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【特集】サンワテクノス Research Memo(1):中期経営計画は順調に進捗中。エンジニアリング事業での新たな商流に注目

サンワテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

サンワテクノス<8137>は独立系技術商社。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点が特徴的だ。また、同社は顧客企業(メーカー)の生産ライン構築のための機器の納入や部材の販売と、その生産ラインで製造された製品を引き取って他社に販売する「双方向取引」にも特徴があり、これら2つの特徴を生かして業容を拡大してきた。

1. 2017年3月期は期初予想を上回る好調な決算
2017年3月期決算は、売上高116,611百万円(前期比10.3%増)、営業利益3,014百万円(同23.3%増)と増収増益、かつ期初予想を上回って着地した。その背景には中国におけるスマートフォン向け需要の回復や、旺盛な半導体・ディスプレイの設備投資需要がある。インドなど他の新興国市場における需要も旺盛で、日本のFA関連メーカーが軒並みその恩恵を享受するなかで、有力販売代理店たる同社も同様に恩恵を受けた形だ。

2. エンジニアリング事業は順調に拡大。エンドユーザーとの直接取引の拡大に期待
同社にとっての成長戦略は中期経営計画の着実な達成だ。現行中期経営計画『Challenge1500』ではエンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業が中心的事業戦略となっている。両者ともに順調に進捗しているが、エンジニアリング事業においてはエンドユーザーとの直接取引という新たな商流の事例が見られた。業種や顧客の規模にもよるが、最初の案件で成功を収めれば、当該顧客の他の生産ラインや工場においても、同様の機材の納入につながるいわゆるリピートオーダーへの期待が高まる。

3. ファンダメンタルズ的には好調持続が見込まれ、増収増益を予想
2018年3月期通期について同社は、売上高126,000百万円(前期比8.1%増)、営業利益3,200百万円(同6.2%増)と増収増益を予想している。前期下半期から続く勢いには、これまでのところ陰りは見られず、今上半期については自信度が高まっているようだ。一方下半期については、為替レートや地政学的リスクなどの不透明要因があるとして慎重なスタンスを取り、現在の収益予想となっている。ファンダメンタルズが好調なだけに不測の事態が起きなければ2018年3月期業績予想に対して上振れとなる可能性もある。

■Key Points
・2017年3月期は電機・電子・機械の3部門が同程度に増収。地域別では主市場の日本が増収増益を達成
・エンジニアリング事業は順調に拡大。エンドユーザーとの直接取引という新商流に期待が膨らむ
・2018年3月期は中計当初計画に沿った水準で増収増益を予想。不測の事態がなければ上振れの可能性も

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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