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【市況】矢口 新のマーケット羅針盤 「Q&A:住宅ローンのタイミング」


Q:トレードというよりもファンダメンタルな内容なのですが、住宅ローンを組むタイミングと変動・固定金利どちらがいいかを検討しています。量的緩和が限界に近づき、追加緩和の内容としてマイナス金利でさらに金利が深掘りされる可能性があること、マイナス金利はいずれ終了する可能性がある、という前提に立てば、「もう少し期間を置いてさらに金利が低くなった時に固定で組んでしまう」というのがいいように感じます。

 一方、アメリカの利上げが12月などにあれば、日本の銀行の金利もこれ以上下がりにくくなるという見方もあるように感じますが、いかがでしょうか?

A:住宅は全般的に供給過剰のうえ、日銀のマイナス金利を深掘りしても、長期金利は下げないというイールドカーブ・コントロールで、住宅ローン金利は下げる方向になく、ドイツ銀行などは今後2年以内に東京のマンション価格は2割下げると予想しています。

 現状の金利水準は、人類始まって以来ともいえる低水準です。借り手にとってこれ以上のチャンスは、あっても一時的です。その意味では、変動は問題外。長期固定金利が最も有利です。また、米金利は12月に上げなくても、方向は上向きです。つまり、金利面では待つ理由はないと言えますが、価格面では待った方が良いというのが合理的な見方になります。

2016年10月17日 記

矢口 新(やぐち あらた)
アストリー&ピアス、野村證券、グリニッジ・キャピタル・マーケッツ、ソロモン・ブラザーズ、スイス・ユニオン銀行などで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤める。2002年5月株式会社ディーラーズ・ウェブ創業。2013年4月まで同社代表取締役社長。JTI(Japan Trading Intelligence)初代(2003-7年)代表。

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