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【特集】檜和田浩昭氏【好調推移の年末相場、上値のメドは?】(3) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

―日経平均10ヵ月半ぶり1万8000円台、高まる先高期待の行く末は―

 21日の日経平均株価は終値ベースで約10ヵ月半ぶりに1万8000円台を回復した。足もとは外国人投資家の買いにも厚みが加わっており、全般相場は先高期待が高まっている。しかし、地合いに過熱感があることも事実だ。年末相場でさらなる上昇が見込めるのか、あるいは反動安の洗礼を浴びることになるのか、ここからの東京株式市場の見通しについて第一線で活躍する市場関係者に聞いた。

●「外国人投資家の買い継続で年内1万9000円台での推移」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 21日の東京株式市場は、外国為替市場で1ドル=111円台前半まで円安・ドル高が進行したことが好感され、日経平均株価終値は、前週末比138円高の1万8106円と4日続伸し、終値では1月6日以来約10ヵ月半ぶりに1万8000円台を回復した。このあたりの価格帯は過去の滞留日数や、累積売買代金が少なく上値圧迫が比較的軽いゾーンだ。今年の大発会(1月4日)は、中国・上海株式市場で導入したばかりの「サーキットブレーカー制度」が発動され、上海総合指数が急落した影響で、日経平均株価は終値で前年末比582円安と急落した。ようやく、この1月初めの水準近くまで回復してきたわけだ。

 外国為替市場で、現状のような円安・ドル高基調が継続すれば、年内の日経平均株価は1万9000円台での推移となりそうだ。輸出関連の主力企業の下期(16年10月~17年3月)の想定為替レートは1ドル=100~105円が多く、足もとの円相場なら、企業業績上方修正の可能性が高まってくる。

 トランプ次期米大統領の政策を反映するかたちで、米長期金利が上昇しNYダウ平均株価は過去最高値更新となっているが、実際に大統領に就任する来年1月20日までは、思惑が先行する上昇相場が続きそうだ。とくに、東京株式市場は、9月まで海外投資家が大幅売り越し基調となっていただけに、今後は外国人投資家からの再評価の買いが継続することが予想される。

 物色動向では、円安進行でメリットを享受する自動車。さらに、トランプ次期米大統領による金融セクターにフレンドリーな政策スタンスが期待されていることから、銀行、商社にも注目したい。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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