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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「異様な雰囲気漂うマーケット」

株式評論家 富田隆弥

◆9月は記録的な日照不足だったが、株式市場にも秋雨前線が居座った。8月の薄商いは気にならないが、いつまでも夏枯れが続くのは異常で、それが際立ったのがメジャーSQの9月9日。先物の清算売買が出るSQ日は普段の1.5倍程度の出来高が当たり前だが、9日は17億6469万株と普段とまったく変わらなかった。裁定売買がほとんどなかったような状態だ。

◆これは、何か異常を示唆しているように思える。日銀の執拗なPKO(ETF介入)や、精度を増す超高速取引(HFT)などが影響していると推測するが、裁定取引を激減させている真の原因は分からない。ただ、これまでのマーケットの売買構成が大きく変わっている可能性がある。それが良いのか悪いのかは不明だが、市場が異様な時代に入っていることは承知しておきたい。

◆さて相場だが、先週に引き続き当面は「為替」を横目に「もみ合い」、日経平均株価で1万6000~1万7500円ゾーンでの乱高下を想定している。29日はOPECの減産合意が伝わり「原油(WTI)」も横にらみの一因に加わったが、日経平均のチャートが往来地合いにあることは変わりない。

◆一目均衡表の「雲」が、日足で「1万5903~1万6565円」、週足で「1万6758~1万7909円」にあり、52週線1万7174円、200日線1万6789円、75日線1万6353円なども上値と下値の節として意識されている。

為替(ドル円)は100円を下値に、75日線と「雲」のある102円台を上値に「もみ合い」が続き、カギを握るNYダウも8月の過去最高値のあとは調整含みで、日足は「雲」(1万7865~1万8512ドル)の中で「もみ合い」になっている。日銀とFOMCという金融イベントが終わり、日米とも少し気が抜けたようだ。

◆さて、荒れやすい10月、「もみ合い」からの放れ足が注目となる。日銀ETF購入がTOPIX型にシフトすることから、個別株は中低位小型株がしばらく話題となろう。

(9月29日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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