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2016年08月15日19時20分

【特集】鈴木英之氏【夏相場終盤、1万7000円復帰はいつ?】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 東京株式市場は薄商いのなかで、日経平均株価は1万7000円大台回復を目前に瀬踏みしている状況にある。悲観がはびこるような地合いではないが、楽観に偏っている気配もなく、足もとの相場は企業の決算発表通過で方向性を見極めかねているというのが実情だ。実績豊富で相場の機微に通じた市場関係者諸氏のプロの視点を紹介する。

●「業績は底堅く1万7500円を意識も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 今後1ヵ月間程度の日経平均は、1万6000~1万7500円前後のレンジでの強含みな動きを想定している。

 第1四半期(4-6月)の業績は、円高の影響もあり厳しかったが、市場予想に比べれば底堅く、健闘したといえるだろう。例えば、トヨタ自動車 <7203> に代表される自動車セクターは、北米市場の伸びやコスト削減努力が業績を押し上げた。

 足もとの日経平均採用銘柄の平均EPSは1200円前後にある。同EPSは6月以降も、下振れせずに底堅く推移している。このEPSをPER13~14.5倍の水準で売買すれば、上値は1万7000円台半ばの水準が見えてくる。

 米国経済が堅調に推移していることも、日本企業の業績に対してプラス要因に働いている。日銀の追加緩和によるETF(上場投信)の買い入れ額拡大も市場で評価されてきているようだ。9月下旬の日銀金融会合での追加緩和期待もあり、来月中旬に向けた高値も想定できる。ただ、日銀会合が接近するとともにやや様子見姿勢も強まりそうだ。

 こうしたなか、日経平均に対する寄与度の高い銘柄の動向に注目している。ソフトバンクグループ <9984> やファーストリテイリング <9983> 、ファナック <6954> といった値がさ株は日銀のETF買い入れ額拡大に絡み市場の関心を集めそうだ。

 また、金利が上昇に転じた場合、銀行株にとってはプラス要因となる可能性もある。さらに、情報通信関連で、富士ソフト <9749> やSCSK <9719> といったシステムやソフト開発関連銘柄には一段の活躍余地がありそうだ。自動運転などに絡みソフト開発に向けた需要は、高まっているようだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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