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【市況】米系大手証券、日銀の新たな枠組みの緩和効果に疑問

 JPモルガン証券は、26日付のリポートで、日銀の新たな金融政策の枠組み変更について「日銀の新たな枠組みの緩和効果に疑問」のタイトルで以下のような見解を掲載している。

 日銀は「現在の実質金利は十分に低く金融は緩和的」との認識だが、自然利子率は日銀が考える「ゼロ近傍」より下のマイナスの領域にある可能性が高く、実質金利も10年国債金利をゼロに固定すると、十分に低いとは言えない。

 企業が投資をする際に勘案する「リスク要因」を勘案すると、実質金利を政策でさらに低下させる必要がある。予想物価上昇率は一時上昇した後再び急低下したので、これを引き上げるためには、過去の追加緩和を上回る措置が必要だが、今回の「オーバーシュート型コミットメント」では明らかに力不足だ。フォワードガイダンス(将来の金融政策の方向性を示す指針)は、実弾(量・質・金利の拡大)を伴って初めて効果が出る。また、日銀首脳の直前の講演などでは、 マイナス金利深堀りの可能性を示唆していたが、結果は「金融緩和の持続性維持」に力点が置かれたような印象となった。

 日銀の情報発信の方法に問題が残る一方、「2%インフレ目標早期達成」への日銀の本気度が疑われる。先行きについては、日銀は大きな政策変更を2回行ったので、当分の間は現状維持であろう。かといって、このままで2%インフレが日銀の目標達成期間内に実現する可能性は低いので、実際のインフレ率が日銀の想定に比べ下ブレが明白になり、かつ外部環境の変化(円高や原油安など)が誰の眼から見ても明らかになった場合に、追加緩和を行うであろう。当社では、2017年4月に短期政策金利をマイナス0.3%に、10年国債利回り目標をマイナス0.1%に引き下げると予想する。ただし、緩和時期は後ズレする可能性もある。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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