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【経済】NYの視点:ジャクソンホールで米金融政策サプライズなしとの見方=Fed調査


米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール)開催前に米国経済専門局CNBCは市場関係者を対象に調査を実施した。その中で、回答者の60%は、中央銀行が金利決定へのフレームワークに準じていないと不満を表明した。エコノミスト、ファンドマネジャー、ストラテジストを含んだ39人の回答者のうち47%は、現在の政策は最近の経済指標に基づいていると指摘。残りのうち38%は中期見通しに基づくFRB独自の評価を基にしていると見ている。

また、回答者はジャクソンホール会合から米国金融政策に関するサプライズはないと予想していることも明らかになった。回答者の半分近くはイエレンFRB議長の講演を含めて会合が「中立的」な結果になると予想。24%は、何等かの利上げの可能性が示唆されタカ派の結果を予想している、一部のアナリストはイエレンFRB議長のタカ派発言で、米国の債券利回りが英国が欧州連合(EU)離脱を決定した6月24日の国民投票以前の水準まで回復すると見ている。一方、16%は利上げを当面見送ることを示唆するハト派的な結果を予想している。

ほとんどの市場関係者は、「経済は引き続き良好で、短期的見通しも良好」との見解ながら、国内総生産(GDP)の成長見通しは2016年度1.8%と、前回2.08%から引き下げ。2017年も2.2%と前回の2.26%から引き下げた。米国経済の最大の脅威では世界経済の弱さ、続いて税制や規制強化が挙げられた。こう言った脅威が弱い潜在成長の長期化につながることが懸念されている。イエレンFRB議長は講演で、短期的に強気の見通しを示し、長期に関しては若干悲観的な見通しを示す可能性も指摘されている。

市場は次回の利上げ時期の見通しを前回調査時の本年12月から来年1月に先送りした。また、FOMCが利上げを終了するFF金利誘導目標の水準は2.29%と、調査開始以来で最低水準まで引き下げられた。市場の金利見通しは依然悲観的だ。一方で、ダドリーNY連銀総裁を始め、FOMCのほとんどのメンバーは9月の利上げも除外していない。イエレンFRB議長が講演で、予想外にタカ派色を強めるとドル買いが強まる可能性がある。


■Fed調査(CNBC)
*次回の利上げ:2017年1月(前回2016年12月)
*利上げ終了時期:2018年10?12月期
*最終的なFF金利誘導目標:2.29%(2.42%)

*FF金利誘導目標見通し
2016年末:0.61%
2017年末:1.22%
2018年末:1.87%

*経済見通し
国内総生産(GDP):2016年:+1.8%(+2.08%)、2017年:+2.2%(2.26%)
インフレ:2016年2%割れ、2017年2%上回る
米国が景気後退に陥る確率:21%(前回22.2%)
英国が景気後退に陥る確率:51.7%(前回55.1%)
EUが景気後退に陥る確率:34.6%(前回38.2%)

*米国経済への脅威
世界経済の弱さ:31%
税制・規制:19%
保護貿易主義:14%
米国大統領選挙:6%

《NO》

 提供:フィスコ

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