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【経済】米雇用情勢改善でも利上げペース加速の可能性低い


 米労働省が5日発表した7月の非農業部門雇用者数は前月比+25.5万人で市場予想の同比18万人程度を上回った。失業率は4.9%で横ばいだったが、労働参加率は6月から0.1ポイント上昇して62.8%となった。市場関係者が注目した賃金については平均時間給が前月比+0.3%、前年比+2.6%となった。

 7月の米雇用統計は市場予想を上回る内容だったことから、年内利上げの可能性は再び高まった。労働市場の改善はこの先も続くと期待されており、市場参加者の間では「8月の雇用統計が7月並みの内容だった場合、9月利上げは正当化される」との声が聞かれている。

 ただし、インフレについては、2%水準に向けて加速していくとの見方は広がっていない。9月に利上げを行ったとしても、10-12月期におけるインフレ関連の指標が予想よりも悪化した場合、追加利上げは困難となる。利上げによってドル高が進行し、個人消費が抑制された場合、2017年以降の米金利見通しの不透明感は強まり、この影響でドルは伸び悩む可能性がある。
《MK》

 提供:フィスコ

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