市場ニュース

戻る
 

【市況】前場に注目すべき3つのポイント~中小型はハシゴ外され、トランプ物色に集中

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中小型はハシゴ外され、トランプ物色に集中
■外資系証券の注文動向:差し引き460万株の売り越し
■前場の注目材料:ZMP上場延期による個人のセンチメント悪化






■中小型はハシゴ外され、トランプ物色に集中


9日の日本株市場は買い優勢の展開となろう。8日の欧米市場はECB理事会でドラギ総裁が必要に応じた量的緩和策の期間延長や規模拡大の実施に言及したことが好感された。また、原油相場の上昇やトランプ政権への政策期待からの物色が続くなか、NYダウは連日で最高値を更新。シカゴ日経225先物清算値(3月限)は大阪比80円高の18810円だった。

欧米株高の流れを受けて、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から幅広い銘柄に買いが先行することになろう。本日はメジャーSQとなり、ギャップ・アップで始まることから、SQ値が抵抗となる可能性はある。しかし、先高期待が大きく、日経平均は1月4日のザラバ高値18951.12円が射程に入ってきているとみられる。節目の19000円へのカウントダウンのなか、押し目買い意欲は強そうだ。

一方で、来週の米FOMCでの1年ぶりの利上げ実施後の一段高を想定するものの、SQ通過となることで海外勢はクリスマス休暇に入るところが増え、商いが低水準になりやすい。そうなると、個人主体による材料株物色が強まるパターンではあるが、期待のZMPの上場延期により、自動運転車関連への需給悪化なども警戒される。

もっとも、この1ヵ月の世界株の時価総額増加幅は2兆ドル(約226兆円)となり、債券の減少幅とほぼ同額だったようだ。債券から株式に資金シフトが強まっており、この持続を見極めるうえでも、来週のFOMCに関心が集まる。ただ、現在の需給状況からは、利上げペースが速まったとしても、リスク資産投資に向かいそうである。そのため、物色としては、トランプ関連に集中することになりそうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き460万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1930万株、買い1470万株、差し引き460万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


12月02日(金):50万株の買い越し
12月05日(月):310万株の買い越し
12月06日(火):90万株の売り越し
12月07日(水):30万株の売り越し
12月08日(木):200万株の買い越し



■前場の注目材料

・NYダウは上昇(19614.81、+65.19)
・NY原油は上昇(50.84、+1.07)
・高額紙幣廃止でインドの自動車販売に打撃
・ZMP<7316>上場延期による個人のセンチメント悪化
・日立<6501>、IoT機器をサイバー攻撃から防御するシステムを製品化
・NTTデータ<9613>、17年春にもスマホ撮影で決済できるサービス提供へ
・丸井G<8252>業績観測
・サンリオ<8136>に業績観測


☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・08:50 10-12月期法人企業景気予測調査・大企業全産業(7-9月期:前期比+1.9%)


<海外>
・10:30 中・11月消費者物価指数(前年比予想:+2.2%、10月:+2.1%)
・10:30 中・11月生産者物価指数(前年比予想:+2.3%、10月:+1.2%)

《WA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均