【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):三菱UFJ、平田機工、指月電
三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
日立国際電気<6756>の上値追いトレンド継続、1997年以来19年ぶりの2000円大台替えの可能性が高まっている。IoT時代の到来とともにデータセンターの大容量化・高速化投資が加速する可能性がある。つれて3次元NAND関連の投資需要が増勢一途であり、これを背景に半導体の成膜装置を手掛ける同社のビジネスチャンスが広がっている。3次元NAND型フラッシュメモリーは従来のような平面型ではなく立体方向に積層化したメモリーで高速化に対応、高水準の需要が創出されている。同社は高技術力が必要とされる熱処理成膜装置で高シェアを誇るだけに成長性が見直されており、来期以降の業績回復に期待がかかる。17年3月期は営業利益段階で22%減の126億円予想にあるが、18年3月期について一部調査機関は220億円強と今期予想比8割近い増益を試算するところもある。
■三菱UFJ <8306> 515.4円 +4.2 円 (+0.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などがしっかりした動き。欧州では住宅ローン担保証券の不正販売を巡る問題でドイツ銀行の株価急落、これが投資家心理に悪影響を与えており、東京市場でもその余波が懸念されるところ。きょう、あすの日程で行われる日銀の金融政策決定会合ではマイナス金利幅の拡大を打ち出す可能性が意識されており、これも銀行株には逆風となる。ただ、メガバンクは今月7日以降下値を模索する動きを続けていただけに、事前にマイナス材料を織り込んでいる部分もあり、目先は売り方がポジションをたたむ買い戻しの動きが先行している。
■平田機工 <6258> 7,260円 +40 円 (+0.6%) 本日終値
平田機工<6258>が3連騰、上場来高値を更新した。同社は半導体製造プロセスのウエハー搬送設備で需要を取り込むほか、有機EL分野では有機ELディスプレー製造装置用に真空チャンバーの受託製造も手掛けており、有機EL関連の有力株として注目度が高い。14日には有機EL照明の研究受託業務を展開する連結子会社であるKOYAの株式を追加取得し、完全子会社化することを発表しており、同分野への注力姿勢を強化している。株式需給面でも上値思惑が膨らむ。直近の信用倍率は0.5倍と売り長であり、日証金では逆日歩がつくなど株不足状態。20日付で日証金が貸株申し込み制限を発表しており需給相場の素地が意識されている。
■オムロン <6645> 3,620円 +10 円 (+0.3%) 本日終値
オムロン<6645>が続伸。ドイツ証券では19日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」に引き上げた。同証券では、FAセクターは自動化推進を背景に構造的な成長局面にあるとして推奨している。なかでも、オムロンはFAセクターのファンダメンタルズが回復するなかで、上期決算で通期計画を下方修正すると予想しており、「悪材料出尽くしとなる可能性が高い」とみている。また、上期決算発表に際して自社株買い実施が発表される可能性も指摘している。
■東京製鐵 <5423> 702円 -70 円 (-9.1%) 本日終値 東証1部 下落率2位
東京製鉄<5423>が急落。20日午前中に10月の鋼材販売価格の値下げを発表、国内マーケットは鋼材の需給バランス改善が進んでいるとの認識が高まっていただけに、ネガティブサプライズとなったようだ。会社側では「市中相場は、依然として上昇の盛り上がりには欠けたままの状態で、今後の市況の底入れを図るべく現在のマーケットの実態に合わせて価格を見直した」としている。
■三井不動産 <8801> 2,076.5円 -51 円 (-2.4%) 本日終値
三井不動産<8801>が3日続落。横浜の傾斜マンション問題で住民側は19日、全4棟の建て替えを決議した。同マンションの販売を行った同社傘下の三井不動産レジデンシャルは慰謝料の支払いや全棟建て替えの提案を行っており、今後は400億円ともみられる経費の関係者間での分担に関心が向かっている。同マンション関連銘柄の株価は、元請け建設会社の三井住友建設<1821>は横ばいの一方、2次下請けの旭化成建材の親会社である旭化成<3407>は3日ぶりに反発している。
■指月電機製作所 <6994> 656円 +100 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
指月電機製作所<6994>がストップ高。16日、同社は村田製作所<6981> と資本業務提携することを発表、これがポジティブサプライズとなった。両社はフィルムコンデンサーの開発・製造を行う合弁会社を設立する。資本面では村田製に指月電株式390万株を1株につき563円、約22億円で売却する。両社は以前から協力関係にあったが、今回村田製のセラミックコンデンサーと指月電のフィルムコンデンサー技術を活用することで電気自動車(EV)向けに展開を強化する目的。
■田中化学研究所 <4080> 1,112円 +149 円 (+15.5%) 一時ストップ高 本日終値
田中化学研究所<4080>が一時ストップ高まで買われたほか、ダブル・スコープ<6619>も大幅高と、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池部材を手掛ける両銘柄の上昇が目立った。田中化研はリチウムイオン電池の正極材を生産、8月末にEV向け電池材料に注力の構えをみせる住友化学<4005>が同社の第三者割当増資を引き受け連結子会社することを発表したことで、俄然注目を集めた経緯がある。一方、ダブル・スコープはリチウムイオン電池の正極材と負極材を絶縁するための必須部材であるセパレーターの専業メーカーだ。熱に強いコーティング型セパレーターの需要が高まりをみせるなか、同商品の生産能力を2倍以上に増強する設備投資増強に動いている。きょうは、村田製作所<6981>と指月電機製作所<6994>がEV向け展開を強化する目的で資本業務提携を発表したことが、市場にサプライズを与えており、この流れが田中化研とダブル・スコープの株価を刺激した面もあったようだ。
■ストリーム <3071> 138円 +11 円 (+8.7%) 本日終値
ストリーム<3071>が3日ぶりに反発。同社は16日、中国Youzu社のスマートフォン向けゲームアプリ“高速バトルRPG”「三国ブレイズ」の日本国内での配信で、DMM.com(東京都渋谷区)と共同で企画・運営を行うと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。「三国ブレイズ」はYouzu社が開発し、中国をはじめ全世界で6000万人が遊んだスマホ向けゲームアプリ。このゲームをDMM.comが今秋から日本国内向けApp StoreおよびGoogle Playで配信するにあたり、DMM.comの企画・運営パートナーとして、ストリームが企画では言語関連を中心としたローカライズを、運営では品質保証をはじめとしたユーザーサポートなどを担当する。
●ストップ高銘柄
玉井商船 <9127> 119円 +30 円 (+33.7%) ストップ高 本日終値
アサカ理研 <5724> 1,366円 +300 円 (+28.1%) ストップ高 本日終値
ユビテック <6662> 418円 +80 円 (+23.7%) ストップ高 本日終値
デジタルアイ <6533> 3,070円 +500 円 (+19.5%) ストップ高 本日終値
環境管理センター <4657> 522円 +80 円 (+18.1%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース