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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~ファナックはサプライズなく、日経平均の重石にも

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ファナックはサプライズなく、日経平均の重石にも
■外資系証券の注文動向:差し引き190万株の買い越し
■前場の注目材料:TPP法案、今国会の成立濃厚





■ファナックはサプライズなく、日経平均の重石にも


1日の日本株市場は方向感に乏しい相場展開になりそうだ。10月31日の米国市場では、大型買収の発表が好感される場面もあったが、連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計の内容を見極めたいとの思惑や、ヒラリー氏の私用メール問題によって大統領選の見通しが不透明となったとの懸念から上値も重く、結局は小幅な下げになっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の17395円となり、やや利食い優勢の相場展開になりそうだ。

また、決算が本格化するなか、ファナック<6954>は今期純利益を小幅に上方修正したが、コンセンサスを下回っており、今回はサプライズとはならなかった。また、ソニー<6758>は電池事業売却で減損損失を発表している。選択と集中といった意味では評価されようが、株価は高値もち合いが続いていたこともあり、利益確定に向かわせやすいだろう。一方でTDK<6762>は利益計画を上方修正している。こちらもコンセンサスを下回っているものの、そもそも従来計画時点で乖離が大きかったこともあり、上方修正による減益幅の縮小は好感されそうだ。

その他、基本的には決算を受けての物色が中心になるだろうが、外部環境の不透明感から手掛けづらさがあるため、中小型株に資金がシフトしやすいとみられる。なお、日銀の金融政策決定会合については、現状維持でサプライズはないだろう。今晩のFOMCについても同様である。ただ、米大統領選については、まだトランプ氏を織り込む流れにはなっていない。ヒラリー氏との差が再び縮まってきていることもあり、波乱の展開の可能性は意識しておく必要がありそうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き190万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り980万株、買い1170万株、差し引き190万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


10月25日(火):120万株の買い越し
10月26日(水):290万株の買い越し
10月27日(木):80万株の売り越し
10月28日(金):520万株の買い越し
10月31日(月):130万株の買い越し


■前場の注目材料

・NYダウは下落(18142.42、-18.77)
・NY原油は下落(46.86、-1.84)
・TPP法案、今国会の成立濃厚
・新興国の企業が抱える債務が膨張
・セブン&アイ<3382>、北京のスーパー縮小
・味の素<2802>、「ブレンディ」など商標権をオランダ企業から取得
・ベネッセ<9783>、進研ゼミ刷新
・チムニー<3178>、鮮魚VBと提携

・バロックジャパンリミテッド<3548>が東証1部に新規上場


☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日、金融政策は現状維持の予想)
・日銀展望レポート


<海外>
・10:00 中・10月製造業PMI(予想:50.3、9月:50.4)
・10:00 中・10月非製造業PMI(9月:53.7)
・10:45 中・10月財新製造業PMI(予想:50.1、9月:50.1)

《WA》

 提供:フィスコ

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