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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~金融株の戻り鈍いと個人主体によるテーマ株等の流れに

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

3日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:金融株の戻り鈍いと個人主体によるテーマ株等の流れに
■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の買い越し
■前場の注目材料:きょうからノーベル賞が発表




■金融株の戻り鈍いと個人主体によるテーマ株等の流れに


3日の日本株市場は買い先行の展開となろう。米司法省はドイツ銀行に科す罰金を当初科すとしていた最大140億ドルから大幅に下回る54億ドルで合意間近との報道を受けて、ドイツ銀行を巡る欧州金融不安が和らいだ。これを受けて9月30日の米国市場ではNYダウが160ドル強の上昇、シカゴ225先物清算値は大阪比170円高の16560円となった。

この流れを受けて、金融株を中心とした買い先行の相場展開が期待されるところ。ただし、ファンド等による資金引き揚げなどが伝えられるなか、押し目買い等も慎重になってくる可能性があり、自律反発の域は脱せそうにない。また、今週は週末に米雇用統計が予定されている。米国の年内利上げへの思惑等を左右させてくる可能性もあり、様子見姿勢が強まりそうである。

日銀のETF買入れについて、10月からTOPIX型の買入れ拡大により、地銀や電鉄など流動性の低い銘柄の高パフォーマンスが期待されそうである。一方で、ソフトバンクグ<9984>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ファナック<6954>といったこれまで225型で指数インパクトの大きかった銘柄へのETFによる下支え効果が低下する可能性がある。

物色の流れとしては、個別材料株中心になりやすいとみられるが、小売の主力処の決算のほか、中国・国慶節、ノーベル賞などの関連に注目。また、VISAブランドのプリペイドカードにビットコインから入金するサービスにより、ビットコインを利用した支払いができる国内の店舗が数百万規模に拡大すると報じられている。また、横浜銀行などが構築するブロックチェーン技術を使った新送金システムに、りそな銀行など38行が参加すると報じられており、フィンテック関連等への物色も意識されそうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き20万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1120万株、買い1140万株、差し引き20万株の買い越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


9月26日(月):820万株の売り越し
9月27日(火):740万株の売り越し
9月28日(水):110万株の買い越し
9月29日(木):150万株の売り越し
9月30日(金):830万株の売り越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(18308.15、+164.70)
・NY原油は上昇(48.24、+0.41)
・今月中にも訪日客2000万人
・米司法省、ドイツ銀の罰金54億ドルで近く合意
・英国、来年3月末までにEU離脱通告
・ビットコインを利用した支払い、店舗数数百万規模に拡大へ
・スシロー買収で複数社が協議
・きょうからノーベル賞が発表
・中国は国慶節、インバウンド関連にも関心


☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・08:50 日銀短観9月調査概要(予想:大企業製造業DI:+7、大企業非製造業DI:+18)


<海外>
・中国本土の株式市場は国慶節の祝日のため7日まで休場

《WA》

 提供:フィスコ

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