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【経済】米雇用統計は微妙な結果

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週末発表された、米国の利上げの行方を占ううえで最も重要な雇用統計(8月)は、非農業部門雇用者数の伸びが15万1000人と、市場予想の18万人に届かなかった。予想を下回ったことで、いったんは9月利上げの確率が低下したとの見方が強まりドル円も下落した。しかし、前月の雇用者数の増加が27万5000人増に上方修正されていることもあり、3ヶ月平均では約23万人と堅調で、9月利上げの可能性もかなり残されているということから、ドル円はその後104円台まで急激に戻した。
 要するに、今回の雇用統計はいつもよりさらに注目度が高かった割に、9月利上げの決定打にはならないが、さりとて9月利上げを否定するまで悪いわけではないという、市場関係者がより一層モヤモヤする微妙な結果に終わったといえよう。
 ただ、足元ではISMなどの指標がさえないため可能性は残るとはいえ、実際のところ9月利上げを断行する可能性はかなり低いのではないかと思われる。
 ドル円相場的にも9月利上げで材料出尽くしとなるよりも、11月ないし12月利上げに向けて推移した方が堅調になりそうだ。とりあえず年内1回は利上げしたい、という米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの意思は固いように見受けられるため、若干の指標の悪化では大勢に影響ないと思われる。
《YU》

 提供:フィスコ

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