+210円、+6.5%)

 ホンダ系自動車部品メーカーの武蔵精密工業 <7220> が続急伸。3日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比6.6倍の39億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。中国やインド、タイを中心としたアジアでの受注増加に加え、昨年6月に買収した独ハイグループの業績上積みが収益を押し上げた。アジアでの生産性向上によるコスト削減のほか、円安による為替差損の解消も利益拡大に貢献した。上期計画の57億円に対する進捗率は68.5%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■有沢製 <5208>  1,003円 (+60円、+6.4%)

 有沢製作所 <5208> が急反発。同社は3日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比4.2倍の8.1億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。スマートフォン用を中心にプリント基板向け材料の販売が伸びたことが寄与。産業用構造材料部門の採算改善に加え、円安による為替差損の減少も大幅増益に貢献した。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の31.5億円→35.5億円に12.7%上方修正。増益率が17.1%増→32.0%増に拡大する見通しとなった。予想PERが14.7倍→12.7倍に低下し、割安感が強まったことも支援材料となった。

■テレ東HD <9413>  2,452円 (+132円、+5.7%)

 テレビ東京ホールディングス <9413> が大幅4日続伸。3日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を1462億円から1467億円(前期比2.8%増)へ、営業利益を55億5000万円から60億円(同6.2%減)へ、純利益を34億7000万円から38億円(同11.3%減)へ上方修正したことが好感された。海外でのNARUTOの配信などが寄与し、テレビ東京のアニメ事業が予想を上回る見込みとなったことが寄与。また、費用抑制に注力したことも奏功するとしている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高356億5900万円(前年同期比2.5%増)、営業利益21億100万円(同25.8%減)、最終利益14億2500万円(同27.9%減)だった。

■保土谷 <4112>  6,980円 (+370円、+5.6%)

 保土谷化学工業 <4112> が4連騰。今週1日、2日に連続ストップ高で一気に水準を切り上げたが、その後も利益確定売りを吸収して上値指向を継続、短期値幅取り狙いの資金だけでなく機関投資家とみられる大口の実需買いを指摘する声もある。同社は有機EL材料として正孔輸送材のほか、韓国子会社を通じて発光材料を製造しており、有機ELパネルで一頭地を抜く存在の韓国サムスン電子と合弁展開するなど、その成長性が期待されている。18年3月期営業利益は13億円を計画するが、第1四半期時点でこれを超過したことが、マーケットの耳目を集めた。

■日本触媒 <4114>  7,720円 (+370円、+5.0%)

 日本触媒 <4114> が続伸。同社は3日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は802億9400万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は75億5000万円(同34.6%増)、最終利益は63億9100万円(同34.6%増)だった。基礎化学品事業では、アクリル酸およびアクリル酸エステルは、原料価格上昇や東南アジア市況上昇に伴い販売価格が上昇したことや販売数量を増加させたことなどにより、増収となった。酸化エチレンは、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことにより増収となり、エチレングリコールも、輸出向けで販売数量が減少したものの、海外市況が上昇したことなどにより増収を確保した。機能性化学品事業では、高吸水性樹脂は、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことや、販売数量を増加させたことにより増収となった。一方、環境・触媒事業では、自動車触媒は販売数量が増加したことや、貴金属価格の上昇により増収を確保した。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高3100億円(前期比5.5%増)、営業利益230億円(同8.7%増)、最終利益195億円(同0.7%増)を見込んでいる。

■クボタ <6326>  2,050円 (+84円、+4.3%)

 クボタ <6326> が4日続伸し、15年12月以来、約1年8ヵ月ぶりに2000円台を回復。3日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1-6月)連結決算が、売上高8459億9600万円(前年同期比6.3%増)、営業利益1005億9900万円(同4.7%減)、純利益704億4400万円(同13.0%増)となったが、4-6月期では営業利益は27%増益となっており、足もとの業績回復基調を好感した買いが入ったようだ。前期の円高の影響が輸送や在庫期間を経て今期中に実現したことで、営業減益を余儀なくされたが、前期に実施した米の農用作業機器メーカーの買収の効果が本格化していることに加えて、乾季作における取水制限の解除などでタイのトラクターが大幅に増加したほか、中国で田植え機建設機械、エンジンなどが伸長したことで海外機械部門の採算が改善しており、これが寄与した。なお、17年12月期通期業績予想は、売上高1兆6800億円(前期比5.3%増)、営業利益1980億円(同4.9%増)、純利益1380億円(同4.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■千葉銀行 <8331>  838円 (+33円、+4.1%)

