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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「ここで取るべきは売り上がりスタンス」

株式評論家 富田隆弥

騰落レシオ(25日平均)が24日に164%と、警戒サインとされる125%を大きく更新、昨年12月15日の165%に肩を並べてきた。そんな過熱信号をよそに日本株は堅調が続く。その背景にはNYダウ平均ナスダックなど米国株の堅調がある。24日時点でNYダウは5日続伸、ロシアゲート懸念で急落した17日の373ドル安をすべて取り戻し、S&P、ナスダックは最高値を更新する。トランプリスク、米国利上げ、欧州懸念などを織り込み、「楽観シナリオ」が目立ってきた。

◆日本では日経平均株価が25日にザラバで1万9850円まで戻し、18日の急落時に空けた窓(1万9764円)を完全に埋めた。ジャスダックが最高値を更新するなど、強い地合いが世界全般に広がっている。日経平均の2万円大台乗せに期待が膨らみ、市場関係者の強気観測に加え、これまで慎重だった個人投資家も買いに転じてきた。

◆だが、騰落レシオなどテクニカルの過熱は遠からずピークアウトから調整入りを示唆する。また、5月調整後のリバウンドは強気相場の余韻によるもので想定された動きであり、夏相場を前にそこで戻り高値形成となることが珍しくない。

◆市場関係者はボーナスシーズンを前にマネー獲得作戦に尽力するところで強気観測に傾きやすい。だが、買い越しの目立っていた外国人投資家は5月第3週(5月15日-19日)に1080億円の売り越しだ(現物と先物合算、前週は1兆3182億円の買い越し)。この高値圏では利食いに動く投資家も出てくるということだ。

◆同時株高で世界中に溢れるマネーが株式市場に流れ込んでいるが、買いに偏る相場がどこまでも続くとは思えない。相場は「流れに従う」のがセオリーで、日本株は米国市場(&為替)がカギを握るが、夏を前にここで取るべきスタンスは「利食い」「売り上がり」だろう。買いに関しては「出遅れもの、安値圏のもの」にシフトすべきと考える。

(5月25日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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