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【特集】雨宮京子氏【夏相場終盤、1万7000円復帰はいつ?】(1) <相場観特集>

雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

 東京株式市場は薄商いのなかで、日経平均株価は1万7000円大台回復を目前に瀬踏みしている状況にある。悲観がはびこるような地合いではないが、楽観に偏っている気配もなく、足もとの相場は企業の決算発表通過で方向性を見極めかねているというのが実情だ。実績豊富で相場の機微に通じた市場関係者諸氏のプロの視点を紹介する。

●「全般は上値に重さも底値株狙い」

雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

 日銀がETF買い入れ枠を年間3.3兆円から6兆円にしたことの下支え効果がここにきて強く意識されている。追加緩和策としての市場の意見は賛否両論だが、株式市場にとってはインパクトが大きい。現実問題、後場寄りにETF買いが発動すれば700億円強の資金がマーケットに流れ込む。上値を買い進む役割は果たさなくても、下値にトランポリンを設置されては売り方が仕掛けるのは難しい。

 ただし株価の上昇は、経済や企業のファンダメンタルズからのアプローチで上値を買いたいと思わせる必要がある。その点では今はその手掛かりを欠いているといわざるを得ないのも事実だ。まして今週は市場参加者も少なく、東証1部の場合、動きが出るとすれば来週以降(8月22~26日)であろう。それまでは値動きの早い新興市場銘柄などを主流とした小型株で幕間をつなぐ流れが続く可能性もある。

 日経平均の上値としては当面は5月31日の高値1万7251円がフシとなる。仮に1万7000円大台を回復した場合、すぐ目前といってもよい水準だが、ここを払拭してさらなる高みを目指すのはそれほど簡単な話ではないと思う。一方、下値については日銀のETF買いに守られて大きく下押すことは考えにくいが、油断は禁物だ。最高値圏を舞う米国株に波乱要素がないわけではなく、仮に米国株がバランスを崩せば、日経平均も26週移動平均線との上方カイ離を解消する形で1万6400円台への下押しがあって不思議はない。ちなみに25日線も1万6400円台に位置しており、調整局面では下値のメドとして意識されやすい。

 したがって個別銘柄重視の姿勢で臨みたい。必ずしも好決算の銘柄を追撃するのではなく、チャートの位置を考慮した実践的な選択を心がけたい。例えば、業績下方修正で売り込まれた日本電子 <6951> は有配企業であり、電子分野の先端を走っており潜在的な成長力も高い。ここは悪目買いのチャンスとみている。

 また、赤字幅縮小のFFRI <3692> [東証M]は大底圏で急動意しているが、天井の高さを考えれば、上値の可能性に期待した買いが続く公算が大きい。目先調整場面はあっても中期で魅力がある。同じく中間期業績が拡大トレンドにあることが確認されたJIG-SAW <3914> [東証M]も天井が高い点に着目、ここまで存分に底値を固めてきただけにIoT関連の有力株としてリバウンド妙味は無視できない。

 このほか、ブロックチェーン関連ではラクーン <3031> も安値買いの対象として面白い。主力のECサイト「スーパーデリバリー」が好調に伸び、請求書決済代行サービス「Paid」などフィンテック関連としての切り口で再浮上する可能性が高いとみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
元カリスマ証券レディ。経済ジャーナリスト。AK企画代表。日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経て現在に至る。

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