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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):TIS、ソニー、花王

TIS <日足> 「株探」多機能チャートより
■TIS <3626>  2,688円  +142 円 (+5.6%)  本日終値
 2日、TIS <3626> が決算を発表。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比11.5%増の161億円に伸びて着地したことが買い材料視された。電力・ガスなどエネルギー関連向けシステム構築が伸びたほか、公共系大型案件なども寄与し、3.7%の増収を確保した。不採算案件の抑制やコスト削減も大幅増益に貢献した。中間期時点では減益だっただけに、増益に転換したことを好感した買いが向かった。

■綜合警備保障 <2331>  4,245円  +215 円 (+5.3%)  本日終値
 ALSOK<2331>が5日ぶりに急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。目標株価は4600円から5200円に見直した。株価の下落により来期以降の利益成長を織り込む好機が到来した、とみている。具体的には、「18年3月期は今3月期の退職給付費用などの特殊要因がなくなることに加え、ガードセンター統合効果などもあり高い増益率が見込める」「好採算の機械警備の成長による利益率改善や人手不足による警備アウトソースニーズの高まりから中期的に高い利益成長が見込める」ことを挙げている。17年3月期の連結営業利益は305億円(会社予想328億円)と予想しているが、18年3月期は同370億円への増益を予想している。

■中国銀行 <8382>  1,733円  +85 円 (+5.2%)  本日終値
 2日、中国銀行 <8382> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.3%にあたる50万株(金額で8億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月3日から2月28日まで。

■ソニー <6758>  3,537円  +168 円 (+5.0%)  本日終値
 ソニー<6758>が急反発。2日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を2700億円から2400億円(前期比18.4%減)へ、純利益を600億円から260億円(同82.4%減)へ下方修正したが、悪材料出尽くしとの見方が強まっている。前提為替レートを1ドル=101円前後から118円前後へ、1ユーロ=113円前後から123円前後へ見直したことで、売上高および営業収入は7兆4000億円から7兆6000億円(同6.2%減)へ上方修正した。これに加えて、エムスリー<2413>株の一部売却に伴う売却益372億円の計上を見込んでいる。一方で、第3四半期に映画分野で営業権の減損損失1121億円を計上したほか、構造改革費用を30億円積み増したことなどが利益を圧迫するとしているが、映画事業の減損は1月30日に発表済みであることが、今回の悪材料出尽くし感台頭につながったようだ。なお、未定としていた期末配当は前期末並みの10円を予定している。同時に発表した第3四半期累計(16年4~12月)決算は、売上高及び営業収入5兆6996億4600万円(前年同期比9.3%減)、営業利益1943億1100万円(同49.8%減)、最終利益456億3900万円(同80.7%減)だった。

■大平洋金属 <5541>  372円  +16 円 (+4.5%)  本日終値
 大平洋金属<5541>が急動意、テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前で中段上放れの動きをみせている。同社は新日鉄住金系のフェロニッケル製錬大手で、今3月期は前期比で大幅に赤字が縮小する見通しにある。ニッケル鉱石はフィリピンが生産全体の約5割を占めている状況にあるが、フィリピン政府の鉱山操業停止命令で供給がタイト化する思惑が浮上している。LMEニッケル価格は前日2日まで5日続伸しており、1トン=1万395ドルまで上昇、約3週間ぶりの高値をつけた。このニッケル市況の底入れが同社株価に浮揚効果をもたらしている。

■花王 <4452>  5,843円  +245 円 (+4.4%)  本日終値
 花王<4452>が大幅反発。2日の取引終了後に発表した17年12月期の連結業績予想が、売上高1兆4700億円(前期比0.9%増)、営業利益2000億円(同7.8%増)、純利益1380億円(同9.0%増)と前期に続いて増益を見込んでいることに加えて、年間配当を前期の94円から108円へ増配する見通しであることが好感された。日本のコンシューマープロダクツ事業で販売制度の改定を行うほか、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を早期適用する予定であることから、売上高が目減りするほか、天然油脂の価格が高水準で推移し、原材料価格の上昇が見込まれる一方、新製品投入効果で販売数量の増加を見込むほか、高付加価値品の開発やコストダウンの継続で増益を確保する見通し。なお、16年12月期連結決算は売上高1兆4576億1000万円(前の期比1.1%減)、営業利益1855億7100万円(同10.9%増)、純利益1265億5100万円(同20.3%増)だった。同時に3月1日付で900万株の自社株を消却すると発表しており、これも好材料視されているようだ。消却後の発行済み株数は4億9500万株となる。

■福井銀行 <8362>  298円  +11 円 (+3.8%)  本日終値
 全体相場は方向感がつかみにくいなか前日終値近辺で強含みもみ合いの展開にあるが、そのなかで福井銀行<8362>、百五銀行<8368>、中国銀行<8382>、栃木銀行<8550>、京都銀行<8369>、愛知銀行<8527>、秋田銀行<8343>、佐賀銀行<8395>など地銀株の上昇が目立つ。これについて市場では「きょうは日銀の指値オペでいったん長期金利が急低下する場面があったが、米長期金利上昇などを背景に国内金利は先高感が意識されている」(大手ネット証券アナリスト)と指摘。そして「特に超長期金利の上昇基調が顕著であり、イールドカーブが立ってきていることは生保や銀行業界にとって収益機会につながる環境と捉えられている」(同)という。また、国内景気の改善期待に加えて、低PBRの宝庫である地銀セクターは、業界再編の思惑も引き続き底流している。

■ディー・エヌ・エー <2432>  2,453円  +83 円 (+3.5%)  本日終値
 ディー・エヌ・エー<2432>が大幅続伸。任天堂<7974>と共同開発したスマートフォン向けゲーム「ファイアーエムブレム ヒーローズ」が2日に配信開始されたが、3日には早くもiphone、iPadの無料ゲームランキングでトップとなっており、順調な滑り出しを好感した買いが入った。同タイトルは、あらゆる異界の支配を目論むエンブラ帝国と、それに抗うアスク王国との戦いを描く完全新作のゲームで、プレイヤーは、シリーズ歴代の英雄たちの力を借りる「召喚士」として、アスク王国の一員となり戦うというストーリー。任天堂のタイトルとしては、初のアイテム課金型のゲームであることから、今後のゲーム内のイベントなども話題となりそうだ。

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