【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):出光興産、ファストリ、任天堂
出光興産 <日足> 「株探」多機能チャートより
出光興産<5019>が3日続伸で昨年来高値。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は12日、同社株のレーティングを「オーバーウエート」で再開した。目標株価は3690円としている。17年3月期の連結営業利益は会社計画の1130億円に対して1315億円を予想。在庫の影響の差益が会社計画より大きいとみている。また、昨年12月19日に、ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル石油<5002>の株式1億1776万1200株(31.3%議決分)の取得を完了。同証券では、経営統合に向けた一歩としてポジティブに評価している。
■S Foods <2292> 3,045円 +63 円 (+2.1%) 本日終値
12日、S Foods <2292> が決算を発表。17年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結経常利益が前年同期比27.1%増の78.8億円に伸びて着地したことが買い材料視された。前期に連結化した米食肉会社の買収効果や国内食肉卸の取扱量増加で、主力の食肉等の製造・卸売事業の収益が拡大したことが寄与。通期計画の100億円に対する進捗率は78.9%に達し、5年平均の67.7%も上回った。
■グリー <3632> 631円 +13 円 (+2.1%) 本日終値
グリー<3632>が3日ぶりに反発。12日の取引終了後、100%子会社のGlossom(グロッサム)が、ソーシャルメディアを軸としたプロモーションの最適化を図る新サービス「kalie.(カリエ)」の提供を開始したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。新サービスは、クライアントの課題に応じて、ソーシャルメディアで発信力とエンゲージメント力のあるインフルエンサーやアンバサダーなどと、コンテンツの力を生かしたソリューションを提供するサービス。インフルエンサー登録システムと主要トラフィックのデータ解析にGlossomが持つ最先端のアドテクノロジーや最新広告フォーマットを融合させることでシナジーを生みながら、課題に最も適したマーケティング、ソーシャルプロモーション施策を提案するとしている。
■石油資源開発 <1662> 2,634円 +39 円 (+1.5%) 本日終値
石油資源開発<1662>やJXホールディングス<5020>が高い。12日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近2月物が前日比0.76ドル高の1バレル53.01ドルに上昇した。サウジアラビアの減産が伝わっており、原油市場の需給関係の改善期待が出ている。サウジアラビアは日量1000万バレルを下回る水準まで原油生産を削減したとされ、昨年11月に石油輸出国機構(OPEC)加盟国と合意した目標以上に減産した格好となっている。
■イオンファンタジー <4343> 3,415円 +50 円 (+1.5%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>が昨年来高値更新。いちよし経済研究所が12日付のリポートで、レーティング「A」を継続し、フェアバリューを4000円から4500円へ引き上げたことが好感された。海外事業の積極的な新規出店に加え、中国でのアプリ会員の拡大やタイの店舗改善、各国での大型施設ファンペッカの展開などが中長期的に寄与すると評価。同研究所は17年2月期営業利益を37億円(会社計画30億5000万円)と据え置いた。ただ、国内事業の安定成長と海外事業の本格寄与で中期的な収益拡大局面を迎えたとして、18年2月期営業利益を47億円から48億円へ、19年2月期を同53億円から55億円へ予想を引き上げた。
■ファーストリテイリング <9983> 38,430円 +420 円 (+1.1%) 本日終値
12日、ファーストリテイリング <9983> が決算(国際会計基準=IFRS)を発表。17年8月期第1四半期(9-11月)の連結税引き前利益が前年同期比34.2%増の1042億円に拡大して着地したことが買い材料視された。冬物衣料の販売が伸びた国内事業に加え、中華圏や東南アジアの業績好調が寄与した。値引き販売の抑制やコスト削減、11月からの円安による為替差益の発生も利益を大きく押し上げた。
■日本商業開発 <3252> 2,058円 +21 円 (+1.0%) 本日終値
日本商業開発<3252>が高い。この日正午ごろ、日本初となる底地のみを組み入れ対象とした「地主リート」の運用を開始したと発表。あわせて、これを記念した株主優待を実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。通常の株主優待制度では、保有株数に応じて、300株以上700株未満で「全国共通お食事券 ジェフグルメカード」3000円分、700株以上で同6000円分を贈呈しているが、記念優待として、新たに100株以上300株未満の保有を追加するとともに、通常の株主優待の対象となる株主に対しても、「全国共通お食事券 ジェフグルメカード」1000円の増額を行うという。
■OSJBHD <5912> 259円 +1 円 (+0.4%) 本日終値
12日、OSJBホールディングス <5912> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.42%にあたる170万株(金額で3億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は1月13日から7月31日まで。
■信越化学工業 <4063> 9,472円 +32 円 (+0.3%) 本日終値
JPモルガン証券が11日、化学セクターに関して2017年の投資戦略と題するリポートを発表した。それによると、17年の総合化学業界は、国内のエチレン供給量が前年並みとなるほか、アジア地域では春先に定修期を迎えるため、年序盤の業況は高位安定を見込む。また、中盤にかけては、春先にスマートフォンの作り込みを控え、再度需給逼迫が想定されるシリコンウエハーへの関心が高まると予想。個別銘柄では、信越化学工業<4063>と東ソー<4042>の選好を継続。塩ビ樹脂は欧州での環境規制対応により、17年も需給逼迫の公算が高いとしている。
■任天堂 <7974> 23,750円 -1,450 円 (-5.8%) 本日終値 東証1部 下落率3位
任天堂<7974>が急落。午後1時ごろに新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売日を3月3日、希望小売価格を2万9980円と発表したが、材料出尽くし感に加えて、「2万5000円以下なら人気化が期待できる」との見方が強かっただけに、失望感が広がっているようだ。なお、「スイッチ」の予約受付は1月21日からで、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」などが同時に発売されるほか、50社を超えるソフトメーカーが、ゲームソフトを開発中で、開発中のタイトル数は既に80タイトル以上に及んでいるとしている。
株探ニュース