【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):野村、アイシン、沢井製薬
野村 <日足> 「株探」多機能チャートより
野村ホールディングス<8604>が続伸。全体株価指数が戻り足を強めるなか、相場環境の改善が手数料収入や投信など運用成績の向上につながるものとして物色資金を呼び込んだ。同社株については、東海東京調査センターが20日付で「ニュートラル」から「アウトパフォーム」にレーティングを引き上げており、目標株価も550円から850円に大きく上方修正した。これが、株価を刺激する格好となった。目標株価はPBR1.0倍を適用した。増配や自己株式取得など株主還元にも注目したいとしている。
■アイシン精機 <7259> 5,090円 +105 円 (+2.1%) 本日終値
アイシン精機<7259>は続伸。この日、寝具事業を手掛けるエアウィーヴ(東京都中央区)と、両社の持つ寝具ブランド「アスリープ」「エアウィーヴ」の販売提携で合意したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。アスリープとエアウィーヴは、それぞれ寝具におけるノンコイル(寝具の内蔵素材にコイルを使っていない)分野に商品を投入し、マーケティング活動を行っているが、新素材寝具によりノンコイル市場を急成長させるため、お互いの販路での販売協力や商品の共同開発に着手することにしたという。両社は当面、店頭での販売協力や共同キャンペーンなどを行うが、7月をメドに両社独自のノンコイル素材「ファインレボ」「エアファイバー」を組み合わせた新たな寝具を提案するとしている。
■沢井製薬 <4555> 5,940円 +120 円 (+2.1%) 本日終値
沢井製薬<4555>が続伸。20日取引終了後、米国のジェネリック(後発薬)企業である「アップシャー・スミス・ラボラトリーズ」社を買収すると発表した。買収金額は10億5000万ドル(約1155億円)で6月末までの完了を予定している。アップシャー・スミス・ラボラトリーズ社は、1919年の創業で経口固形製剤を中心に約30品目の製品ポートフォリオおよび30品目を超えるパイプライン製品を有している。この買収に対して、野村証券では「買収価格はリーゾナブル」と前向きに評価しており、パイプラインもメドは立っている可能性が高い、とみている。リスク要因としては米国の後発薬品マーケットの競争激化を挙げている。
■インフォコム <4348> 1,734円 +34 円 (+2.0%) 本日終値
インフォコム<4348>が5日続伸。20日の取引終了後、グループ会社アムタスが運営する電子書籍配信サービス「めちゃコミック」サイトで、人工知能(AI)を活用した結果、業務効率化と売り上げ増加に効果が発現したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入ったようだ。「めちゃコミック」では、これまではスタッフがそれぞれの作品に手作業でタグ付けを行っていたが、AIを活用し作品に関するさまざまな情報に機械学習を適用することで、その内容からテーマやキーワードを検出できるエンジンを構築。この結果、作品に関する情報に「時代物」「バトル」といったような具体的な記述がない場合でも、その作品の内容に適した言葉を検出することができるようになったという。このツールを利用することで、スタッフのタグ付けの作業時間を大きく削減でき、これまでは実施できていなかった多くの作品へのタグ付けも可能となり業務の効率化につながったという。また、タグ付けした作品は検索が容易となったため、タグ付けをしていない時と比べて売り上げの増加も確認できたとしている。
■ミツウロコG <8131> 674円 +12 円 (+1.8%) 本日終値
ミツウロコグループホールディングス<8131>が4日ぶりに反発。この日午前中、長期保有の株主に対する優待制度を新設すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。17年3月末時点の株主から、3年以上保有した株主に対して、保有株数が1000株以上でナチュラルミネラルウォーター500ミリリットル24本、2000株以上で同48本を贈呈するという。
■三菱UFJ <8306> 678.4円 +11.8 円 (+1.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクは買い優勢の展開。前日に揃って底入れの動きをみせたが、きょうも戻り足を継続、下降トレンドからの転換を示唆している。前日の米政府高官の発言を受けトランプ政権の経済政策への期待が再燃、朝鮮半島や中東地域などの地政学リスクに対する不安心理も足もとやや後退しており、米長期金利は再び上昇基調にある。これを受けて前日の米国株市場では、ゴールドマン・サックスやシティグループ、JPモルガンなどの大手金融株が買われており、これがメガバンクの買い戻しを後押ししている。
■新日鐵住金 <5401> 2,480.5円 +32 円 (+1.3%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株が強い動きをみせた。中国の鉄鋼メーカーによる過剰供給で鋼材価格が下落し、「鉄冷え」を余儀なくされてきた鉄鋼業界に風向きの変化が意識されている。日本鉄鋼連盟が20日に発表した2016年度の粗鋼生産量は1億516万トンと前年度比0.9%増と拡大、3年ぶりに前年度実績を上回った。こうした環境の変化を受けて、新日鉄住金やJFEなどが一部の品種を除きフル生産体制を続けていることを21日付の日本経済新聞などが報じており、これが株価の底入れを促す動きとなっている。
■エイベGHD <7860> 1,600円 +20 円 (+1.3%) 本日終値
20日、エイベックス・グループ・ホールディングス <7860> が秋元康氏が新たにプロデュースする劇団の運営・マネジメントを担う子会社、エイベックス・AY・ファクトリーをY&N Brothersと共同出資で設立したと発表したことが買い材料視された。同子会社は劇団の舞台興行のほか、劇団員の中からテレビや映画、CM、歌などあらゆるフィールドの第一線で活躍するスターの輩出を目指し、事業を展開する。発表を受け、秋元康氏のマネジメント会社設立による業績への寄与に期待する買いが向かった。
■任天堂 <7974> 27,005円 +190 円 (+0.7%) 本日終値
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は20日、任天堂<7974>の次世代ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に対して、想定以上の普及ペースの速さで今後「好循環サイクル」に入る可能性を指摘した。3月3日に発売されたニンテンドースイッチの普及台数は、発売1週間で推定150万台を達成した模様。同証券では、「メディアによる18年3月期に向けての大幅な増産報道」「ソフトメーカーによる同機向けソフト開発強化」「今夏発売予定のスプラトゥーン2などキラータイトル登場による普及加速期待」などを背景に、好循環サイクル入りを予想している。一方、ソニー<6758>のVR(仮想現実)機器「プレイステーションVR」に対しては出だしの普及ペースの遅さに加えて「不透明な増産計画」「ソフトメーカーが同機向けゲームソフト開発を縮小させる傾向であること」「キラータイトル不足期間の長期化」などで悪循環サイクルに陥る懸念を払拭できない、としている。
株探ニュース