【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 高値保ち合いを離脱できるか、否か? 相場は正念場!
株式評論家 杉村富生
「高値保ち合いを離脱できるか、否か? 相場は正念場!」
●PER18倍では上値メドは2万1700円!
“絶好調”のNY市場に対し、日本市場が高値保ち合いに終始してきた背景にはトランプ大統領の通商政策、円安牽制発言などのほか、積極的な買い手不在の状況があったと思う。しかし、トランプ大統領の議会演説をクリア、為替は円安(1ドル=114円台)に振れてきた。企業業績は絶好調だ。今後は良好なファンダメンタルズを評価する展開が期待できる。
現在、日経平均株価の予想1株利益は1208円だ。実績ベースでは1120円であり、7.9%増益になる。2017年3月期の第3四半期は20%強の増益で着地している。7.9%増益は慎重すぎるようだが、これは円安効果を織り込んでいないのだろう。
ちなみに、日経平均の予想PERは13~17倍のゾーンで動いている。NYダウのPER19.5倍はともかく、17倍水準(2万0536円絡み)は十分に見込める。仮に18倍まで買うと、2万1744円が上値メドになる。
●やはり、テーマ性を有する元気な小物を狙う!
一方、物色面では全般カサ上げ相場が展開されると考えられるが、個人投資家にとってはテーマ性を有する元気な小物を攻める戦術が有効だろう。具体的にはアカツキ <3932> [東証M]、ビリングシステム <3623> [東証M]など。主軸株はNY市場、為替の動向次第である。
スナップチャットを運営するスナップがNY市場に上場した。この関連銘柄はアライドアーキテクツ <6081> [東証M]、イー・ガーディアン <6050> [東証M]など。特に、イー・ガーディアンはまったく動いていない。「そろそろ」のタイミングではないか。
ディー・ディー・エス <3782> [東証M]は情報セキュリティ(指紋認証)の本命的な存在である。5月10~12日に東京ビッグサイトにおいて、「第14回情報セキュリティEXPO春」が開催される。これに向け、株価はジリ高を辿るだろう。
ソフトブレーン <4779> は乱高下となっている。3月2日には746円の高値をつけたあと、615円の安値まで売り込まれた。メチャクチャだ。しかし、ボラティリティの高さは投資妙味につながる。旧オーナーの宗文洲氏の持ち株(403万株)はゼロになったという。今後はスカラ <4845> による新たな経営戦略、好業績を評価する段階に入る。
2017年3月2日 記
株探ニュース