【特集】吹き始めた追い風、“上昇気流”待つ「22銘柄」リストアップ <株探トップ特集>
![](/images/newsimg/n201705020282-01.jpg)
―最新「大幅増益&割安」銘柄で上げ潮相場に乗る―
大型連休谷間の1日の東京株式市場は、メーデーによる海外株式市場の休場などもあり、市場参加者が限定されるなかでも堅調な推移となった。外国為替市場で、1ドル=111円台後半まで円安・ドル高が進行したのを追い風に、円安で採算改善が見込める輸出関連の好業績銘柄を中心に買い優勢となり、日経平均株価の終値は、前週末比113円78銭高の1万9310円52銭となった。今回は、本格化している3月期決算の好業績見通し銘柄のなかから、大幅増益予想の割安銘柄に注目した。
●ミライトHDは事業領域の拡大目指し積極的中期経営計画を発表
ミライト・ホールディングス <1417> の連結経常利益は、17年3月期に105億9000万円(前の期比57.2%増)と大幅増益を達成したのに続いて、18年3月期も130億円(前期比22.8%増)と2期連続の大幅増益を見込む。今期は、モバイル関連で、LTE-Advanced方式関連工事の本格化に加え、700メガヘルツテレビ受信障害対策工事や、屋根型ミドルソーラー工事の拡大を予想している。さらに、2021年3月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画を策定し、「総合エンジニアリング&サービス会社」として積極的な事業領域の拡大と経営基盤の強化を図るとしている。最終年度の業績面の数値目標は、売上高3400億円、営業利益170億円、ROE(自己資本利益率)8%以上を目標としている。
●新日本無線は車載・産業機器の半導体需要拡大で今期経常利益はV字回復
新日本無線 <6911> が4月28日に発表した18年3月期の連結業績は、売上高520億円(前期比6.4%増)、経常利益26億円(同39.9%増)とV字回復を予想している。今期は、事業ターゲットを絞り込み、電装化と自動運転など技術の進歩により今後市場の成長が見込まれる「車載・産業機器市場」、波はありつつも、引き続き電子部品の量的拡大が見込まれる「コミュニケーション・デバイス市場」、IoTの進展により拡大が期待される「衛星通信市場」に対し戦略的に人的・物的リソースを投下して、主力商品の半導体の需要拡大を目指す。
●遠藤照明は非住宅分野のLED照明器具需要に対応し連続大幅増益を目指す
遠藤照明 <6932> の連結経常利益は、17年3月期に8億4600万円(前の期比60.6%増)と大幅増益を達成したのに続いて、18年3月期も24億円(前期比2.8倍)と2期連続の急拡大を見込む。今期は、独自性のあるLED照明器具の開発を積極的に推進し、従来の商業施設向けの照明器具販売中心の事業運営からの脱皮を図り、非住宅分野全般の照明器具需要に対応できる事業体制構築を引き続き強力に推進していく。海外では、LED照明器具が導入期から本格的な普及期へ移りつつあることも追い風となる。
●ユニゾHDは今期ビジネスホテル6件の新規開店で攻勢
東京地盤にオフィスビル賃貸を主力とするユニゾホールディングス <3258> が4月28日に発表した18年3月期の連結業績は、売上高516億円(前期比32.6%増)、経常利益110億円(同12%増)を見込む。国内は、東京都心での投資を引き続き推進、海外は、ニューヨーク、ワシントンD.C.を基点に米国展開をさらに積極化し、顧客の多様なニーズに応える高品質な空間を提供していく。また、国内外ともに、テナント営業、空室リーシング、経費削減による利益極大化を図り、継続的な収益成長を目指す。なお、17年度は、「ユニゾイン京都河原町四条」「ユニゾイン神田駅西」「ユニゾイン金沢百万石通り」「ホテルユニゾ大阪心斎橋」「ユニゾイン神戸三宮」「ユニゾイン新大阪」とビジネスホテル6件の新規開店を予定している。
●航空電子は自動車の電装化進展を追い風に53%経常増益を見込む
日本航空電子工業 <6807> が4月26日に発表した18年3月期の連結業績予想は、売上高2300億円(前期比9.8%増)、経常利益140億円(同52.9%増)と大幅増益を予想している。自動車市場での電装化の一層の進展や、携帯機器市場でのスマートフォンの機能進化による需要増、さらに産業機器市場の回復が見込まれることから、主力のコネクタを中心に電子部品売上高の伸長が見込まれている。なお、今期の想定為替レートは1ドル=108円としている。
●セブン工は木構造建材の需要拡大で成長軌道に
セブン工業 <7896> [東証2]が4月28日に発表した18年3月期の単独決算は、売上高140億円(前期比3.6%増)、経常利益3億7000万円(同13.5%増)を見込んでいる。内装建材では、かつて施工性の課題で断念したマンション向けのカウンターについて、改めて品質改善を図ることでこの市場に向けた再チャレンジを行うとともに、集合住宅向けの内装建材の販売拡大に努める。木構造建材では、プレカット、ツーバイフォーパネル、建て方、非住宅分野、国産材活用まで幅広く対応する総合プレカット階段の量産化、階段周辺部材の充実化など階段事業の拡充を加速化するとしている。
◆主な18年3月期経常利益大幅増益予想の割安銘柄◆
銘柄 <コード> 増益率 株価 PER
ミライトHD <1417> 22.8 1196 11.8
ユニゾHD <3258> 12.0 3060 10.1
日本調剤 <3341> 22.9 4165 11.8
理ビタ <4526> 12.5 4220 13.1
ID <4709> 28.0 1232 13.7
寺岡製 <4987> 28.2 388 15.4
大阪製鉄 <5449> 26.5 2099 15.7
愛知鋼 <5482> 38.4 4180 12.9
鉱研工業 <6297> 3.1倍 633 12.5
加地テック <6391> 22.2 277 15.3
富士通コン <6719> 26.9 385 9.4
SMK <6798> 2.0倍 382 13.3
航空電子 <6807> 52.9 1545 14.0
リオン <6823> 22.6 1590 11.5
新日無 <6911> 39.9 571 8.9
遠藤照明 <6932> 2.8倍 955 10.1
愛三工 <7283> 18.8 980 11.0
ニホンフラ <7820> 19.6 1469 8.0
セブン工業 <7896> [東証2] 13.5 154 7.6
東エレク <8035> 37.1 1万4695 14.8
川崎近海 <9179> [東証2] 18.1 301 8.8
ビジ太田昭 <9658> 33.2 1041 9.7
※株価は1日終値(単位:%、円、倍)
株探ニュース