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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):トヨタ、郵船、ソフトバンク

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■トヨタ自動車 <7203>  6,845円  -67 円 (-1.0%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>は反落。目先外国為替市場で円が買われ、一時1ドル=114円台前半まで急速にドル安・円高が進行、これが嫌気されるかたちで売り物に押された。注目されたトランプ次期米大統領の会見では景気刺激策に直接言及しなかったことで、米長期金利が下落、日米金利差縮小を映すかたちで円が買われる格好となった。足もとは1ドル=115円近辺で推移しているが警戒感は強い。また、トランプ氏の保護主義的な政策姿勢にも懸念が拭えない。トヨタはトランプ氏のメキシコ新工場に批判的なツイートを受け、今後5年間に米国で100億ドルの投資を行う方針を示しているが、これを評価する買いは目先限定的なものにとどまっている。

■日本郵船 <9101>  227円  -2 円 (-0.9%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>など軟調な動き。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数がここ再び下落基調にある。前日11日時点で4日続落の32ポイント安と大きく水準を切り下げ、約2カ月ぶりに900を割り込んできたことから、バルチック指数と株価連動性の高い海運セクターには逆風材料となった。為替が足もと円高に振れていることも、ドル建て決済の同セクターにはマイナスとなっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,430円  -65 円 (-0.8%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は小幅反落も底堅さを発揮。昨年末を引き継ぎ6連騰と大きく水準を切り上げてきただけに、全般大幅安に伴い利益確定売りが誘発されているほか、日経平均寄与度の高い銘柄で、インデックス売りの影響も受けているが、下値では押し目買いが厚い。注目されたトランプ氏の記者会見では具体的な経済政策への言及はなかったが、貿易・外交に関しては日本に対する牽制色の強い発言をみせており、日本企業に警戒感を与える内容だった。そのなか、同社は昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した後、いち早く孫正義社長がトランプタワーで会談し米国における500億ドル規模の投資を確約するなどで、トランプ氏とのフレンドリーな関係を構築、海外投資家などの買いにつながっているもようだ。

■アスカネット <2438>  1,324円  +300 円 (+29.3%) ストップ高   本日終値
 アスカネット<2438>がストップ高。米ラスベガスで開催された家電見本市CES2017のBMW社ブースで、同社のAIプレートを搭載した「HoloActive Touch」が発表されたが、この体感リポートをアスカネットのHPで紹介したことが買い集中につながったようだ。BMWの「HoloActive Touch」技術は、ホログラムで仮想のセンターコンソールを表示させ、触覚フィードバックによるタッチ操作が可能。体感リポートでは、プレートから画面は25センチ程度浮かせてあるが結像に乱れがないことや、輝度・コントラスト比が高いため、非常に見やすいこと、さらにタッチの触感は圧倒的な完成度で誤動作も一切ないとして、「当社のディバイスが他の多くの技術と結びつき、実用に向けて新たな展開をしている様子がわかる」とコメントしている。

■ANAP <3189>  605円  +100 円 (+19.8%) ストップ高   本日終値
 ANAP<3189>がストップ高。同社は11日取引終了後に、17年8月期第1四半期(16年9~11月)の単独決算を発表。経常損益は3300万円の黒字(前年同期は4100万円の赤字)となり、上半期計画(4900万円の赤字)を大きく超過した。売上高は15億7100万円(前年同期比6.3%減)となった。前年度末から5店舗を退店した影響で店舗販売事業の売り上げが減少した一方、主力であるインターネット販売事業の売り上げは堅調に推移。利益面では、前期以前から実施している不採算店舗の退店効果で店舗経費が圧縮されたことなどが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■ジュンテンドー <9835>  563円  +80 円 (+16.6%) ストップ高   本日終値
 ジュンテンドー <9835> [東証2]が連日ストップ高に買われた。10日、同社が株主優待制度を新設すると発表したことが引き続き買い材料視された。毎年2月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、一律でクオカード1000円分を贈呈する。100株購入した場合、株主優待込みの前日終値ベースの配当利回りが4.1%となり、配当権利取り狙いの買いが殺到した。

■AKIBA <6840>  360円  +49 円 (+15.8%)  本日終値
 AKIBAホールディングス<6840>が連日の急騰で異彩を放つ。前日は一時ストップ高に買われ、61円高の372円まで買われる場面があった。同社は自社開発のフラッシュメモリーを販売するほかメモリー製品を幅広く展開しており、半導体メーカーでコンピューターの演算処理の高速化に貢献するGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を開発し人工知能(AI)関連のキーカンパニーとして注目される米エヌビディア関連としてにわかに頭角を現している。「マウスコンピューター(東京都千代田区)を販売先におき、IoT関連の需要も高水準。業績は18年3月期に急回復に向かうとみられている」(市場関係者)ことで、投機資金の流入に弾みがついている。

■トランザクション <7818>  1,929円  +237 円 (+14.0%)  本日終値  東証1部 上昇率トップ
 トランザクション<7818>が後場急伸。この日正午ごろ、2月28日を基準日とする1対2株の株式分割と、株主優待制度の拡充を発表しており、これを好材料視した買いが入っている。株主優待制度の拡充では、従来、毎年2月28日時点で2単元(200株)以上保有の株主を対象に、同社製品群の中から1セット3000円相当の製品を分割前200株以上1000株未満で1セット、同1000株以上2000株未満で2セット、同2000株以上で3セット贈呈していたが、これを1単元(100株)以上保有の株主を対象に、1セット2000円相当の製品を分割前100株以上500株未満の保有で1セット、同500株以上1000株未満の保有で2セット、同1000株以上で3セットをそれぞれ贈呈するとしている。さらに、同時に発表した第1四半期(16年9~11月)連結決算で、売上高32億5400万円(前年同期比12.6%増)、営業利益4億600万円(同47.2%増)、純利益2億4300万円(同29.3%増)と大幅増益だったことも好材料視されているもよう。

■ブレインパッド <3655>  1,542円  +151 円 (+10.9%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 ブレインパッド<3655>が大幅高で7連騰、この間に株価は41%強の上昇をみせており異彩を放つ。人工知能(AI)分野を深耕しディープラーニング(深層学習)技術などの研究開発で業界をリードしている。独自アルゴリズムを活用した自然言語処理エンジン「マインドプラス」で注目されるほか、IoT時代の到来に先駆け、日本マイクロソフトと東京エレクトロンデバイスが設立した「IoTビジネス共創ラボ」にも立ち上げ段階で参加しており、注目度が高い。ヤフー<4689>との合弁で設立したデータ分析サービス会社解散後に主事業を継承しているほか、みずほ証券には168万人分の顧客データを分析するビッグデータ対応のマシーンラーニング・予測分析システムを導入するなど、実力をいかんなく発揮している。みずほ系の投資運用会社アセットマネジメントOneが昨年10月下旬に5%超の大株主に浮上、その後7%台まで保有株を増やしており、機関投資家の買い増し姿勢も注目されている。

●ストップ高銘柄
 ベルグアース <1383>  1,413円  +300 円 (+27.0%) ストップ高   本日終値
 MXリス5 <1567>  1,451円  +299 円 (+26.0%) ストップ高   本日終値
 GMO TECH <6026>  2,929円  +500 円 (+20.6%) ストップ高   本日終値
 など、6銘柄

●ストップ安銘柄
 UMNファーマ <4585>  574円  -150 円 (-20.7%) ストップ安   本日終値
 以上、1銘柄

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