 千葉銀行 <8331> が続伸。3日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の1.25%にあたる1000万株(金額で70億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は8月4日から31日まで。

■テルモ <4543>  4,325円 (+155円、+3.7%)

 テルモ <4543> が反発。同社は3日に決算を発表。18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比50.3%増の227億円に拡大して着地したことが買い材料視された。海外でカテーテルなど心臓血管部門の販売が好調だったほか、止血デバイス事業の買収効果も収益を押し上げた。円安効果で為替差損54.8億円がなくなり、為替差益2億円を計上したことも増益に大きく貢献した。上期計画の375億円に対する進捗率は60.6%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■三越伊勢丹 <3099>  1,118円 (+39円、+3.6%)

 三越伊勢丹ホールディングス <3099> が反発。4日午後1時に発表した第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比13%増の68億3800万円と市場予想(48億円前後)を大幅に上回った。主力の百貨店事業の営業利益が4割近い増益となったことなどが寄与している。

■ユニゾHD <3258>  2,631円 (+63円、+2.5%)

 ユニゾホールディングス <3258> が続伸。同社は3日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。売上高は120億5000万円(前年同期比39.4%増)、営業利益は44億6800万円(同62.8%増)、最終利益は21億700万円(同46.1%増)だった。不動産事業の国内では、退去の防止に努めつつ、賃料の改定および新規入居獲得にも注力した。米国では、退去の防止に努めつつ、新規入居獲得にも注力した。さらに国内外の前年度取得物件が通期寄与し、効率化にも努めた。ホテル事業では、既存ホテルで稼働率および客室単価ともに弱含んだものの、前年度開業したホテルが通期寄与し、効率化にも努めた。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高516億円(前期比30.3%増)、営業利益166億円(同20.2%増)、最終利益72億円(同8.7%増)を見込んでいる。

■アサヒ <2502>  4,632円 (+84円、+1.9%)

 アサヒグループホールディングス <2502> が反発し年初来高値を更新。3日の取引終了後、17年12月期の連結業績予想について、売上高を1兆8200億円から2兆300億円(前期比18.9%増)へ、営業利益を1460億円から1673億円(同22.2%増)へ、純利益を960億円から1100億円(同23.3%増)へ上方修正したことが好感された。国内の飲料や食品事業が伸長したことに加えて、国際事業において中東欧ビール事業の業績が9ヵ月分上乗せされたことが要因。加えて、製造原価の低減や固定費全般の効率化などを図ったことも寄与したという。また、業績予想の修正に伴い、従来30円を予定していた期末配当を9円増額し39円にするとあわせて発表したことも好材料視されたようだ。年間配当は69円(従来予想60円)となり、前期実績に対しては15円の増配になる見通しだ。なお、同時に発表した第2四半期累計(1-6月)の連結決算は売上高9373億7500万円(前年同期比20.4%増)、営業利益707億3500万円(同34.0%増)、最終利益433億300万円(同40.8%増)だった。

■ニコン <7731>  1,906円 (+33円、+1.8%)

 ニコン <7731> が反発。同社は3日取引終了後、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結業績予想の修正を発表。売上高にあたる売上収益を3280億円から3310億円へ、営業利益を110億円から170億円へ、最終利益を60億円から130億円へそれぞれ増額した。半導体向け露光装置の収益改善が進むほか、デジタルカメラや交換レンズの販売台数の増加が全体業績に寄与する見通しで、会社側の当初想定を上回る。これを好感した買いが優勢となった。なお、同日発表した第1四半期の連結決算は売上収益1703億2400万円(前年同期比0.6%増)、営業利益124億1900万円(同31.1%減)、最終利益88億9100万円(同39.5%減)だった。

■三菱商事 <8058>  2,564.5円 (+29円、+1.1%)

 三菱商事 <8058> が6連騰。同社が2日に発表した第1四半期決算は、連結純利益が前年同期比17%増の1178億1200万円だった。市場予想(1140億円前後)を上回った。金属およびエネルギー事業に加え機械事業など非資源部門も好調だったようだ。18年3月通期の純利益は4500億円が見込まれているが、市場には5000億円前後への増額修正期待がある。

※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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