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【経済】【中国】中国産「ボルボ車」を欧州に鉄道輸送、ベルギーまで18日間


中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」を利用し、中国産「高級車」が欧州へと輸出される。浙江吉利控股集団の100%傘下にあるスウェーデン自動車メーカー、ボルボ・カーズは、黒竜江省・大慶工場で生産した高級セダン「S90」をベルギーに向けて鉄道輸送するプロジェクトを始動させた。13日、「中欧班列」ロゴが記された標準コンテナに「S90」を積み込む作業がスタートしている。同コンテナを積んだ専用列車は今後、黒竜江省とベルギー間を定期直通運行される運びだ。中国新聞網が15日付で伝えている。

輸送日数は18日。これまでの海上輸送方式と比べて25日短縮された。中国産「S90」はボルボのベルギー・ヘント工場で一旦保管された後、西欧市場向けに販売される。

ボルボの大慶工場とヘント工場は、奇しくも中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」の東西両端に位置する。中国が描く同戦略を追い風に、ボルボは西欧市場で攻勢を強める構えだ。

大慶工場は、ボルボの新プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を採用した組立工場。ボルボの「世界標準工場」と位置付けられる。今年4月には、同工場で生産された「S90」の米国輸出が始まった。

民間自動車メーカーの吉利控股は2010年8月、米フォード傘下のボルボ・カーズを18億米ドル(約2050億円)で買い取った。吉利控股傘下の吉利汽車HD(175/HK)は中堅の民間自動車メーカー。中小型車に強みを持つ。「吉利」「帝豪」「遠景」「自由艦」「金剛」「熊猫」などの自主ブランドを生産・販売。近年は特に、SUVの「吉利博越」などが人気を集めている。寧波、済南、成都など中国に9カ所の生産拠点を置き、年産能力は107万台に上る(16年末)。

【亜州IR】

《HT》

 提供:フィスコ

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